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突入

 囚人護送を担う者を脅迫し、キャサリンを乗せた馬車が北の刑場に向かったのは夜が明ける直前だった。その時、反対側から帝国から帰国してきた宰相ハインリッヒ一行が王城に到着した。その日は建国記念祭に浮かれた人々が踊り遊び飲み疲れて王都中が浮かれていた。一行は真っ先に王城内にある宰相府に向かおうとしたが、その前にホルスト一派の私兵が警備していた。


 「やっぱりな、ホルストの奴はクーデターを起こそうとしたのだな。明日の朝になればワシを罷免する勅書を偽造するつもりだな。ならば、早く退治せねば」


 そうつぶやいでいると近衛師団がやってきた。ここの師団長のカールはホルストと仲が悪いのが幸いであった。もう一日遅ければ彼も無実の罪で粛清されていたはずだ、


 「話は聞きました。ホルストが王太子殿下を唆して恐ろしい事を企てているそうですね。とりあえずどうします?」


 明け方前で師団全体が集合できなかったが、それでも王城内にいるホルスト一派と対抗できそうであった。ホルストは建国当時から続くヴァイス公爵家の当主であるが、現国王陛下と反目したため閑職に追いやられていた。だから姪にぞっこんになっているヴィルヘルムを抱き込んだわけだ。


 「そうだな。まずはホルストの身柄を拘束しろ。それと陛下御夫妻の元に医者を派遣しろ。どうも侍医も買収されているようだ。陛下の詳しい症状を帝国の医学者に確認したところ砒素中毒の疑いが強いそうだ」


 「ひ、砒素! ホルストの奴は! なんて恐ろしい事を! 早く陛下をお助けしなければ。それと、あの王太子殿下はどうされます?」


 「殿下か? まずほっとけ! どうせ袋のネズミなんだからな。せいぜい楽しませてやれ!」


 その時、温和という評判のハインリッヒの顔は夜叉のようであった。そして近衛師団は王城へと突入したが、計画の成功を確信し酒が振舞われていたホルスト一派の者は抵抗らしいことも出来ず小一時間で制圧された。そして日が昇るころには一網打尽にされていた。


 ホルストは、権力を奪取したつもりで宰相執務室で居眠りしていたところを拘束された。そしてただちにハインリッヒがやってくると、こういった。


 「ホルスト! てめえって奴はいつから偉くなったんだ! それよりもキャサリン様はどうした!」


 夜叉と化したハインリッヒの気迫に押されたホルストは小さな声で言った。


 「王太子殿下に婚約破棄されて処断されました。さっき刑場に連行しました」


 そのことを聞いたハインリッヒの手から竜のような攻撃が加えられた。それに対しホルストは恐ろしい絶叫を奏でていた。逆鱗に触れた瞬間であった。

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