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その後もイヴたちはいくつかの戦闘がありつつもリリスのもとへとひた走った。……実際には戦闘という名のキンバリーによる瞬殺劇であったわけであるが。とにもかくにもイヴたちは研究所内をひたすらに奥へ奥へと進み、とある一つの部屋に入った。
「ここは……資料室?」
そこは部屋一面戸棚や本棚に埋め尽くされた場所だった。戸棚や本棚にはたくさんの本や紙をまとめたものが置いてあり、散らかってこそいないがどこか雑然とした雰囲気のある部屋だった。
「まあパッと見はね」
そう答えるリアは部屋に入ってからずっとせわしなく視線を移動させていた。それはまるで部屋の中にある何かを探しているかのように。
「うーん、多分あの本棚で間違いないと思う。なんとなくあれだけほこりのかぶり方とか違う気がするし」
「そうだな。……まあ試してみればわかることだろう」
イヴが『試す?』と思っていると、キンバリーはおもむろにさっき言われた本棚の前に立つ。そうして本棚の前で拳を構えたかと思うと、それを一気に本棚に向かって突き出した。
ドーーーーーーーーーーン。
キンバリーが本棚に向かい拳を突き出した次の瞬間、破砕音とともにすさまじい衝撃が部屋全体に響き渡る。そのあまりの衝撃にイヴたちは思わず身をかがめる。
「けほっ、けほっ。……うー、どうなったんですか」
先ほどの衝撃のせいでもうもうと煙の立ち込める室内。そんな中で今部屋の中がどうなっているのかイヴは確認する。
壊れた本棚の残骸、散乱する本や紙、先ほど拳を突き出した状態のままのキンバリー……そしてさっきまではなかった地下へと続く階段。
「どうやら当たりだったらしいな」
こんな人体実験を平然とする明らかに非合法な研究所内にあって、その中でさらに隠された通路。それはこの先にあるものの重要性を物語るには十分なものである。
「では先に進むとしよう。皆、準備は大丈夫か?」
そう言ってイヴたちの方を振り返ってくるキンバリー。そこには……当然先ほどの衝撃のせいで全員地面に臥せっているイヴたち。
「大丈夫かですって?あんたちょっと事前予告してから行動しなさいよ!」
そんな中リアはいち早く起き上がるとキンバリーに対して猛抗議。
「む、確かに。それはすまなかった」
キンバリーの方も皆の状態に気付いたのか。少しばつが悪そうに謝罪の言葉を口にする。
「ホントお願いだからね」
リアの方はといえば少しあきれながらでは必要以上にキンバリーを追求しなかった。それよりも目の前にできた地下へと続く階段の方へすぐに意識を切り替える。
「……この先、いるね」
「そうだな」
イヴの前ではキンバリーとリアが何か話しているようだがあいにくイヴには何のことかわからなかった。なのでイヴは目の前にある階段に一度意識を向けることにする。
―もうすぐそっちに行きます。あとちょっとだけ待っててください、リリスちゃん。
この階段の先にいる人物を一緒に思い浮かべながら。
最近書く時間があんま取れない…。




