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吸血鬼と呼ばれる第2の理由を説明したリリスここで一度話を切った。なのでイヴは先程自分がした質問について改めて聞くことにした。
「えと、吸血鬼についてはわかりました。つまりその第2世代や第3世代と呼ばれてる人たちも含めて協力者ということでいいですか?」
「ええ、それで問題ないわ」
「わかりました。でも、具体的にどうやって脱出するんですか?私、首輪してるんですけど?」
当然であるが脱出するにはそれ相応の準備や手順があるだろう。準備についてはすでにリリスたちが行っているらしいのだが、そこには当然わからないこともいくつかある。その一つとしてイヴが今首に付けられている黒い首輪である。ここに来てからのことを思い返す限りおそらくこれはこちらの動きを所有者が制限もしくは強制するといった類いのものであるとイヴは予想をつけている。そしてそれは正解であり、現在は研究所職員に危害を加えること、研究所からの逃亡などが禁止されている。
「それについては問題ないわ。その首輪だけど、それ実は端末みたいなものでね、本体が別にあってそれで一括制御してるのよ。だから本体さえ壊せばイヴも自由に行動できるわ」
「でも、そもそも首輪をしてたらその本体を壊すってこともできないんじゃないですか?」
「それも一応方法は考えてあるわ。というか抜け道があるのよ。簡単に言うとこういうシステムは網みたいなものなのよ。網に引っかかるような行動はできない。そういう風にできてる。強制力の強い命令ほど網の目が細かくできている。でもそれにだって限度はある。網の目より小さなものは通り抜けられる。たとえば人の神聖力をこれと同じ方法で封じるとしても完全には不可能よ。どんな人でも無意識下でごくごく微量ながら神聖力を発している。これは水を置いておいたら蒸発して量が少なくなるみたいなただの自然現象。そんなものに危険度なんて当然あるわけがない。外から神聖力なんてものを観測できるのだってこれのおかげ。そもそも体内だけで完結するようなものを外から見ただけでわかるわけないじゃない。『あ、胃液が増えた』とか外から見てるだけじゃわかんないでしょ。それと同じこと。暗殺者とかが気配を隠すのだってこういった無意識下の神聖力をできるだけ減らすっていうものでもあるのよ。でも通常こういったものを操作しようと思っても増やす減らすくらいのことしかできないのよ。そもそも無意識下のものだからそれにだって限界が―」
「あ、あの!」
イヴは説明がまだまだ続きそうなのを感じて一旦リリスを止めた。
「ちょっとだけ待ってください!つまりどういうことなんですか?」
聞いたのはイヴではあったが一気にまくし立てられすぎて正直目が点になってしまった。イヴ自身今言われたことの半分も理解しているか怪しい。
「あー。まあ簡単に言うとね、どれだけ私たちの行動や魔力なんかを制限しても全部は無理。でもそういったものは普通制御がほとんどでできないって話よ。それでここからが本題になるんだけど、私はそういった無意識下において発生する魔力をある程度方向付けができるの」
と、とりあえずここまで。なんかまた中途半端に…。




