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クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った  作者: 星野林


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異世界転移6日目の朝……薬草の群生地作り

 風呂から上がった俺は、自室でゆっくりしていた。


「今日はモンスターとの戦闘が少なかったから経験値は控えめだったけど、それでも1レベル上がったか」


 現在の俺のステータスはこんな感じ。


 名前 サイトウ・タカシ

 年齢 17

 性別 男

 職業 農家/ファーマー

 レベル 19

 体力 D

 気力 E

 知力 E

 器用 D

 筋力 D


 技

 ・捕まえる

 ・合成する

 ・鍛える

 ・道具を作る

 ・収納する

 ・大豊作

 ・図鑑


 レベルは19。


 あと1レベル上がれば、何かまた技を覚えることができるだろう。


 次はどんな技を覚えることができるか気になるところ。


 手持ちの仲間の画面を見る。


 ミンナと藤原さんの名前もあるが、こんな感じ。


 ・クイーンスライム娘

 ・キングスライム×6

 ・角うさぎ×30

 ・デブスズメ×30

 ・ホムンクルス×30

 ・ハイピクシー×30


「もうちょっとキングスライムが欲しいかな。あと角うさぎとデブスズメの合成先も見たいな。デブスズメ大きな鳥になってくれたら面白いんだけど」


 背中に乗って空を飛べたら面白そうだと思う。


 まぁ風の抵抗とか凄そうだけど。


 コンコンとドアを叩く音が聞こえ、扉を開くとミンナが約束通り、レベルを上げる為に部屋に入ってきた。


「じゃあ捕獲状態に戻すぞ」


「うん良いよ」


 俺はミンナを捕獲状態にしてから、素早く技の鍛えるを選択する。


「ついでに他のモンスター達も鍛えておくか」


 スライム娘もモンスターは強くなることが生きがいみたいな事を言っていたので、スライム娘とキングスライムのレベルを上げる選択をする。


「レベル分育成できるからあと11体並行して育てられるな」


 残りはホムンクルスを育てることにして終わり。


 俺はベッドに横になる。


「夜行性のモンスターが居ればこの時間も経験値稼ぎができるのか……ミンナが言っていたゴースト……捕まえるのもありだな。まぁ焦る必要は無い……転移してから今日で5日目。支援金の大半は残っている。それに昨日と今日で1万シンク俺の金を入れている袋の中に増えた」


 3万シンク……日本円にして約30万円。


 これが今の俺の全財産。


「高卒の社会人の給料2ヶ月分が手元にある。これは万が一の為に手を付けてはいけない金だ」


 俺はインベントリから石の塊を出して、それをシャンパングラスの形にして手に持つ。


 手の中に石のずっしりとした重さと細い持ち手部分が手にしっくりくる。


「また明日が始まる。異世界生活6日目が……体に染み付いていた牛舎の匂いが少しずつ薄まる気がする……元の世界との繋がりも薄くなっている気もする」


 石のグラスをぐるぐると指で回転させて、インベントリの中に仕舞って、ベッドに横になる。


「それでも俺は異世界で生きていかなければならない。俺は勇者ではない。世界という物語の主役ではない。それでも自由に俺は生きる。絶対に俺だけの大農園を作ってやる」


 夢を持ちながら俺は眠りに就くのだった。







 朝、目が覚める。


 時刻は5時ちょうどくらい。


 ぐいっと体を伸ばしてから、ステータス画面を確認する。


 ミンナは鍛えられた後に自室に戻ったらしく、捕獲状態ではなくなっていた。


「ちょっと散策がてらランニングでもしてくるか」


 俺は履き慣れた運動靴を履いて、外着に着替えて、宿の外に出る。


 天気は曇り……雨が降りそうな感じはしない。


「今は履けているけど、靴もそのうち劣化して履けなくなるだろうな……その頃には靴も能力で作れる様になっていれば良いけど」


 農業をやるんだったら長靴が欲しい。


 ただゴム素材が手に入れられるか分からない。


 錬金術師だったらゴム素材が作れるかもしれないが……今日も建材屋に行くし、依頼が終わった後にゴムに似た素材があるか確認するもの良いかもしれないな。


「ほっほっほっ」


 リズムよく息を吐き出しながらランニングをしていく。


 農業は体力が大切だが、持久走の様な体力とは違い、継続して働くための体力……いかに必要な時以外は手を抜くか、そして休憩時間に体力、気力を回復させられるかが大切になる。


 全力疾走だと100メートル走るだけでも疲れるが、全力で行動しても農作業はそう短時間では終わらない。


 ジョギングみたいに一定のペースで走り、必要な時だけ全力を出す、緩急を付けた作業をしなければならない。


 これが疲れるんだわ。


 それでも基礎体力はあった方が良い。


 それに今は農家ではなく冒険者。


 ミンナが冒険者で長生きするコツは敵の戦闘力の見極めと逃げ足の速さって言っていたっけ。


 あれ? 俺が読んだラノベの言葉だったか? 


 まぁどっちでも良いか。


「しっかし、区画整備された良い町だ。日本の都市部みたいに迷路になってないし、スラム街みたいな場所も無い。異世界の町って何処かに後ろめたいような場所があるのが定番なんだけどな」


 首都だからそういう場所が無いのか、それともこの国の法整備がしっかりしているのか……そういう弱者を排しているのか……どれかは分からないが、冒険者ギルドのアイアンランクの補助金制度とかを見ると、弱者救済を国主導で頑張っているのは分かる。


 力で弱者を排除している選択は消えるかな? 


 冒険者が多い南のエリアを走っているが、宿や飯屋、酒場の数が多い。


 100メートル走れば必ずこれらの店が1店舗はあるくらい、店が出されている。


 看板には握り飯だったり、パンの形をしていたり、肉、酒、魚、麺料理とバリエーション豊か。


 過去の転移者が相当頑張り、そしてそのレパートリーを増やすように現地民の努力が間見える。


 軽く6から7キロほどジョギングをしていると、時刻は6時。


 宿に戻り朝風呂をちゃちゃっと浴びてから女性陣2人を朝食に誘う。


 今日は寝癖もなく、バッチリ整えていた藤原さん。


 ミンナも鍛えるで肩こりが消えたよって体の調子は絶好調らしい。


 そして朝食をいただく。


 今日の朝飯はそぼろと卵の2色丼にザワークラウトみたいなキャベッツぽい野菜の漬物、あとデザートチーズが1切れ小皿に乗せられていた。


「いただきます」


 毎日違うメニューだがご飯が食べられるだけで活力が湧いてくる。


 ラノベで読んでいたメシマズ異世界じゃなくて本当に良かった。


 そしてこの食文化や風呂の文化を整えてくれた先人に感謝をしながら料理を味わい、ごちそうさまでしたと食べ終わった。


「さてと、今日俺は10時前に建材屋に行って依頼を受けなきゃいけないから、その前に大豊作で薬草の群生地を作るぞ」


「「おー!」」


「で、ミンナ」


「何?」


「薬草が生えやすいポイントってどんな場所なんだ?」


「そうだね……」


 まず土壌が肥沃な土地が好ましく、冒険者達がスライムを倒すと粘液が地面に流れ落ち、それで土地に栄養を多く蓄えて、薬草が生えやすくなるらしいから、冒険者がスライムを多く倒している地域が1つ。


 あとは川辺の近くで洪水した時に上流から肥沃な土が周囲にあふれ出している場所が1つ。


 他には大型モンスターが糞をした場所なんかも薬草は生えやすくなるらしい。


「つまりこの条件に当てはまらない場所は薬草が生えにくいって事か」


「そうなるね」


「となるとちょうどいい場所は」


 スライム狩りの冒険者が距離的に行けるギリギリの範囲で川辺で無い所。


「群生地を作った場合、誰かがここでスライム狩りをしていたって言えば説明付くからな。なんなら今日はそこでキングスライム達はスライム狩りをしてもらおうと思うし」


「うん、冒険者ギルドに説明するには良いかもね」


 ミンナも納得してくれたので、俺達は門をくぐって町の外の草原に出る。


「で、歩いて行くのは時間がかかるじゃん」


「そうだね」


「キングスライムに乗って移動ってできないかな?」


 俺はキングスライムを呼び出し、キングスライム達に少し大きくなって俺達を乗せて移動できないか聞いてみる。


 するとプルプル震えたと思うと、2周りほど体が大きくなり、頭にハンドルみたいな持ち手が生えてきた。


「おお、流石キングスライム!」


 プルルンとドウダーって声が聞こえてきた感じがした。


 俺、ミンナ、そして藤原さんがキングスライムにそれぞれ跨り、ハンドルを握ると、スーッと滑るようにキングスライムは移動を開始。


 俺がハンドルを少し捻ると、その方向にキングスライムが移動してくれる。


 これは便利だ。


 移動がだいぶ楽になる。


 心なしかキングスライム達も上機嫌そう。


 移動開始して10分強。


 約10キロほど町から離れた場所に到着した。


 ここらへんなら混むのを嫌ったスライム狩りの冒険者達が来てもおかしくない場所だ。


「よいしょっと」


 俺はキングスライムから降りると、近くに生えていた薬草に目をつけた。


「ミンナ、これ薬草だよな?」


「うん、それが薬草」


 俺は優しく根っこから薬草を掘り起こし、キングスライムを集めて、この薬草をできる限り集めてくれって指示を出す。


「さてと、スライム娘も出すか」


 俺はスライム娘を実体化させる。


『呼んだー?』


「無いとは思うけど、スライム娘はミンナと藤原さんをモンスターから守ってくれないか? 暇な時はモンスター狩りしていていいからさ」


『了解〜自由にやらせてもらうねー』


 スライム娘は藤原さんに抱きつくと膝の上で転がり込み、藤原さんの胸の重さを満喫していた。


 あのスケベスライムがコイツだったか……。


 藤原さんも優しそうに撫でていて結構絵になる。


 そんな感じで、俺は近くでスライムと戦って時間を潰していると、キングスライム達が薬草を集めて戻ってきた。


「よし、じゃあそれをここに植えていこうか」


 俺は鉄の鍬を作り出して、地面を軽く掘り起こし、柔らかくなった地面にキングスライム達が集めてくれた薬草を植える。


『私もやるー』


「お、手伝ってくれるか?」


『うん!』


 スライム娘に別の鍬を渡すと、おりゃりゃりゃっていっぱい耕してくれた。


 その後ろからキングスライム達が口から吐き出した薬草を腕っぽい触手で植えていく。


 そんな感じで10分ほど群生地を作り出して、俺は植えた薬草畑の範囲を大豊作の能力をかける。


 これでたぶん明日には周囲に薬草がいっぱい生えていることだろう。


「じゃあキングスライム達はスライムを捕まえてきて、畑の上でスライムを倒して、スライムの液体を畑に撒いてくれ。で得られたスライムの魔石は体内で保管しておくこと。今日はスライムを優先して狩ってくれ」


 プルルンとスライム達が揺れる。


『了解だって』


「通訳ありがとう」


 5体のスライム達は早速動き出す。


 残り1体のキングスライムを俺は捕まえて、町へ戻る足代わりになってもらう。


「じゃあ先に町に戻ってるから、仕事終わったらこっちに戻ってくるわ」


「「はーい」」


『頑張れー』


 ミンナと藤原さんをスライム娘に任せて俺は町に戻るのだった。







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