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stringere  作者: 汐音真希
12/23

変化

そして状況はカオスへと進んでいく・・・

その最中、作者汐音の脳内もカオスするのであった!

苦しい・・

息ができない・・

くらくらする・・・


和春は夜の病室を足を引きずりながら歩いた。

病は和春を徐々に蝕んでいく。

死への恐怖が和春にのしかかる。



「ちくしょう・・・」


その場に座り込んで頭を抱えた。

小さく呟いて自分の人生を恨んだ。




++++++++++++++++++++



「と・・・とりあえず・・・ごめん。」


尚は何がなんだか分からずとりあえず謝ることにした。

目の前で夢が不機嫌な顔をしていたかである。

理由は分からないが自分の所為だということは空気で分かった。


「あの〜・・・夢ちゃ〜ん?」


夢の前で手をひらひらふっても夢は仏頂面のまま。


「・・・ごはん・・・」


やっと言葉を発したと思えば・・・

尚は肩を落とす。


「ごはん?」


「今日は、和が当番だから・・・」


「あ〜・・・じゃあ一緒につくろっか・・・」


こくんと夢がうなずく。


なんで不機嫌だったんだろうか・・・

尚は考えていた。

和春に話を聞いて、家に帰って猫と遊んでいたら、帰ってきた夢が

尚を見た瞬間に怪訝な顔をした。


「・・・おれ・・・嫌われた?」


そんなことをつい呟いてしまう。

しかし、心当たりがない。

自分は夢に何か不快な思いをさせてしまったんだろうか・・・

そう思いながらもいまだ不機嫌そうな夢と台所にたって料理を始めた。


「あっ和さんそろそろ退院できるかもね!」


和春の話を出せばこの気まずい雰囲気を打破できるかも。

そんな淡い期待を込めた出した和春の名前。

しかしそれを聞くと夢は一層不機嫌そうな顔をした。


「和元気?」


「うん?うん。元気!」


あの一件のあと、和春は夢に見舞いを禁止した。

何故かは尚でも分からないが。とりあえず、夢はあれ以来和春に会っていない。

たまに電話をしても容態を確認すると和春がすぐに電話を切ってしまう。

そんな生活がかなり続いていた。

夢からすれば、自分は合いたくても会えないのに、尚には毎日、お呼びがかかり、

和春とずっと話しをしてきているのが気にいらないのだろう。


そしてあの一件で気付いてしまった自分の尚に対する思いも、

今だ素直に認めることなく、無意識に尚を避ける形になってしまっていた。


夢は素直になれないため、そんな態度をとってしまう。


「っていうかなんで私にはあってくれなくて、尚はいいのよ。」


「え〜・・・あ〜・・なんでだろうね〜。」


一層不機嫌な夢の様子を伺いながら尚は話を進めていく。

内心和春の話を振ったことを後悔していた。


また気まずい空気が流れ2人は沈黙していた。

黙々と料理を作り、食べ終わると沈黙したまま片付けをし、テレビを2人並んで見る。

もっとも、2人にはテレビの内容なんて頭にないだろう。

尚は夢の機嫌が気になってしょうがない。

対する夢は自分の隣の尚自身が気になってしょうがない。

バラエティーを見ているはずなのに、2人は隣に座り苦痛の思いをしていた。


ピンポーン


とそこにインターホンの音が響く。

夢が立ち上がってカメラを見るとそこには親友、希美の姿があった。


「あっ!夢〜!?あけてぇ〜!つか、いれてぇ〜!」


夢はいきなりきた訪問者を不審に思いながらも玄関を開ける。


「おっじゃまっしま〜す!」


と元気よく希美が入ると、その後ろからもう1人、若い男子が入ってきた。


「お・・おじゃま・・します。」


「はいってはいってぇ〜!」


「えっ・・だれ!?」


夢も戸惑う。


「部屋空いてるっていってたよね?私も今日からここで暮らします!彼とともに!」


「え!?」


「ちゃんと家賃は払うから!ね!お願い!」


そういって両手を合わせる希美

後ろにいる男子は、大きなトランクを2つもっていた。

多分自分と希美の分なのだろう。


「いいけど・・・希美、家は?あと誰よ?その人。」


夢は親友の後ろにいる男を指差す。


「あっ!これ?私の彼氏!」


「え?」


「夢誰だった?って・・あ〜。希美ちゃん。」


奥から異変に気付き尚がくると希美は彼氏とともに頭を下げた。


「おじゃましてま〜す!」


「希美、展開つかめないんだけど?」


「あ〜。軽くいうとね!家出!」


「家出!?」


「そ!い・え・で!」


夢は思考停止してしまったため、尚が2人をリビングにつれていった。


「とりあえず、どうして家出してきたの?」


尚が2人を向かいに座らせて話を進める。

尚の隣にいる、夢が思いっきり希美の彼氏を睨んでいた。


「きいてよ〜!あんね!」


と切り出すと希美は話出す。


希美の話によると、希美の親は厳しいらしい。

男女交際も許さない人だそうで、17になってまで恋愛禁止ってどんなだ!っと、

希美が親にだまって彼氏を作っていたのを親が希美の携帯を勝手に見て知り、

お年頃の娘の携帯と見るとはなんたることだ!と怒ったが相手されず、

交際に関して愚痴々言われ、家と飛び出るとなると彼氏の家に行くことになり、

しかし、彼氏の家も親が怪訝な顔をして別れろというので、荷物をまとめて駆け落ちを!っという事らしい。


尚はそこまで聞いて唖然としていた。


「・・・・すごいね・・・」


それいかいえぬ。

取り合えず、2人ともバイト代で、家賃は払えるらしいし、

そのうち親が迎えにくるだろう、渋々帰ることになるだろうし、

部屋も空いている、とめても大丈夫だろう。

一応確認を、和春にとるために電話することにした。


和春は2つ返事だったため、契約書を書き、契約が成立した。


「あっ!お母さんたちに私のこと言われたら・・」


「あ〜・・・うん。黙ってるよ。」


「よかったぁ〜。」


2人で立ち上がって頭を下げると、


「よろしくお願いします!」


と声をそろえた。


彼氏はちょくちょく自分を刺すようなまなざしで見つめる夢を気にしながらも、

彼女とともに暮らせる喜びに浸っていた。


そうして、中間家の家に、中島希美、辰巳卓磨(たつみたくま)が加わった。


モウダメダヨボクゥ〜・・・モウボクダメダヨォ〜

モウボクダメダヨォ〜・・カエルネェ〜・・


分かる人にしか分からない。

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