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「リリスちゃんの血……ですか」
「そう、これは私を使って兵器を開発しようとしてた時のことなんだけど。その時もね、私の血をたくさんの人に飲ませてその性能を見てたの。実験のサンプルは多いほうがいいから来る日も来る日も私の血を飲ませては死ぬってのをひたすら繰り返してた」
そう語るリリスの言葉は淡々としたもので、ただ過去にあった事実を語るだけといった感じのものであった。イヴはそれがなんだかとても悲しいことのように感じた。
「死んでは次の人、死んでは次の人っていうのがずっと繰り返されてたある日ね、突然現れたのよ。私の血を飲んでも死ななかった人が。ちょうどイヴと同じようにね」
「私みたい?」
「それでねこれはいったいどういうことだって当時いろいろと調べられたの。でも結局死ななかったのはその一人だけ」
「……つまりその人がリリスちゃんの協力者ってことですか?」
「ええそうね。でもねこの話には続きがあるの」
「続きですか?」
「調べていく中でその生き残った人もいろんなことが判明してね。まず普通の人と比べて圧倒的なまでの身体性能。加えて通常人にないはずの魔力。そして死なない体だったの。特に死なない体については当時かなり無茶なこともやってたけど、結局どんな方法でも死ななかった」
かなり無茶などと軽く流しているが、一人の人間を不死だと判断せざるおえなくさせた実験である。かなり無茶程度のものではなかっただろうことはイヴにも容易にわかった。
「それでね実は私も実験の中で神聖力じゃなくて魔力持ちだってのがわかっててね、だから私に近い存在なら私と似たようなこともできるのではないかって意見が上がったの。それで今度はその人の血をいろんな人たちに飲ませてみたの。そうするとね、やっぱりたくさんの人が死んじゃったけど、生き残る人がそれなりの数でてきたのよ。そしてやっぱりその人たちも高い身体性能、魔力そしてかなり高い不死性を備えてた。ここの研究者たちはこの人たちのことを第2世代って呼んでるみたいだけどね。あとはこれをもう2世代分繰り返して研究してるのが今って所かしら」
「ではその第3世代?以降の人たちも同じような特徴が現れたんですか?」
「ええそうね。でも世代を重ねるごとにいくつかわかったこともあってね。まず第一に下の世代、つまり私の血から遠ざかる程生存率が上がっていったわ。でもそれとは逆に私の血に近いほど身体性能も魔力も不死性も上がっていく傾向にあったわね。なら一度吸血鬼になったあとに私の血を飲ませたらどうだって実験もあったけど、別に強くなることもなかったし最初に生き残った一人を除いて、ある程度の量を飲んだところで全員死んだわね」
「そう……ですか」
「それで話を戻すけど、なんで吸血鬼って呼ばれているかってことだけど、私に連なる血を吸んで人ならざる魔力持つもの―つまり鬼になるから。これがイヴみたいな存在を吸血鬼と呼ぶ第二の理由になるわけね」
設定説明はまだまだ続きます。




