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ほのぼの生活  作者: ミルフィーユ
プロローグ:はじまり
3/34

#3:初めての放課後

3話目です

嵌めての放課後です。

ファンタジー要素はもうしばらくお待ちください_(_^_)_

 暁先生が校長室の扉をノックした。


「どうぞ」


と言う声がしたので、暁先生に続いて俺たちは校長室に入った。


「よく来てくれたな、翔……それに山本さん」

「いえ」


 胡桃と暁先生は先ほどから黙っているので、俺と叔父さんだけが話している状況に。昔から公私の区別がはっきりとしている叔父さんは、プライベートな時は凄く優しかったのだが、公の場になると何を考えているのか分からないと昔叔父さんの関係者に聞いたことがある。そのため凄くビクビクしていたのだが……


「そんなに畏まらなくてよい……雄二は元気にしているか?」


 どうやら緊張しているのが伝わってしまったらしい。


「はい、元気でやっております」

「これから君たちに何かと頼むことがあるかもしれぬ、その時は是非協力してもらえないだろうか?」


 何を一体俺たちに頼むのだろうか?凄く謎だったかここで断ることは出来ないだろう、いや断ったら何をされるか分かったもんじゃない。俺は取り合えず、何事もないことを祈りながらも協力すると言ってしまった。


「話はこれで終わりじゃ。山本さん、翔のことよろしく頼むぞ!」

「はい!任せてください!」


 ――


「やっと、終わったー!」

「翔、スゴイ緊張してたもんねー」

「いやいや胡桃こそほとんど黙ってたじゃねえか!」

「むー……だってあの人苦手なんだもん」


 頬を膨らませて嫌味ったらしく俺にそう言ってきた。確かに胡桃は叔父さんの事も俺の父に対してもあまり良い印象を持ってはいないらしい。ただ、母さんとだけは凄く仲が良い。以前に何で俺の家で働くのかと聞いたことがある。そのときに


「そりゃあ翔のため……じゃなくて翔のお母さんの為よ!翔が辛い目にあったら悲しむでしょ?」


と言った。確かに、胡桃と母さんが一緒に居るときはお互い楽しそうな表情を浮かべている。母さんも身分が身分だけに縛られた生活を強いられているのだろう……そして胡桃もまた、俺に仕えているから同じように苦しめてしまっているのだろうか。


 「2人とも大変だね……そういえば、2人は何の部活に入るのか決めた?」

 

 先ほどまで黙っていた先生が俺たちに聞いてきた、。俺は今のところ特に何かの部活に入ろうとは思っていない。胡桃は何の部活に入るのだろうか?この学校にテニス部はないし……やっぱり運動系なのかな?


「私はまだ決めてないですね……翔はどうするの?」

「俺か……うーん、まだ決まっていないかな」

「そう、ちなみに私は文芸部の顧問をやっているのよ、活動日もそんなに多くないし、部員も今は1人しか居ないけど……良かったら、あ!」


 暁先生は誰かを見つけたらしい。すると先生の目線の先に居た黒髪のロングヘアーで身長は胡桃より少し高いぐらいの清楚そうな女子生徒がいた。ふと目が合った、凄く可愛らしい人だなと思った。


「暁先生……あの部室が閉まってて……鍵を取りに来たんですけど……」

「あ!ごめんなさい……私が鍵を持っていたのすっかり忘れてた」


 先生は鍵をその生徒に渡した。


「そうだ、この機会に紹介しておくわね。彼女は新条(しんじょう) 芹香(せりか)さん。さっき言っていた文芸部の部長よ。それでこっちが佐山 翔君に山本 胡桃さんよ」

「初めまして……人見知りなので人と話すのは苦手なのですが……よろしくお願いします」


 俺もよろしくお願いします返そうと思っていたのだが、その言葉先生によって遮られた。


「折角だし、今から文芸部見ていかない?芹香ちゃんも誰かとたまには居たほうがいいでしょ?」

「そうですね……お2人が良いのでしたら……是非」

 

 文芸部か……どんなことをしている部活何だろう。もともと運動部に入る予定は無かったし、見に行ってみようかな。


「新条先輩、お邪魔してもいいですか?」

「なら、私も行く!」


――俺たちは文芸部の部室に来ていた。校舎は教室がある本棟と部室がならぶ特別棟があ

り、文芸部の部室は特別棟の1階の本棟に一番近い図書室の隣にあった。


「それで、文芸部って何をするんですか?あまりイメージが沸かないんですけど……」


 胡桃が新条先輩と暁先生に向かって聞いた。文芸部って言うと、本を読んだり小説を書いたりするイメージがあるけど……


「基本的には自由ね」

「自由ですか?」


 暁先生が自由と言ったことに驚いた胡桃が聞き返すと、今度は新条先輩が答えてくれた。


「私は基本的にはいつも本を読んでいます。部員が1人しか居ないのでこれぐらいしかすることはないんですけど……もし増えたら本を読んだ感想とかをお互いに話し合うとかはしてみたい……かな」


 新条先輩が笑顔でそう言った。破壊力が凄い……それにしても、文芸部か……活動は自由っぽいし……本は昔から読んでいたから結構好きだし。


「俺、文芸部に入ろうかと思います」

「本当ですか?!」

「はい、胡桃はどうする?」

「私も入ろうかな」

 

 俺と胡桃は文芸部に入ることにした。入学式の日に入る部活が決まったが、まだ1年生は部活に入ることが出来ないので、入部届は出していない。俺と胡桃はその日はそのまま家に帰った。しかし、俺は知らなかった。この一見何もない穏やかな生活が崩されることになろうとは。


ブックマーク•評価がまだの方は是非_(_^_)_

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