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私が永遠を生きるその前の話  作者: Towa
1章 そして私は永遠を手にする
79/102

<79>

 イヴたちの攻防は続く。

 戦闘技術に関しては相手の方が格段に上。しかし単純な身体スペックなら吸血鬼たちの方が上。その結果戦いはしばしの間拮抗状態にあった。

 しかし戦いの均衡は少しずつ崩れていく。時間がたつにつれて技術が身体スペックの差をどんどん埋め始める。そうして徐々に形勢は吸血鬼側が押され出してくる。


 そしてその時はとうとう訪れた。


 男がダガーを振るった。ダガーの銀閃がイヴに襲い掛かる。もちろんイヴはその残撃があたらないようにかわす。

 攻撃をかわしたイヴと入れ替わるように今度はリアが前に出ようとする。

 攻撃の後のわずかばかりの隙を狙おうとしたものだ。

 しかしそこでイヴは何かがおかしいと感じる。

 イヴは自身の感覚に従い男とリアの方を見る。


 そして気づいた。


 先ほどのイヴに向けた攻撃が赤い(・・)軌跡ではなく銀の(・・)軌跡を描いていたことに。


「!?」


 そして本来赤い軌跡を描くはずだった武器はどこかと探してみればさっきまでと逆の手の中にそれはあった。


 -いつから?それよりも……いつのまにか誘導されてた。


 あわてるイヴであるが、そんなイヴをあざ笑うように時間は過ぎていく。


 リアが男に迫る。しかし男はあわてることなく今までダガーを振るっていたのと逆の手を、正真正銘赤いダガーを持った手を振るう。リアは途中でダガーの存在に気づきその赤いダガーをかわすように動く。当然リアの攻撃はキャンセルされる。だが男の方も今の不意打ちがよけられるのは了解済み。何せ相手は人間ではあり得ない回復力を持つ吸血鬼。多少の無理なら効く。開戦してから何度も見ているが、一時的に体が壊れること前提で動けばある程度無茶な挙動も可能だ。


 しかしそんな無茶な挙動、吸血鬼といえど連続して行えるわけがない。


 体が壊れるような挙動?そんなもの体が壊れていない者にしかできない。


 実にあたりまえの話だが、足を壊すような動きをしようと思ったら当然壊すための足がなければ成立しない。


 だから男はまずリアの機動力を奪いに行った。

 男は銀の方のダガーをリアの顔めがけて放つ。

 そのまま当たれば確実に一時的ながら戦闘不能にできる。ついさっき男の攻撃をよけたばかりの無茶な体勢でこの攻撃をかわそうとすれば当然これも一時的だが行動不能にできる。つまるところ動くための足を壊せる。

 つまり男にとってどちらに転んでも次の必殺の一撃が必ず当たる状況が出来上がる。

 男は放ったダガーの行く先を見つつ、次の攻撃に備える。




 しかし結果は男の予想とはずれたものとなった。




リアさん(・・・・)避けてください(・・・・・・・)!」


 イヴは力の限り叫ぶ。

 その声を聞いたリアは迫りくるダガーを体を壊しながらもかわす。

 そこに男は追撃を放とうとする。

 しかしその眼前に―。


「やらせません」


 イヴが突然男の目の前に現れ、リアを押す。どうあってもダガーでは届かないところまで。


 イヴの予想外の出現に男は驚いたがすぐに平静を取り戻す。

 なんてことはない。今のはリアのもとに男のダガーが到達する前にたどり着くことだけを考えた挙動。ただそれだけだ。つまるところ体の損壊を無視してイヴは動いたわけだ。

 男にとって予想外のことが起きた。だがやることは変わらない。ただ対象が変わっただけだ。

 男は一瞬の逡巡もなく手に持った赤いダガーを、吸血鬼にとっても致命傷になりかねない攻撃を放った。

 そしてその刺突は実にあっけなくイヴの胸に突き刺さった。

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