#13:両親が家にやって来て
13話は時間通り完了です。
新キャラ登場です!
「失礼します」
その女の子はそう言うと部室に入ってきた。彼女は制服を着ていなかった。ということはこの学校の生徒ではないのだろうか。
「彼女は桜坂 未来さんよ。来年この学校を受ける予定の娘らしくて、校長先生の知り合いなんだとか」
「よろしくお願いしますね、先輩」
やけに元気なその後輩は言った。自信満々に言っているけれど、試験に受からなければこの学校に来ることはできないんだぞ?大丈夫なのか?
「チッチッチ、安心してください先輩!絶対に受かって見せますから」
彼女は俺にそう言ってきた。別に心配したから見たんじゃなくて、あくまで可愛そうなやつとして見たはずなんだけど、まぁどうでもいいか。
「頑張りなさい」
「……応援していますよ」
胡桃と新条先輩が応援していると言ったら彼女は嬉しそうにしていた。別にそれ試験の合否に何も関わらないんだけどね。
「でも、私勉強しなくても大丈夫ですよ!絶対受かるので」
だからどこからその自身は来るのだろうか。すると、彼女は俺の耳に手を当てた。すると小さな声で呟いた。
「これから毎日よろしくお願いしますね、先輩」
「翔に何を言ったの」
「何も言ってませんよ、胡桃先輩」
これから毎日よろしくお願いします――この言葉に込められていた本当の言葉の意味をこのときの俺は気づくことはできなかった。
「新条先輩、今日は何をするんですか?」
胡桃が新条先輩に今日の活動について聞きに行っていた。ただこの部活はもともと新条先輩のコミュ障をなくすためにと暁先生が作ったものらしい。だから何をするのかという活動は特にないらしい。ただ部室で話しているだけでもいいとのことだ。
「何ならゲームしてもいいわよ」
「……先生がそれ言っていいんですか?」
「細かいことは気にしちゃ負けよ」
先生がゲームをやっていいと進めてくるなんて、でもそういう新条先輩はゲームをやったことがないらしい。今度小型のゲーム機を何か持ってこようかな。
「胡桃先輩何します?」
「そうね、じゃあこのゲームスマホに入ってない?」
「あ、それ私もやってます!」
胡桃と桜坂はすっかりと打ち解けている様子だった。新条先輩と暁先生は先程から本について話している。必然的に1人になってしまう訳だ。俺は結局その日部活が終わるまで1人でスマホを触っていた。
「まだ暗くないけど……気を付けて帰ってね?」
「じゃあみんな、また明日ね~」
俺たちは一足先に帰ることとなったのだが。暁先生が突然、桜坂を送って行ってほしいと頼んできた。春なので、別にまだ外がくらいという訳でも無かったので、送って帰ることにした。ちなみに、俺の家の方角らしいので面倒という訳でもなかったしね。
しかし、何処まで俺たちの家の方角と同じなのだろうかそう思っているうちに何と俺の家まで着いていた。
「着きましたよ先輩、ここが今日から私の家です!」
は?どういうことだ?ここは俺の家だけど。その疑問はシェアハウスから出てきた2人の人物の存在によって、解消されすことになった。
「久しぶりだな、翔」
「会いに来たわよ」
「お父様にお母様!?」
「旦那様!?」
そこには俺の父さんと母さんがいた。今週末に母さんが来ることにはなっていたけれど、父さんが来るとは思ってもいなかった。
「2人ともここでは普通に話していいぞ、敬語を使えと言ったが、あれは使用人に前だけだ」
「そうよ、2人とも」
いつもの父さんとは違った感じに、俺と胡桃は戸惑っていた。
「すまないな、2人とも。こうやって普通に話すのも久しぶりかな」
「そうね。貴方がいつまでも頑固だからね。とりあえず中に入って話しましょ」
「夕食が出来ました」
「ああ、すまないね」
シャハウスの中から恵令奈さんが出てきて、そう言うと父さんは感謝の言葉を述べていた。あまりそのようなことを言わない人だったから、凄く驚いた。
「ふむふむ、なるほど。翔君の両親との関係はそんな感じなのね」
「お恥ずかしながら」
「ちょっとライリーさん」
「気にしないでくれ、私の責任だから」
ライリーが俺たちの関係を聞いて何やら考えていた。エマがライリーを止めていた。確かに以前までの父さんであれば、ここで気を悪くしてもおかしくなかったけどそんな素振りすらなかった。
「お義父様、それで本日はどのような用件で」
いつの間に胡桃がご主人様から、お義父様呼びに変化していた。母さんと父さんが胡桃にそう呼ぶように言っていた。胡桃は最初は抵抗していたものの、母さんが胡桃に何かを話すと顔を真っ赤にした。その後からだったと思う、父さんをお義父様と呼び出したのは。母さんよ……胡桃に何を吹き込んだんだ?
「すっかり忘れていたよ。今回ここに来たのは未来ちゃんをここで住まわせてやって欲しいからだ」
どういうことだ?彼女の両親は?色々な疑問が俺の頭に浮かんだが、それを聞く前に父さんが説明を始めた。
父さんが言うには仕事の時に彼女と遭遇したのだそうだ。彼女は400年後の未来から来たのだという。この世界は滅亡の危機に瀕してしまい、それを防ぐためにこの時代にやってきたそうだ。
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