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その後イヴたちは見張りとして三人を部屋の中に残し、地下へと続く階段を下る。
階段は石でできており、造りはかなり頑丈そうだ。そしてその階段を照らしているのは青白い光を放つ照明であり、等間隔で階段の側面に設置されている。決して明るくはないが別に足元が見えないなどということもなく、印象としては薄暗い場所といった感じである。
そんな階段を下った先はかなり開けた場所となっていた。横幅としてはちょっとした広場くらいあるため通路ということを忘れてしまいそうになる。そんな広さの通路が奥に向かってずっと続いている。また先ほどまでの階段と違い広い場所であるため照明の数もかなり多く、それなりの明るさも確保されていた。
そうしてそんな広い通路をしばらく歩いている時である。
「止まれ」
突然キンバリーの声が響く。突然の声にイヴが何事か考えていると―。
「侵入者か」
前方から人影が歩いてくる。
「まさかここがどこだかわからず来たなどということはあるまい」
それは黒いロングコートを身にまとった壮年の男だった。その容姿は一般的な成人男性よりも二回りほど大きく、赤みがかった茶髪を逆立て、その髪色と同色の瞳をし、服の上からでもよく鍛えられていることがわかる。加えて男が傍らに携える武器。それはいわゆる大剣と呼ばれるものであり、イヴの身の丈よりもはるかに大きい。
「……リア」
キンバリーが目の前の大剣の男から目を離すことなく話しかける。
「何?」
「ここはプラン3の俺とモリスとニールの三人で足止めする。お前たちはその隙に一気にここを駆け抜けろ」
「……了解」
「モリスとニールもいいな」
「ああ」「了解」
そうしてこちらの方針が決まったところで。
「もう話し合いはいいのか?」
「……わざわざ待っていたのか?」
「いや。どうせ攻撃したところでお前に防がれるだろう。見たところお前はかなりの強者と思われる。ならば待っていようがいまいが変わらん」
「そうか」
キンバリーの答えの後、話はもう終わりだとばかりに大剣の男とキンバリーはお互いににらみ合う。そしてキンバリーの後ろには二人の男―モリスとニールだ―がつく。そして数秒間男とキンバリーのにらみ合いが続いた後―。
「皆、行くぞ!」
その掛け声の後キンバリーは一気にトップスピードで目の前の男に向かって走り出した。




