#6:2人目の訪問者
6話目です!
2人目の訪問者です!
「おはよう翔君!」
「おはようございます。というか朝から元気ですね」
まだ眠い中、俺に声をかけてきたのは昨日このシェアハウスに住むことになった天土 恵令奈さんだ。
「そりゃあ、お姉さんが初めて2人に料理を振る舞う日だからね!テンション上げていかないと!」
「私もうおなかペコペコ。翔、恵令奈、食べよ!」
「おう、そうだな」
どうして初めて振る舞うことがテンションが上がっている理由になるのかは理解が出来なかったが、お腹も空いていたので、ありがたく頂くことにした。
「それでお姉さんの料理のお味はどうかな?」
「美味しいよ!」
「美味しいです」
料理は本当に美味しかった。恵令奈さんの料理は、俺たちが食べてるものと一緒で親しみやすい味だった。そんなことを考えていると恵令奈さんはコチラをジーと見てきた。
「翔君、私が言うのも何だけど、胡桃ちゃんみたいにもっと気軽に話しかけてよ、じゃないとお姉さん悲しくなっちゃう」
「すみませ……悪い。まだ慣れてなくてね」
同じ家に新しい同居人が出来たのはいいのだが、やはりまだ慣れていない。さすがに来て次の日に慣れるというのは俺には無理だった。胡桃はもうすっかり恵令奈さんとは仲良くなっていて、今も食器の片づけを2人で仲良く行っていた。恵令奈さんが最初にここに来たときは2人の仲はこれほど良くなかったはずだが、昨日何かあったのかな?
胡桃たちが片づけを終えたので俺は2人を呼び止めた。話の内容は今後恵令奈さんはどうするのかということだ。
「お姉さんはここにいたいかな。2人と折角友達になれたのに、ここから去るなんて絶対したくないから……」
恵令奈さんはいつもの軽い感じではなく、意思の籠ったはっきりとした
「分かった」
「翔のお父様には新しい人が入ったと伝えておけばいいんじゃないかしら?お母さまには話しておいたほうがいいと思うわ。いざとなったときに大人の協力者が0っていうのも困るからね」
胡桃が少し考えた後俺に提案した。そのことについては俺も考えていたのだが、胡桃とほとんど一緒だった。父には別に恵令奈さんのことは話す必要はないと思っている。しかし、大人の協力者はいたほうがいい。ここで母さんの出番というわけだ。
〘もしもし〙
〘あら?その声は翔ね。どうしかしたの?〙
俺は恵令奈さんのことを話した。事前に恵令奈さんに全部伝えていいかと聞いた。そして全て話してもいいと言われたので、俺が見たありのままの事実を母さんに述べた。
〘分かったわ、最後に恵令奈さんを紹介してくれないかしら?〙
恵令奈さんに僕のスマホを渡して電話を渡した。恵令奈さんはお母さんと何かを話していたが、ここからだと聞こえなかった。しばらくすると恵令奈さんは電話を終えた。何を話したのかと聞いたのだが……
「乙女の秘密だぞっ!」
「何だよそれ」
はぐらかされても俺は乙女じゃないから分からないし、胡桃に聞けば分かる
のかなぁ?でもあいつ乙女というよりどちらかと言うとお母さn
「翔、何か失礼なこと考えてない?」
「考えてないよ」
とりあえず冷静を装って返事を返せてたとは思うけど、本当に俺の考えている事がお見通し何だろうか?まぁいいか、とりあえずゲームでもして遊ぼうかな?
「お姉さん、外で2人と遊びたいなぁ」
「いいわね、賛成!翔、何して遊ぶ?」
え?ちょっと待って。俺も一緒に遊ぶこと前提なの!?普通に部屋に籠ってゲームしたかったのに
俺も遊ぶことになってしまった。胡桃の提案であるボール遊びをしている。ドッジボールではなくキャッチボールで、ボールをお互いに軽く投げ合う感じだったので、一応俺でも楽しく遊べた。別にドッジボールが苦手なわけでも嫌いなわけでもないんだけど。
「そろそろ終わりにしよっか!」
「お姉さんも賛成ね」
「ああ、そうするか」
胡桃の提案は助かった。俺はもうとっくに疲れていたのだが、2人が辞めようと言わないので結局そのまま続けていた。そろそろ体力が限界だと思ってたタイミングでの提案だったという訳だ。
「な、何だ」
突然俺を中心として……いや、俺の少し手前を中心として水色で描かれた魔法陣が出現した。これは確か異世界転移というやつじゃないか?俺も何処かの異世界に飛ばされるのか!?そう思っていると突然魔法陣の中心のちょうど上に突然人が現れた。
「きゃあっ」
「翔、大丈夫!?」
俺は突然現れた人とぶつかってしまった。いや、どちらかと言えば向こうが俺の胸に飛び込んできたような感じだ。目の前の子を見ると水色のツインテールで剣に軽い鎧を付けている。この娘は異世界の冒険者なのだろうか?とりあえず、目の前の子に声をかけることにした。
「大丈夫か?」
「あの名前は何て言うんですか?」
名前か、何でそんな事を聞くんだろうか?まぁ別に隠すようなものでもないし、いいか。
「佐山 翔だ。翔が名前ね……って、うわっ」
「何してんのよ!」
いきなり俺に抱き着いてきた。胡桃が怒っていたが別に俺から抱きついたわけでも、抱き着けと言ったわけでもないから許してほしい。
「カケル君、一目惚れしました!付き合ってください!」
は?
この作品が面白いと感じた方は是非ブックマーク•評価をお願いします
感想や誤字の報告などもお待ちしております