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ちょっとした宣伝。現在新しく「終末世界で見る永遠の夢」というのを新たに書き出しました。この作品と直接的つながりはありませんが舞台設定はこの話の数百年前という設定です。よければこちらもよろしくお願いします。…でも更新頻度はあまり期待しないでください。
「あともう少しで出口よ」
そう声をかけるのはリアの背中におんぶされた状態のリリス。研究所の防衛システムを壊すのにほぼすべての魔力を使ったリリスはその影響から自力で速く移動するということができない状態にあった。ならばどうすればいいか。その回答がリアの背中に負ぶさったリリスである。要は自力で動けないなら動ける人の力を借りるというとても簡単な答えである。
「次の十字路を左。そうしたらあとはとにかくまっすぐ走って」
現在私たちは6人で動いている。当初10人、リリスを含めたなら11人いるはずであることを考えれば実に半数近くまでその数を減らしていた。その中にはキンバリーの姿もない。おそらくまだ機密エリアの守護者と戦っている。当然であるがリリスを部屋から出した後、地上階に戻るためにもう一度キンバリーたちが戦っているところを通らなければならない。そしてそこで見たのは……穴の開いた壁や床、そして鳴り止まない戦闘音である。正直戦闘のレベルが高すぎて誰も下手に手を出せない状態であった。そんな中、イヴたちはどうにか彼らが戦闘をしている脇をすり抜けて地上階へと脱出をはかった。その後無事地上階にたどり着いた後、見張りとして地上階においてきた仲間と合流し研究所の出口まで向かうこととなった。しかしその道中研究所の警備兵と二度戦闘に突入。その度に一人をおいていき残りが脱出を続行。その結果として現在の人数になった。
「出口が見えた!」
再度リリスの声がする。しかしもはや言われずともわかる。前方に扉が一つ。おそらくあれが出口。
「みんな、これが最後よ。気を引き締めて」
最後?とリリスは疑問に思ったがその疑問の答えが出る間もなく扉に到着。そしてそのまま扉の外へ出た。
久方ぶりの外は夏にもかかわらず少し肌寒かった。そして空には空気が澄んでいるおかげで満天の星が輝いていた。ここに連れて来られたときは考える余裕がなかったがたぶんそれなりに山奥なのだろう。自分が住んでいた村の位置やそこからの移動時間を考えてもおそらくこの推測に間違いはないだろう。そうして研究所内部の騒動とは打って変わって静かな雰囲気の中、イヴたちの目の前からいくつかの足音が聞こえてきた。イヴは足音が聞こえた先を見据える。吸血鬼となった今、夜の暗闇の中でも十分にその姿を捕捉できる。
人数は4人。全員夜の闇に同化してしまうような黒い服を着ている。そして全員が何かしらの武器を携えていた。
イヴたちがその前方の4人に対して身構えているとその中の一人、ライトブラウンの髪をした軽薄そうな感じの男が一歩前に出てきた。
「なんとなくわかってると思うけど一応言っとくな。ここを通りたければ俺たちを倒していきな」




