独白。
こんにちは。ご無沙汰しております。
とても短い作品ですが、読んでやってください。
すっかり彩りを失った木々が心許なさそうに揺れている。
けたたましく鳴り響く目覚まし時計の音で目を覚ました僕は、おもむろにベッドから起きだし、冷えたフローリングに足を踏み入れた。
カーペットが恋しくなる季節だ。いつの間にか部屋に棲みついた冷気が、朝支度を急かす。
一度はそれに反抗しようと試みたが、一つ身震いをしてそれが無駄な足掻きであるのだと悟った。
「咳をしても一人」
ふと思い出したかのように、そうつぶやいてみた。
反応などない。それでいいのだ。
家を出て高校へ向かう。多くの高校生たちがおしゃべりをしながら僕を追い越していく。
校門手前にある公園に立ち入った。
自販機で温かいブラックコーヒーを買い、いつものベンチに腰掛ける。
傍からは、ずいぶん所在無さげに見えるだろう。
昨日までは先客が居た。サラリーマンと思しき男性だった。
ブランコに腰掛けて、虚ろな瞳で足元を見つめていた。
今日いないということは、なにかしらの形で彼の抱えていた問題が解決したのだろう。
「はぁ」
ため息をついてからコーヒーに口をつける。
幾度となく繰り返した。
やがてコーヒーが無くなると僕は諦め、急いで教室へと向かう後輩たちに背を向け家路につく。
青春は戻らない、なんてどこかで聞いた言葉が内側から僕を壊していく。
ゆっくりと、でも着実に。
冷たい風が吹いていた。
とても、冷たい風が。
すっかり彩りを失った木が心許なさそうに揺れている。
それはおそらく、枯葉の寂しげな音を奏でているのだろう。
新年あけましておめでとうございます。昨年はお世話になりました。
突然ですが、皆様は初詣には行かれましたか?
私は父と近くの神社まで行って来ました。
人が多くて、神前で地獄を見ました。
やはり、願い事をするという行為自体に代償を払わねばならないようです。
さて、最後になりますが、今年一年の皆様の益々のご健勝をお祈り申し上げます。
ではまた。