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今日が終わる前にどうにか投稿。
イヴが明らかについていけてないことを察したリリスはとりあえず要点だけを言うことにした。というより、さすがに一気にしゃべり過ぎたと心の中で反省した。
「方向付けすると何か出来るんですか?」
「それはもちろん。例えば今こうして私とイヴが話してるのだってこの技術のお陰なんだから」
「そういえば今まで気にしてなかったけど、私とリリスちゃんって念話で会話してましたね。それにリリスちゃん、最初から私のこと知ってるみたいでしたし。こういうのもやっぱりその技術のお陰なんですか?」
「その通りよ。念話については当然妨害されてるんだけどその妨害の網の隙間をぬってやってるし、イヴの情報とかもこれの応用で研究所中から情報収集してたし。そもそも私がこうして今話してる内容も同じように情報収集した結果だし」
「なんと言いますか、すごいですねリリスちゃん」
「まぁ、時間だけはたくさんあったわけだし。本気で脱出を考えるならこのくらい覚えないと。さあ、もっと褒めるがいいわ」
顔はわからないが、多分すごい自慢げな顔してるんだろうなとイヴは声から想像した。でも実際すごいことだと思うし、ものすごい努力しただろうことが容易に想像がついた。だからイヴは素直に褒めることにした。
「うん、やっぱりリリスちゃんはすごいよ。リリスちゃん、すっごい何でもない風に話してるけどホントはすっごい努力してるよね。そんな風に物事に一生懸命努力できる人って私は好きだな。それにね、自分のために色々やってると言いつつ、私のことをきちんと気にかけてくれて……そういう自分が努力したものを誰かのために使えるリリスちゃんは本当にすごくて、優しくて……だから私はそんなリリスちゃんのことがとっても大好き!それからそれから、そういう行動ができる人って、やっぱり心がきれいな―」
こんな感じでこのあともしばらくの間、自分が思い付く限りの言葉で褒めてみた。
その結果―。
「も、もぉいい!もういいから!これ以上はやめて!イヴの気持ちは嬉しいんだけど、これ以上は恥ずかしいから!完全に褒め殺しだよ!」
などと返されてしまった。イヴはあれれ?と頭上にクエスチョンマークを浮かべていると―。
「イヴ、恐ろしい子。あなた実は女ったらしとか人たらしとか、そんな感じのやつじゃないでしょうね……」
とリリスはイヴにとって心外な評価を下してくるのだった。




