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私が永遠を生きるその前の話  作者: Towa
1章 そして私は永遠を手にする
87/102

<87>

今日はこの後一気に更新します。

「ちょ、ちょっとイヴ、待って」


「悪いですけどそれは聞けません」


 イヴが駆け出してすぐ、目まぐるしく変わる展開のせいで呆然としていたリリスはどうにか復帰し、イヴを引き留めようとする。しかしイヴはリリスの頼みを考える余地なしとばかりに突っぱねる。


「なっ!それにあなた、自分が何してるかわかってるの!」


「リリスちゃんが自分の意志に反するようなことをしないようにしてるだけです!それから文句なら全部後で聞きます!」


「……ばか」


 最後が小声なせいでイヴは何を言っているのか聞き取れなかったが今はとにかく逃げることに集中する。何せ追手が来ているのだ。

 真祖であるイヴにとって格下で吸血鬼はすべて足止めすることができた。これはイヴの予想通りであり理想通り。しかしもう一つイヴの予想通りであり理想通りといかなかったことがある。真祖による『王の言葉』は吸血鬼の頂点たる真祖が格下である吸血鬼に対しての強制命令権である。これを受ければ吸血鬼は大なり小なり確実に影響を受ける。しかしそれはあくまでも格下の相手に対してのみである。つまり同格の相手には効力がない。そう、イヴと同じ真祖吸血鬼の行動を阻害することはできないのである。


「逃がさん」


 逃げるイヴ。追いかけてくるのはカインただ一人。イヴにとってはカイン一人を振り切れさえすれば勝利である。しかしそのたった一つのことがとても難しい。最初に一気に飛び出したおかげでいまだイヴが先行はしている。しかしその差も徐々につめられる。理由はイヴがリリスという人ひとり支えながら走っているから、魔力操作に関してカインの方が優れているから、そして戦闘時とは違ってイヴを追いかけることに全力を使っているから。


 走る。


 走る。


 走る。


 イヴは魔力が暴走しそうになるような領域でもって全力でカインの追走から逃げる。しかしここまでしてなおそれをあざ笑うかのようにカインは差をつめてくる。


「とらえた」


 そしてカインは最後の加速とばかりにもう一段スピードを上げ逃げるイヴに手を伸ばしてくる。


 そして―。

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