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プロローグ

これは私が気になって記録しておくよう設定していた「五十路のおじさんが勇者認定される話」。もちろん私が記録するよう設定しただけなので登場人物の心情などは分からない。


彼の名はヴィルド。年齢は50歳。町で串焼きの露店を営むしがないおじさんだ。もちろんそんなおじさんは戦いとは無縁な存在。しかし、ある日おじさんは王城に連れていかれて勇者認定されてしまう。その理由は「神父が天啓にてこの街で露店を営む「ヴィルド」という男が勇者だと聞いた」から。この国では独自の信仰形態が形成されていて私は干渉していないのにもかかわらず神らしき存在がいるらしい。

その神の言葉は絶対らしいのでその神の言葉で選ばれたこの男が勇者ということらしい。勇者に世界が与える使命は魔王の討伐。いつの時代にも必ず魔王を名乗るものが現れる。勇者によって倒されるまでがセットになっているが、今回ばかりは国の重鎮たちも不安に駆られている。これまでの勇者で魔王を倒せなかった者はいない。なぜなら勇者の持つスキルは魔王に対して有利なものだからだ。

それに対して今回のおじさんはスキルを所持しておらず、ステータスもいたって普通。しかもおじさんだ。不安要素しかない。


「私が勇者など、何かの間違いではありませんか?」


おじさんがおずおずとそう尋ねる。その疑問ももっともなものだ。というかその場にいる全員が思っていたことだろう。


「我々も信じがたいが天啓によって示されたのだから何かの因果があるのだろうよ。これからは勇者として生きてもらうことになる。」


絶望の表情のおじさん。そりゃそうだ。これまでの人生を奪われ、勇者として生きて行けなんて。

これが10代の若者だったら受け入れられたかもしれない。しかし、今回そんな過酷な運命を背負ったのはおじさんなのだ。すごい力を持っているわけでもなく、ただのおじさん。彼に一体何ができるのだろうか?


「とにかく、貴殿は戦闘経験がないとのことなのでしばらくは騎士たちにしごいてもらって戦うすべを身に着けるがいい。通常勇者は片手剣を持つことが多いが、貴殿年齢から考えて素早さの必要な片手剣は向いていないであろう。騎士たちのアドバイスを聞いて何が一番自分に向いているのか。それを探るところから始めよ。魔王を倒すまで死ぬことは許さん。」

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