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ツインデッド・オルド・オール 20XX年  作者: 赤沼 夜


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第4話 ニア

 ジェームズ・ホスキントンを撃退した後、森咲にチェンソーは何処で手に入れたか聞いたところ、白衣を着た謎のおじさんから貰ったとか言っていた。見た目は旧式のチェンソーで性能は現代のチェンソーと同等かそれ以上かもしれない、鎧のようなあの装備を刺し込んで、切れるぐらいとなると、切れ味が良く、普通だとそうそうお目にかかれない武器のはずだ。

 ソファに寝っ転がりながら目の前に浮いているディスプレイを眺めていた。

 ジェームズとの戦いの後、誰が言ったのか、俺が必殺技を使えなくなったという情報、齋藤博士と縁が切れたなんて噂が流れていた。

 齋藤博士は昔からの知り合いで、俺の必殺技を放つことができる装備を作ったのも齋藤博士だった。

 噂はどんどん広がり、必殺技だけが目的だった依頼は次々キャンセルされて、残ったのは俺の所属しているレイブンシャフトからの依頼だけが残った。

 家の修理代、生活費、装備の整備費があるって言うのに、どうしたらいいんだ。森咲に土下座でもするか? ちなみに森咲は手に入れチェンソーで色んな依頼をこなして、最近の森咲は傍から見ても楽しそうな感じがする。

 そんなこんなで、俺の予定はすっかからかんになった。しかしそんな時間も有効活用したいと考えた俺は知りたいことを解決に導くかもしれない人と会うことにした。

 レイブンシャフトのメンバーは端末から他のメンバーの健康状態や現在の状況も確認できる。会いたい人は大きな怪我をして、治療中だったが、もうすぐ退院予定のはずだ。

 

 病院の中に入り、待合室で待っていると、銀髪のショートヘアをした小柄な女性が荷物を片手に歩いてきた。


「ニア」

「来たんだ、珍しい……」

「いや、えーと、聞きたい事があってな、お店で話でもしないか?」

「奢り?」

「えーと、そうだな。検討します」

「奢りじゃなかったら……いかない」

「奢ります」


 今お金が無いんだよ。しかし、聞きたいことはあるからな、でも、この感じだと違うのか、ニアは表情が分かりにくいから、全然読めない。


 適当に安そうな喫茶店に入り、4人席の奥側に座った。テーブルを叩くと、空中にディスプレイが表示される。


「何飲むんだ」

「これ」


 指さしたのは先には、普通のブレンドコーヒーだった。値段も思った通りこのお店は全体的安い、これなら行けるぞ。


「とこれ」


 次に指さしたのはいちごケーキだった。


「それとこれ」

「待て、何個頼むつもりだ」

「私は病院から戻って来たばかりでお腹すいてるの」

「いやーだからってさぁ」

「なんか、ラ、松永くんいつの間にか貧乏になったの?」

「それがー俺も病院にいたんだけど、病院から出て最初の任務で……その……必殺技が使えなくなって、元々あった依頼とかがほとんどキャンセルされた」

「それは大変……。もしかして、私に話があるってその事?」

「いや、別のことだ」

「という事で、コーヒーといちごケーキで我慢してくれないか?」


 手を合わせながら、ニアを見る。


「わかった、我慢する……デザートはいちごケーキとスイートポテトで我慢する」

「了解しました……」


 確か夢で会ったニアも食いしん坊だった気がする。

 コーヒーとデザートが運ばれてきて、俺はコーヒーに1口つけた。


「それで話なんだけど……?」


 ニアがいちごケーキを食べているんだが、食べ方が変だ。いちごケーキを鷲掴みにして食べている。

 それやるの大食いとか太ってるやつするやつじゃないのか。

 呆気に取られながらその様子を見ていると、ニアが話しかけてきた。


「それで、話って何?」

「ニアは治療中になんか夢を見なかったか?」

「ラーメン」


 この回答で確信した。

 ニアは俺と同じ夢を見ていた可能性がある。


「やっぱり、ニアも同じ夢を見ていたんだな。なんかおかしいと思っていたんだ。夢にしては知り合いはニアしかいなくて、俺は自分の名前も記憶も違う感じだった。世界観も変だった」


 同じ夢見ていたというと、非現実的に感じるが、可能性はある。それが起きたのが、俺とニアどちらも病院で治療中だった事にヒントが隠れているかもしれない、ニア以外の夢で会った人と会えば、分かることが増えるかもしれない、しかし、ニア以外に現実の知り合いはいなかったはずだ。

 最悪、最近病院で治療を受けた人に片っ端にどんな夢を見たのか質問してみるのもいいかもしれない。その場合はなんか任務を受けないと、不審者になるな。

 

「リーアも現実にいるみたいだね」

「え? どういうことだ、どっかで見かけたのか?」


 ニアは即答しないで、少し間を空けて言った。

 

「そんな感じ……東京にいるみたい、貴族だって」

「貴族か、会うのは難しいそうだな」

「東京ならたまに任務で行くことがあるから、見ると良いかも……」

「確かにな、とりあえず、任務を確認して、東京に行ってリーアと会えばなんか分かるかもしれないな」

「うん」


 俺はウィンドウから財布のところをタップして、料金分を掴んで、ニアに投げた。その電子信号を手でキャッチして、ニアの自分の財布に入れると、その分料金が上昇する。それを確認して俺は店を出た。

 東京、福島県はプロット4と呼ばれているが、東京はそのまま東京のままだ。街並みもあまり昔と変わらないらしい。その理由は簡単に言うと日本を支配している、支配者が日本の大都市の街並みは好きみたいで、日本大都市だった東京都、横浜、名古屋、大阪、京都、福岡、神戸、札幌と奈良は当時のまま名称、街並みも昔と変わらない所が多い、他はプロット〇〇なんて呼び方をしているという状況になっていた。

 支配者は日本人が好きではなく、今日本にいる日本人は元は金持ちや遺伝子がいいとかの理由で残った人達がいるだけで、他の一般人は日本から追い出されるという、常識ではありえないことが起きた。

 俺の家系も元を辿ると、有名人だったりしたのかもしれない。

 

 空中に浮かぶディスプレイで任務表を眺めていたら、東京に行く案件が1つあった。さっきのニアの口ぶりからする事前に東京に行く案件があることは知っていたのだろう。

 早速俺は会社に連絡をした。返答は必殺技を使えないから前線には置かないけど、物の運び、買い物とか雑用なら行ってもいいという回答だった。

 買い物する時ならサボっていてもバレはしないだろう。その間にリーアと会う手掛かりでも探すことにする。

 

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