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【書籍化決定】クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った  作者: 星野林


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結婚式 日本での人材発掘

「綾乃、まだ妊娠4ヶ月だよな?」


「うん、そうなんだけど……」


 臨月……とまではいかないけど、綾乃のお腹がだいぶ大きくなっていた。


 東條の借りているアパートで、俺と綾乃の2人で妊娠について色々調べてみたところ、2ヶ月半から3ヶ月でお腹が撫でられるくらい大きくなっているのは早かったらしく、更には4ヶ月目でボテっとした妊婦特有のお腹になるのも十二分に早い。


 というか異世界の日数換算なので、本来の10ヶ月と10日で生まれるのが理想的……という計算は当てはまらず、異世界だと約1年かけて生まれてくるのが普通らしいのだが……異世界の助産師の経験を持つ八の島でも少ない医者に診てもらったところ、母子共に健康と言われた。


 考えられる理由は幾つかあるが、農業で使っている成長促進のシンボル……一応人間やモンスターには効果が出ないように設定していたが、赤ん坊の成長に関わっている可能性がある。


 他には俺が手持ちに加えていることによる副次的な効果。


 3つ目はステータスが高いことによる出産までの日数の減少。


 一番可能性が高いのはレアリティアップの恩恵かもしれない。


 ともあれ、この調子だと綾乃は半年で出産に至ることになるし、お医者さんからも流産の危険性が出てくるので直接的な性行為は臨月と判断するまでは禁止と言われてしまった。


 まぁここ1ヶ月間は綾乃に手や口、胸を使って発散させてもらっていたが……。


 最悪パラレルワールドの日本で買ってきたオナホールや自身の右手を使った自慰で我慢するしかないが……。


「他の人はどうなんだろうかね?」


「一番近そうなのはバトラーとホノノカ姉妹の3人か……山本とラミーはまだ彼氏彼女の関係で落ち着いているらしくて、肉体関係に発展しているか微妙だし……ラミーの場合卵生もあり得るからなぁ」


 ちなみに俺が知らないだけで、山本とラミーは行為には至っていたらしい。


 そのうち受精卵ができるのも時間の問題であった。


 後で分かるがラミーの場合、受精卵を産んだら、約1ヶ月後に卵が孵って子供が産まれ、授乳をすることができるようになる。


 まるでカモノハシだな……。


 ちなみに1度に2個から5個の卵を産むので、山本の家系は大家族になるのが目に見えていた。


 あとラミーが独占欲強めなので、あそこに割ってはいることは無理だろう……ソフィーには諦めてもらうしかない。


(元々ソフィーも政略婚の色合いが強かったし、山本との仲も良いってわけじゃなかったから良いけど……山本は異世界に来ても愛の重い奴に好かれるのは体質なのかね? 山本が優しすぎるのもあるだろうけど)


 とりあえず、綾乃の出産までは順調にいけばあと2ヶ月程度。


 できればお腹が膨らむ前にしたかったが、綾乃と話し合って教会で結婚式を開くのであった。







 異世界の結婚式はそんなに重要視はされていないというか、金持ちがする道楽として見られていた。


 結婚に関しては役場で家族になったことを書類として提出することを町では行うが、異世界の村ではそんなこともしないらしいし……。


 法整備が整ってないよりも、税金の徴収ができる仕組みが町にしかしっかり管理できて居ないため、戸籍管理もガバガバ。


 冒険者という外部の人間が無数に流れ込んでくるため、管理しきれないというのが現状っぽい。


 なので書類として籍を入れるだけで結婚は終わり、子供が生まれてから本格的に祝うというのが異世界では主流らしい。


 一応俺達も大々的にやるつもりは無く、教会の一部を借りて、仲間内で祝い合おうっていうのにしていたが、情報は普通に島民にも漏れて、英雄である俺とその仲間である綾乃の晴れ姿を一目見ようと、結婚式当日には島民達が大勢押し寄せた。


 結局、盛大に祝うことになったが、綾乃は、


「ふふ、まさか学校では地味だった私が、隆史君とこうして一緒に結婚式を開くなんてね」


「俺も思って無かったけど……不思議な縁ってやつだな」


「ええ」


 俺と綾乃は2人でキスをすると周りで花吹雪が舞い、仲間達、そして島民から盛大にお祝いされるのであった。


 東條が日本で買ってきたカメラで写真を撮影し、その時の様子は残された。






 結婚式が終わり、日常が戻る。


 八の島の島民の数は3500人を突破。


 ただ残りの1500人に関しては移住先の島々で生活基盤を既に整えていたりするため、すぐには戻ってこないとのこと。


 今いる3500人の元島民と俺が合成して生み出す魔人が主な人口となる。


 八の島の開発を初めて約5ヶ月……帰島する民も落ち着き、島全体のが一段落ついた様に思えてきていた。


「えっと何々……これがエリーゼから上がってきた資料か」


 エリーゼによって書かれた資料には島全体の食料や物資の調達量が書かれており、大雑把に纏めるとこんな感じ。


 ・食料自給率 130%

 ・住居供給率 100%

 ・住宅キャパ 75%

 ・衣服供給率 100%


 これを見ると食料は行き渡っているし、住宅のキャパは、あと25%分は新しく家を建てなくても住居が余っている状態。


 衣服の供給もできているので、人間の生活に必要な衣食住は何とかなっているというのが分かる。


 で、足りてない物、島民が欲しがっている物として挙げられるのはやっぱり肉。


 魚は少しずつ船大工が船を作り、漁師としての技能を持つ住民が取ってきてくれるので、供給はされているが、どうしても肉は輸入に頼りっきり。


 一応俺がジパングで大量に肉を仕入れて、島民に分配するっていうのをやっていたりもするが、穀物の供給も安定したことだし、鶏から飼育を初めて良い頃合いだろう。


 牛、豚、鶏……肉の3種が揃えば大抵何とかなる。


 モンスターの肉でも良いけどね。


 コカトリスのスポナーでも設置しようかな? 


 あと足りてないのは職人系。


 鍛冶師、大工、錬金術師、裁縫師……というか農家と漁師以外はほぼ足りてない。


 一応文官と兵士は最低限の人数はいるけど、兵士の質はお察し。


 エリーゼと話し合って俺が生み出す魔人族を兵士にするかって真剣に考えられるほど兵士も不足している。


 文官はデスマーチを続けているから、そっちの補充も何とかしたいと思っている。


 人と家畜が揃えば、ある程度の安定はするかも? 


「シルクスライムとコットンスライムのお陰で衣服の素材を大量に確保できたのは大きいな」


 現状それで俺が洋服を生み出して、山本、ラミーの2人が市場に出店して、洋服を売ったり支給したりするが、どうしてもおんなじ柄だったりサイズの微調整が難しいので、上は下半身まで被りる丈の長い服を、下はオーバーオールが殆ど。


 肩紐とベルトである程度のサイズ調整ができるし、農業や漁業といった汚れたりしても大丈夫で、動きやすいからと男女問わず殆ど同じ格好になっている。


 ファッションをする余裕はもうしばらく無さそうかな? 





「さてと、人材発掘を日本経由で行いますか」


 ある日の夕方、俺は東條と山本と一緒に日本ひのもとに来ていた。


 今回の目的は人材のスカウトである。


 と言っても生きている人間ではなくて、死んでしまった人間を中心にスカウトすることにする。


 電車を乗り継いでいると、すっかり当たりは暗くなり、そこからはタクシーに乗ったりして墓地近くを目指す。


 夜間の墓地の侵入は禁止されていることが多いため、普通はしてはいけない。


 あと今の日本の季節は冬なので、寒さで冷えるため、夜間の墓地に来るようなもの好きはほぼ居ないので、俺達は逆にこの季節を狙ったのだ。


「今日の目標は30人、できれば若くなくなった未練持ちや職人系の方だと嬉しいけどね」


 山本は霊体に成れるし、東條もステータスが上がったお陰で冬の夜の寒さもへっちゃらとのこと。


 一応防寒着は着ているけど。


 俺はクリエイティブモードに成れるので、寒さ暑さは無視できる。


 そんな変な集団が墓に来ると、墓で眠っている幽霊の方々も気になって近くに来るわけで。


『兄ちゃん達肝試しをするような季節じゃないから帰った方が良いぞ……って俺達のことは見えないか』


「いや、見えてるよ」


『え? あ! マジ!』


『これ指何本見えるかわかるか?』


「3本指立ててるでしょ、だからこっちはバリバリ見えるって」


『おーい、皆。なんか霊感凄い奴来たぞ』


『外のことどうなってるか聞けるかもしれねぇよ』


『この時期だから墓参りの人が少なくてな! 墓参りの人達も俺等が知りたい情報は持ってないから新入りに聞くしかなくて!』


 幽霊達で賑やかだな。


「と言っても俺達は現世に未練はある……というか生き返って異世界で新しい生活をしてもいいっていう連中をスカウトしに来たんだけど」


『どういうこっちゃ?』


 周りに集まった幽霊達にもわかるように俺は説明していく。


 新しい肉体を与えて、異世界で新しい生活を始める。


 一種の転生みたいなもの。


 ただ前世の記憶は引き継いだ状態での転生だから今までの知識や経験は活かせるし、異世界に行くことで何かしらの特殊能力を覚えたり、魔法を扱えるようになったり……。


「今はないんだけど、ダンジョンをもうしばらくしたら建設するから、そこでモンスター倒して億万長者になって異世界の住民でハーレム作ったり……なんてこともできるぞ」


『『『ゴクリ』』』


 生涯独身だった男の幽霊達が生唾を飲む音が聞こえてくる。


「ただ異世界に行くってことはこっちの世界にはほぼ戻ってこれないって思ったほうが良い。まぁ漫画や雑誌とかは異世界と日本を行き来できる俺達3人が購入したりして持ってくることはできるけど、異世界だから電気がなかったり、生活水準は少し低くなるが、それは我慢してくれ」


『生活水準が低くって小説に出てくる中世ヨーロッパくらい?』


 若い幽霊が質問するので、俺は電気が無い代わりに魔法や錬金術があるから、ガスや水道に近いのはある。


 トイレとシャワーは各住居にあるし、公衆浴場が町には複数箇所あるとも説明する。


「異世界でも日本語の読み書きと四則算ができれば何とかなる。新しい肉体は異世界の住民よりも強めの肉体になるから、最初農作業とかしてもらうと思うけど、魔法を覚えてしまえば機械化された農業以上に農作業は楽だし、他にも牧場系の仕事があるから職には困らない。あと異世界の住民と生活してもらってあっちの常識に合わせられる人を求める」


 俺が色々説明すると幽霊達は各々相談を始めるのであった。

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