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本箱の味方  作者: 髙橋 翔太
可能性を信じて答え合わせの旅へ
16/21

旅には仲間が付き物です。


物語は、ガルートが旅の途中に仲間を見つけて自分の村に脅威が迫っている事を知る場面に移った。



ガルートは旅の途中で様々な仲間と出会う。


ガルートに命を救われて旅を共にする事になったのは、小さな村の陽気な少年シャオウラ


「たまにはその羽で飛びながら旅をするのもいいんじゃない?」

「羽を使って飛ぶのも体力がいるんだからな。」


ガルートは少し気だるそうに返事をした。


「使えねぇ羽を付けられたなぁ。どうせなら背中にジェットとか付けてもらったらよかったのに。」


シャオウラはニコニコしながらガルートを見上げて話をしている。

旅の疲れを何だか半分ずつにしているような気がしてガルートもシャオウラにいつも微笑みかけていた。




戦いの途中にガルートを助太刀に入ったのは同じ力を持つクールな青年ユナム


「ガルートは本当に仲間に甘いな。」

「そうかな?」


シャオウラが2人の間に入ってくる。


「なんだよ! まだ怒ってるのか?」

「当たり前だ!」


ユナムが声を荒げたなんか初めての事だったので慌ててユナムとシャオウラの間にガルートが立つ。


「そんなにムキになってどうしたんだ?」


シャオウラはユナムを制止しいているガルートの脇から顔を出し、


「俺がユナムのハムを勝手に食ったんだよ!」

「えっ? ハム?」


ガルートは必死に我慢したが少し笑ってしまった。


「笑っただろ? 俺があのハムをどれだけ楽しみにしてたかも知らないで~。」


男だけの旅も毎日が騒がしく過ぎていった。

ガルートもユナムも自分達の莫大な力の存在を振り切るかのように、ここではない何処かへ行き先も決めずに旅をしていた。




そして最後に仲間になったのは人生に迷い命を投げ出そうとしていた少女リンリン


「顔も知らない私のために本気になって助けてくれてありがとう。」


ガルートは少し顔を赤らめながらリンリンの目を見つめ返した。


「君が無事でよかった。あの力を見せてしまったから俺達はもうこの町には居られない。じゃあまたどこかで。」

「あばよ~。もう死ぬなよ~。」


3人が町を背に旅を続けようとしたその時だった。


「私も連れて行って! みんなの旅に!」


ガルート達は振り向こうとはしなかった。

リンリンを救い出す為にユナムやガルートは大捕り物で町中が大騒ぎになってしまった。

リンリンを仲間として連れて行くわけにはいかないとそう思っていた。


「何だか寂しい気もするな。」


小声で呟いたユナムにガルートも、


「あぁ。心が痛いよ。」


町を出ようとした時に古びた町の2階の窓から声が聞こえた。



「リンリンも連れて行ってやってくれよ!」



その声を皮切りに町の人々がガルート達に声を掛けた。


「リンリンの命を救ってくれてありがとう!」

「ありがとう!」


気がついた時には人々の大合唱になっていた。


「ありがとう!」


町が彼らに感謝し、彼らの門出を祝福していた。

ガルートとユナムは涙が止まらなかった。

自分たちの旅は間違っていなかったんだと、人にそう教えられたのだ。

するとシャオウラが2人の行く手に両手を広げて立ちふさがり、


「この感謝の輪の中にリンリンがいないのはおかしいと思わないのか?」


そう言うとシャオウラは2人の返事を待たずに、


「この2人は翼が生えてるんだ! 早く来ないと飛んで行っちまうぜ!」


その言葉を聞くとリンリンは3人の元に駆け寄った。

旅はガルートの想像していたものよりも、ずっと賑やかでずっとずっとかけがえのないものになっていった。




内藤さんと少し話し合い、僕たちは物語をしばしの間、見守る事にした。

そんな旅の途中には彼らの行く手を阻む者が現れる…

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