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ツインデッド・オルド・オール 20XX年  作者: 赤沼 夜


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第5話 リーア

 俺は今遠征用の大きな機体で目的地に向かっていた。その機体は全長十メートル、横幅三メートル。装甲には複合素材が使われており、外殻には無数の小型スラスターが並んでいる。翼は短く、格納式のローターが車体上部に収められていた。地上を走ることも、空を飛ぶことも可能な、多目的戦術機動車両だ。


「結局、この任務受けることにしたんだ」


 後方の席に座っていたら、となりの座席にニアが座ってきた。


「まぁな、後方支援でもなく、雑用要員だけどな。それに任務の内容も確認してないよ」

「え? 確認してないの?」

「わかったよ。具体的な事は教えなくていいから、今回はどんな感じの任務なんだ?」

「目的の標的の抹殺」

「まぁ、メンバーを見た時にだいたい予想はできてたけど、一体何を倒すんだか、あ、教えなくていいからな」


 呆れ顔で俺を見ている。

 そのまま立ち上がると、前方の方に歩いて行った。


「最近ニアと話すようになったよね。2人の間でなんかあったの?」


 座席の後ろから、森咲の声が聞こえた。


「森咲か、ちょっと変な話だけど、聞きたいか?」

「本当にちょっとなのかな」

「簡単に言うと、治療中に変な夢を見たことは言っただろう?」

「うん」

「夢にニアが出てきたんだけど、同じ夢をニアも見てんだんだ」

「うーん?」

「しかもニアは猫耳が生えて、種族が違くてーー」

「待って、やっぱりちょっとどころじゃないよ。同じ夢を見てたとか、猫耳とか意味わかんない」

「何よりも憎いのが、俺の名前がラーメンにされたんだ」

「あー、ラーメンってそこに繋がるんだ」

「しかもラーメンって名前をつけた女神がいるんだが、ラーメンが美味しから付けたなんて言ってたんだぞ」

「意味がわかんない」

「強い能力を貰ったって言ったよな。貰った能力は【スキル作成】って言うんだけど」

「……」

「森咲聞いてるか?」

「それで、何が言いたいの?」

「えーとだな。夢で会ったニア以外の人を探している途中なんだ」

「へー頑張ってね」


 森咲が興味無さそうに返事してから、ポケットからアイマスクを取り出して、装着して、寝始めた。

 聞いてきたのはそっちなんだけどな。


 東京に到着した。プロット〇〇から付く名前の都市から東京等の固有の都市名が付いている場所に行く時、普通の人が行こうと思ったら、手続きがめんどくさいのだが、都市からの依頼など、応援として任務に行く時は、事前に書類などを渡しており、ゲート前で社員カードをかざすだけで入ることが認められている。その為、東京など普段行くのがめんどくさい都市に行く時にはそこでしか買えない物を事前にピックアップして、買い物をするようにしていた。

 俺は戦術機動車両から仲間の装備や物品を準備したりなど、雑用をこなしていると、買い物に行く時間になっていた。俺は事前に一人で行動することを伝えていた為、車が用意されていたが、その車は空が飛べなく、自動運転もできないというものだった。座席は1人しか乗れない構造になっている代わりに、物を載せる場所が大きく作られている。


「一人だってのに、なんか買うの多くないか?」


 現在地は羽田空港にいるのだが、俺に渡された買うものリストを見ると、新宿・渋谷・池袋・原宿・秋葉原・六本木・浅草・銀座で買う必要があり、東京をぐるぐる回る必要があるみたいだ。


「絶対行かなくてもいい所があるだろう」

「こーくんが簡単だろとか思ってることが見透かされた結果じゃないかな」

「なんだそれ? まぁ、俺が買えなくても、最悪誰か買うだろう」

「ほらー、まぁいいや、今回はターゲットの場所も強さがよく分からないって言うのもあって、こーくんが丁度会うっていうのも想定しているんじゃないかな」

「なるほどな」


 俺はその対象の相手の顔も見ていないから、気づくことはないと思うけどな。


「じゃあ、私はもう行くから」


 森咲が向かう先にはZaが駐車していた。


「今日はそれを使うんだな」

「うん、今回は広範囲の探索を予定しているみたいだからね。何よりも不測の事態が起きるかもしれないし」


 車に付いているナビには事前に行く予定のお店位置が設定されていた。

 俺は今東京を車で走っている。それだけで、心が踊っていた。今主な活動地点になっているプロット4は景色はどこを見ても黒とネオンの光しか見えなく、どこか閉鎖的で気分に陥る。東京にいる時は日本を感じられる。日本が日本だった頃に生まれた訳でないから、本当の日本を知らないのかもしれないが、それでも俺がそう感じていた。心が満たされるならそれでいいだろう。

 しかし、リーアはどこにいるのだろうか。貴族が何をしているかなんてさっぱり分からないが、宛が無くはない、それは東京に住んでいる住民のデータを観覧するという方法だ。一般的には開示されていないが、東京にある端末に直接ハッキングを行えば可能なはずだ。何ヶ所か俺がハッキングができる箇所があるが、間違いなく大丈夫だと言える場所が新宿にある為、最初に目指すところは新宿になるだろう。

 買い物をしている時の監視体制を調べていたら、思った以上に行動監視されている事がわかった。もしリーアの情報を手に入れる事に成功した場合、作戦開始の案内が届いて、仲間が作戦に集中している時に行動開始しなければ、俺の行動が怪しまれる可能性がある。

 任務中に別行動をして、次から作戦参加しなくていいと言われれば今後の活動に支障をきたすが、東京の防衛隊に身分証を求められた時に任務中と答えられる時点で、大きな違いがある。

 バレれば信用が落ちるが、次の東京で行う任務は未定ここでリーアを探す必要がある。


「やっと着いた」


 新宿に到着して、駐車場に止めた。

 手の甲を触り、空中にウィンドウが表示される。

 すぐに、端末があるところに行くと、流石に怪しまれそうなので、お店に行く事にした。

 周囲を見渡しながら歩く。相変わらず、ここには外国人しかい無かった。日本人は見当たらない。

 最初は普通のスーパーでチェックリストを確認しながら、カートに物を入れていく、支払いを済ませて、車に詰め込んだ。

 次に行ったのは、古びた整備屋だった。


「おっさん、いるか」


 ドアをノックしながら、呼んでみる。


「おお、松永か、どうしたんだ? なんか修理するものでもあるのか?」


 ドアが開き、白い髭を生やした。老人が出てきた。

 

「いいや、本日は回収にきた」

「回収だったのか、珍しいな……」

「噂で知ってるだろ?」

「最近は情報は全然見てないなぁ」

「そうか、とりあえず何を持っていけば良い?」

「ちょっと待ってくれ1分で取りに行くぞい」


 ズカズカと部屋の奥の方に戻り、バタバタ音が聞こえてくる。10分ぐらい待って、やっときた。


「これじゃよ」

「これは、なんだ?」


 鉄の塊を渡された。もちろんただの鉄の塊ではないが、機構でも組み込まれているのだろうか。


「これだけか?」

「そうじゃよ」

「了解」


 車に戻って謎の鉄の塊を置いた。

 そろそろ、端末があるところに行くとするか。

 ビルとビルの間の裏路地に入った。裏路地には休憩できるスペースがあるんだが、その真下に端末がある。

 休憩スペースに到着して、周りに誰もいない事を確認して、何も無いように見える壁を触って、特定の電子信号を送ると、ウィーンと音を立てて、人が1人入れるサイズの穴が出てきた。

 その穴から梯子を使って下に降りる。

 下には小さい部屋があり、モニターとPCが置いてある。


「早速調べてみるか」


 俺はリーアの情報を名前しか知らない、とりあえず入力してみる。

 リーアという文字が入った名前がずらりと並んだ。


「思ったよりも多いな」


 貴族らしいので、貴族で検索してみるが、画面には該当なしと表示された。


「無理か……」


 長い間滞在していると、怪しまれる為、とりあえず買い物に戻ることにした。


 

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