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クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った  作者: 星野林


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必要な物を揃える

 捕獲状態にし、鍛えるを選択した東條の待ち時間を時間操作でスキップする。


 時間操作の技を使うためのタメ時間に5分掛かったが、それでも元の時間だと100レベルに上げるのに丸2日掛かるので大幅な時短だ。


 鍛えるの時間が終了し、東條のステータスを調整する。


 名前 トウジョウ・リオ

 種族 人族

 年齢 27

 性別 女

 職業 無職/アゲマン

 健康 良好

 好感度 37/100


 レベル100

 割り振りポイント 15


 HP C 0/25(100/300)

 MP D 0/5(50/125)

 パワー C 0/25(80/240)

 ガード C 0/25(50/150)

 マジック D 0/20(50/125)

 スピード C 0/25(30/90)

 ラック SSS MAX(42/231)


 これが現在の彼女のステータスである。


「東條、出てこれるだろ?」


 俺が東條にそう言うと、東條が外に出てきた。


「外に出ようって強く思えば出れるのね」


「ああ、これがお前の今のステータス」


 俺は紙に書き起こしたステータスを見せる。


「なんか色々ごちゃごちゃしているわね」


「俺に捕獲されると通常のステータスとは別のステータスが表示されるようになる。ステータスバグって俺は呼んでいるが」


「ふーん……SとかCとか英語表記があるとよりゲーム風に見えるわね」


「英語の後にある括弧の前が通常のステータス表記で見れる数値で後者が実数値」


「私の場合ラックが凄いことになっているけど」


「ああ、本来ラックって100を超えないから超幸運の人になっている筈だ」


「ちなみに実数値が他のも高くなっているけど……」


「ああ、日本で使いそうな能力のランクを高めに、魔法は別に必要ないから低めにしておいたぞ。こっちの世界で骨を埋めるんだったら話は別だけど」


「もしかして……魔法が使えるようになったり?」


「異世界に来た時点で変化が起こるっぽいからな。転移者は特殊能力を得れるってなっていたから……」


「特殊能力って……職業の後がアゲマンになっているけど」


「そ、そういうことなんだろうな」


「これじゃあ誰にでも股を開くアバズレみたいじゃない!」


 プンプン怒り始めたが、俺に当たられても……それは置いておいて……。


「明日金を換金することはできるか? 正装をしていくんだったらそれに合う服も用意できるけど」


「服を用意って?」


 俺は手にTシャツをインベントリから取り出し、それを目の前でリクルートスーツに変化させた。


「素材があれば別の服を作ったり俺はできるんだ。高級品は作れないんだけどな。あくまで市販で売られているような量産品だけど」


「じゃあYシャツと……今日私が着ていたスーツ……あれを綺麗にしてくれれば十分だわ」


「綾乃……食事を作ってくれたり、東條を風呂に入れてくれた俺の同郷の子で藤原の苗字なんだが」


「藤原さんね。あの前髪をヘアピンで留めていた可愛い黒髪の子」


「そう、彼女がどんな服でも色落ちせずに綺麗にできる魔法が使えるから、スーツの洗濯頼んでおくよ」


「それは助かる……あともしここに住んでいいなら寝間着と下着が幾つか欲しいんだけど……」


「作ることできるけど、下着を今日見知った男に作らせて大丈夫なのか?」


「デジタルタトゥーの酷い女だよ。調べれば私の裸からバストサイズとかも分かっちゃうから今更……ちょっと待ってね」


 すると彼女はTシャツの中に着ていたブラジャーを脱いで渡してきた。


 デカいブラジャーだな……サイズはGとかか? 


 というかTシャツ薄いから薄っすら乳の乳輪とか乳首が見えてしまっているが……。


「大きいですね」


「よく言われる。作れそう? 私大きすぎていつも特注ブラじゃないと駄目で」


「可愛いデザインのブラ最後に着けたの中学生くらいだったかな」


「デザインできるんで、幾つか今作りますね」


 俺は綾乃から教えてもらったブラジャーの柄やフリル付きとかのを女性陣皆の分作っていた。


 それもこれもこの世界のブラジャーの質が悪いのに値段が高いのが悪い。


 なんなら生理用品まで俺が作っているからな……。


 もうそれを作ることに慣れて、興奮を感じることはなくなっていたが。


(というか、日本で質の良い生理用品買うことができるじゃん。魔法で生理の軽減はできるとはいえ、完全にはできないけど、重さが軽減されていれば、日本で市販されている生理用品の方が俺が作るより品質良いし……うん、むしろいいな)


 そんな事を考えながら幾つか同サイズのブラジャーを東條に渡した。


「おお、センスあるね……うん、胸にしっかりハマるし、作り慣れてる?」


「ここにいる女性陣のブラジャーは俺が作ってるので」


「そっかー……うん、でも大きなサイズのブラジャーって特注高いから助かった。変態彼氏がヤリ捨てした際に私の下着類も持ち逃げして……本当……警察に相談もできないから助かった……」


 苦労が滲み出ている。


 可哀想に……。


「じゃあ明日換金頼むわ、送ったら近場で時間つぶしているから」


「スマホとか連絡手段無いと困らない?」


「捕獲状態にしている人物の場所は俺なんとなく分かるから……それと呼ぶ感じで念じればなんとなく感じるから」


「便利ね」


「まぁ特殊な状態だからな」


 俺は話すことも話したので、あとはごゆっくりー……ていって部屋から出ていき、バトラーと2人の部屋で速攻眠るのだった。











 翌日、目を覚ました私は窓から外を見ると、光るコケが生えている地下空間であることを目撃し、本当に異世界に来ているんだって改めて実感が湧いてきた。


 グーグーご機嫌なお腹を擦りながら、無意識に冷蔵庫を探すが、ここは住んでいたアパートじゃないんだと寝ぼけていた意識がスゥっーと冴えてくる。


 蛇口から水を流して顔を洗い、ふかふかのタオルで顔を拭く。


 ホテルの一室の様な整った部屋に居ると、学生時代……まだ家が裕福で豪邸に住んでいた頃を思い出す。


 部屋を出ると、この世界に連れてきて、私を救ってくれた斎藤と出くわし、朝食ができたからちょうど呼びに行こうとしていたと告げられた。


 彼は朝から風呂に入ったのかホカホカしていて、髪が若干濡れている。


 そのまま階段を降りて食堂に向かうと、いい匂いが広がる。


 おぼんの上に料理が並べていくが、朝から豪華。


 ご飯にきのこの味噌汁、トマトベースのロールキャベツが3個も入った器に、副菜として昨日の残りのポテトサラダとザーサイの様な漬物が小皿によそわれていた。


 飲み物は緑茶っぽい。


「いただきます」


 この館……ホノカ亭というらしいが、そこに住む住民も各々食べ始める。


 元々この館は宿として経営されていたらしいが、悪質な地上げに遭い、宿ごと人の入ってこないダンジョンの中層の隠しエリアに移設したのだとか……。


 だから今私はダンジョンの中にいるらしいのだが、確かに外を見ると光るコケが光源代わりになっていて、幻想的だ。


 まぁ裏に畑と池があったり、アリスという胸の大きな少女の工房があったりと結構住心地が良いように改造されていたが……。


 でも、異世界って感じで私は好きだ。


 バトラー君とラミーさんも角が生えていたり、下半身がヘビだったり、なんなら普通の人間にしか見えないアカリちゃんが首が取れるデュラハン娘っていうのも昨日滅茶苦茶驚かせてもらったが……。


 元の日本で散々な目に遭っていた私にとって私のことを偏見なしで見てくれる場所って言うのは本当にありがたい。


 まぁ斎藤も紳士的に振る舞っているが、胸に視線が行ったりするのを見てむっつりスケベなんだろうなっていうのは思うけど。


 私自身日本で生活したくないほど追い込まれていたから異世界万歳って感じ。


 ご飯も普通に美味しいから不満は無い。


 朝食を食べ終えると、斎藤はおしゃれな革製の手提げかばんと黒革の財布、あと小物が入るポーチを一瞬で作って、私に渡してくれた。


 正直これだけでもフリマサイトに売れば売れると思うんだけどなぁ……。


 それくらいデザインカッコいいって私は思うけど。


 ボロボロになっていた私が持っていた財布に証明証やマイナンバーカード、2530円の全財産を作ってくれた財布の中に移して、ポーチの中に昨日渡していた金のブレスレットやイヤリング、指輪などの合計5点を改めて渡された。


「じゃあ日本に転移して、昨日の感じで」


「了解」


 私は斎藤に捕獲状態にされると、日本へ帰還した。


 場所は昨日斎藤と話した公園のベンチの前。


 外に出してもらって、私が知っている場所の貴金属買取ショップに入っていく。


 斎藤は近くの古本屋で時間潰しているって言っていた。


 で、私が店員に金の買取をお願いすると、個別ブースに移動して、金の小物類をポーチから出していく。


 赤外線のライトや比重を調べる機械で金かどうかを調べていたが、本当に純金であるって言われて、私はホッと胸をなで下ろした。


「お客さん良かったですね! 数日前から金相場滅茶苦茶上がってるんですよ。215グラムありますが、査定だと537万5000円になりますよ」


「本当ですか! 良かった……売り時のタイミングで……」


「銀行振込にされますか? 現金化もできますが」


「じゃあ現金で」


 諸々の手続きを終えて札束がどんと並べられる。


 こんな札束を見たのは父親の会社の景気が良かった時くらいだろうか? 


 あ、大学の時に父親が現金一括で車を購入した時にも帯の札束をみたっけな。


 思えばキャシュレス決済しなかったの会社の経営が傾いていたからカードが止められていたからかもしれないけど……。


 自己破産したから私あと7年くらいカード作れないし……。


 久しぶりに財布がお札でパンパンに膨らんでいて気分が高揚する。


 邪な気持ちが湧いてきたりもするが、首を横に振って邪念を振り払う。


 特に怪しまれることなく、金の売却を済ませて、私は斎藤の元に向かう。


 斎藤は古本屋で小説の立ち読みをしていた。


「どうだった?」


「バッチリ!」


 ピースサインをしてせっかくだからと小説幾つか買いたいんだけどと立ち読みして面白かったらしい小説のシリーズや農業系の本を纏め買いして外に出る。


 持っていた紙袋が一瞬で手元から消える。


 これも斎藤の能力で、インベントリと呼ばれる収納空間に7.5トン近くを収納することができるのだとか。


 生き物もできるか聞いたら捕獲状態にすれば済むからと生き物を収納することはできないらしい。


 そのまま幸運がどれくらい上がっているか試すために宝くじ売り場へと向かい、1枚300円の宝くじを3万円分……100枚私が購入する。


「俺も試したことないんだけど、運の数値が上限突破していたらたぶん100枚買ったら1等は無理かもしれないけど2等とか3等複数当たって黒字にはなると思うぞ」


「でも宝くじって還元率50%切ってるから厳しいんじゃないかな……」


「まぁ実験的な意味合いが強いから……口座開設出来れば株とかやりたいんだけど……」


「私口座凍結されちゃっているから……借金してない他の銀行で口座を作る必要があるけど……今から作る?」


「作ってくれると嬉しいな。出来れこの世界のお金を取り扱いたいし」


「うん、じゃあ作ってくるよ」


 マイナンバーカードや印鑑は持っているので、口座を作っていく。


 そして口座を作ったらそのままの足で新しいスマホを買いに行くのだった。


 私と話し合いながら現代日本に必要な物を揃えていく。


 あとは一応住所を移せる借家があれば完璧かな……。

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