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「それでリリスちゃん、吸血鬼やリリスちゃんの力についてはわかったのですが、脱出の方は具体的にどんな計画になってるんですか?」
先程話が多少脱線してしまったので、イヴはリリスに脱出計画について聞くことで軌道修正することにした。
「そうね。計画事態はすでにいつでも実行できるようになってるわ。だから逆に聞くわ。イヴ、あなたいつなら動ける?」
「いつなら動ける?」。イヴはこの問いが何を聞こうとしているか考える。当たり前であるがただイヴの予定を聞いているわけではない。そもそも今イヴに何か予定があるはずがない。ならば何か。それはいつなら脱出を行うための準備がイヴにできるかであろう。計画について何一つ聞いていない今、イヴにできることと言ったらいつ脱出が行われてもいいように体と心の状態を万全にするくらいしかない。つまりいつならイヴが肉体的、精神的に準備ができるのかということである。だからイヴは考える。自分の状態を。そして今の自分というものについて。そしてしばらく考えた後、イヴは結論を出した。
「……いつでも問題ありません」
それがイヴの答えであった。
「根拠は?」
そんなイヴにリリスは根拠を聞いてきた。だから私は―。
「まず私の体の調子に関してですが、これは全く問題ありません。正直なことを言って、今の私の体の状態は過去最良と言ってもいいかもしれません。多分これ、吸血鬼の力のせいじゃないかなって思ってます。だから肉体的にはいつでも問題ありません。次に私の心の準備についてですが、それはリリスちゃんの話を聞いた後もう決めてあります。私は私の理由でもってどうしてもここを出たいです!」
と、イヴはリリスに自分の状態を語り、自分の思いを今一度宣言する。
「たくさん血を見るかもしれないよ。もしかしたらイヴ自身が人の血を流す側になるかもしれないよ」
「……いつかはやらないといけないことです。早いか遅いかの違いしかありません。それにどれだけ準備しても大丈夫かどうかなんて結局その時にならないとわからないです。それに……このままだと遠くない未来、今度は私の血がたくさん人の死なせることになります。実験という名目で。リリスちゃんの言葉を借りるなら、私はそんなことになってほしくありません!」
「……」
イヴの思いを受け、リリスは考える。本当にイヴは大丈夫なのか。その判断に間違いはないか。そしてその考えを元に自分はどうすべきか。
考える。
考える。
考える。
そして―。




