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第8話 魔王の魔法

魔法発動と同時に魔王城上空に巨大な隕石が出現、それが落下し始めた。

この魔法は、隕石を生み出す生成魔法と地属性魔法、その隕石に熱を持たせる火属性魔法、その隕石に実際の質量よりも大きい仮想の質量を付与する加重魔法。この4つの魔法を組み合わせが出来てなおかつ大量の魔力を有するものでないと使用することができない

魔法の究極体といってもいい最強の魔法の一つ。同レベルの魔法はいくつか存在しているものの、これを超える魔法は存在していないといわれるほどに強力な魔法だ。

その間にも城の結界には魔法による爆発が炸裂している。結界の修復も追いついていない。そこに隕石が落ちようものなら。


「これで隕石が結界とぶつかった瞬間にお互いに砕けるはずです。隕石は質量が大きい分あまり頑丈ではないですから。そこから出てきた奴らを迎え撃ちますよ。」


「おぉ!」


ヴィルドの魔力はかなり消耗している。この状態ではこれまで使った2つの魔法は今日はもう使えないはずだ。特に【隕石投下(メテオ・フォール)】の魔力消費が激しすぎる。それで全員で連携をとって魔物や魔族を迎え撃つと。確かに作戦としてはかなり良いね。けど、私の見立てだとそうはならそうだね。


隕石が結界に衝突する。触れた瞬間爆発も相まって結界は崩壊。隕石はまだ原形を保っている。おじさんの隕石が脆いという見立ては確かに間違ってはいなかった。それでもあと少しの衝撃で均衡が崩れて崩壊する結界に衝突した程度では砕けるより前に結界が崩壊する。おじさんは結界の状態までは見切れていなかったみたいだね。

つまり状況としては隕石が魔王城に落ちようとしている。


「「「「え・・・・・・。」」」」


一番驚いているのはおじさん本人だが、リアクションは全員同じだ。そんな瞬間にも隕石は止まらない。おじさんが使ったのはあくまでも隕石を作って落とす魔法なので消滅させるなんて器用なことは出来ない。

そして隕石が魔王城に衝突。隕石も崩壊しているが、巨大なので崩壊しても1つ1つのかけらが巨石くらいの大きさはある。外に逃げた者は巨石につぶされ、中で隠れていたものは隕石によってつぶされた魔王城の下敷きになる。

弱者は即死、強者は全員が屋内にいたので生き埋めになっている。ただ、その中で明らかに異質な気配を感じた。圧倒的な魔力量。これは魔王の魔力だ。


「皆さん、魔王らしき人物がこちらをにらんでいます。完全にロックオンされている。結界で守るので私のそばに寄ってください。」


「あれをやったヴィルドもだが、あれを耐える魔王も凄いな。」


「そうですね。あんなの僕が全力で守っても生き残れればいい方ですよ。」


「ピルドルも大概。普通の冒険者なら石につぶされる前に衝撃で死ぬ。」


「そりゃ俺たちは勇者の従者だからな。規格外なくらいがちょうどいいだろ。」


「皆さん来ますよ。一応衝撃に備えてください。【防御結界(ぼうぎょけっかい)】」


おじさんたちのいる場所から魔王城までは約2㎞。魔王の魔法なら射程範囲内だ。

そしてこの世界の今の魔王はアンデッド。それも即死魔法を得意としているらしい。

黒い瘴気をまとったレーザーのようなものが遠くから飛んでくる。それを見たおじさんは顔色を変えた。


「【神の守護(ゴッド・オーラ)】」


結界の上から魔法を上書きする。魔王の放った魔法は即死系統の魔法の中でもかなり上位のもの。おじさんは最近あらゆる魔法の知識を身に着けていて、その中にあったものだった。それは触れたものと、その周囲3メートル以内の場所にいる者を即死させるという強力なもの。発動させた者も対象となるのでアンデッド族でないと使用不可な魔法だ。


「なんだ今の魔法?あんな魔法見たこともないが。」


「あれは即死魔法【瘴気の暗黒線(デス・レーザー)】です。あのビームの周囲3メートル以内にいる者を即死させる魔法です。結界でも防げないので神聖魔法を使いました。」


「なるほど。それならあの魔法を知らなければ確実に殺すことができる。魔王もさすがですね。」


「そうですね。魔王の感じを見たところ射程はおそらく2㎞と少しが限界です。いったん退避しましょう。転移の魔法を使ってここから魔王城とは逆側に500mの位置に転移します。」


「魔王城が壊れたのに魔王はとどまるの?」


「魔王はおそらくあの場所に縛られています。それについては転移先でお話しします。【座標転移(テレポート)】」

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