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今回は中途半端感がやばい…。
踏み出す。
一歩で距離をつめる。
そのまま攻撃する。
よけられて赤い軌跡のカウンターが来る。
しかしそれを力技で強引に回避。
そのままさらに強引な力技で反撃の攻撃を放つ。無理な体勢をとったせいでバキっと嫌な音がするがそんなものは無視。どうせ1秒待たずに治る。
しかし相手もそれは読んでいたのだろう。最小限の動きでその反撃をかわす。
その後二人は一度距離をとり再度ぶつかり合った。
戦いはイヴが加わったことで変化を見せ始めていた。まず単純に6対4だったものが再び7対4になったため手数が増えた。しかしそれ以上にイヴの動きはリリス以外、とりわけ敵を驚愕させた。
敵の一人であるライトブラウンの髪の男が赤いダガーで切りかかる。そのスピードは使い慣れていない武器という点を除いてもかなり速い。少なくともこの男と最初から戦っていたリアや先ほど倒されてしまったラファエルならば回避することだけに専念しなければならない速さだ。しかしイヴはその剣閃を力技ではあるが強引に、しかし少しの動きだけで回避するとそのまま反撃にさえ出る。
「ちっ」
相手の男は軽い舌打ちとともにイヴの攻撃をかなり大きく回避する。しかしそれも仕方のないこと。イヴの攻撃はこの場において最速を誇っていた。それも敵に小さくよけるということをさせず、全力で回避をしなければならないほどに。
しかしそれも当然の話である。ここまで一度も魔力を使うことなく、吸血鬼たちの魔力を使った動きについていき、戦闘も魔力や神聖力によって高速化していたものを何が起こっているのかきちんと把握した上で自分の力不足を感じていた。つまるところイヴは素の状態で特殊な力で強化された人間や吸血鬼に追いすがっていたのだ。そんなイヴが魔力を使えばどうなるか?答えは簡単。この場において最速の動きできるようになるということだ。
そしてそんなイヴに対してリリスはひとつのアドバイスを送っていた。それは魔力操作に関すること。いくら魔力を使えるといっても実際にイヴが魔力を使ったのは今が初めてだ。当然魔力の細かい操作などは難しいと考えるべきであるし、ましてや戦闘中になれていないことに意識をさくなどもってのほかだ。ならば言うべきことはひとつ。「後のことなど気にせず常に全力でもって動け」だ。多少魔力の使用効率が悪くなってもかまいはしない。それよりもイヴの動きが悪くなるほうが問題だ。だから魔力に関しては引き出すことだけを意識しろ、これがリリスのアドバイスだった。そしてそれはリリスの思惑通り働き、イヴにこの場における最速の称号を与え、敵を確実に翻弄していた。




