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「私……たち?」
その情報はイヴにとって初めて聞く情報だった。
「そう、私たち」
「それってどういうこと?」
「言葉通りの意味よ。私とイヴ、それ以外にもここに捕らえられてる人はいるのよ。何人も」
「えと。つまりその人たちと一緒に逃げるってことでいいの?」
「まぁ、大体そんな感じね。うーん、一緒にここから脱出するんだからこのあたりでイヴにも色々と情報を共有しないといけないわよね」
「ん?」
「よし。そうと決まれば色々と教えてあげるわ。私たちのこと。それからこれからのこと」
「え?え?」
こうして若干イヴを置いてきぼりにしつつ話は進んでいった。
「さてと、まずはこれからのことを話す前に現状について話そうと思うけどいいわよね」
「はい!」
「よろしい。そうね、まずはここが何なのかって事から話そうかしら」
「よろしくお願いします」
「了解。それでねここが何なのかってことだけど、昨日も話したけどここって元々私を研究するのが目的の施設だったわけね。……まぁ正確に言うとそれ以前にも何かしらに使われてたみたいではあるんだけどね。残念ながらそれ以上のことはわからなかったんだけど」
「元々ってことは今は違うんですか?」
「いえ、今でも私の研究自体は続いてるわ。でもそうね、確かに今私自身の研究は少し優先度が下がってるわね」
「どうして下がったんです?」
「それはね、単純に私の研究が現状これ以上あんまり進められないってのがあるわね。どうも私の研究、ある程度は成果も出てるみたいだけど、そのある程度以上のことを研究しようとしたら今の技術じゃ解析しきれないみたいなのよ。だから今は新しい技術待ちってのが本音かしら。それよりもね、今は私を原因として派生したあることを研究するのがメインになってるかしら」
「そのあることっていうのは?」
「もうイヴも聞いてるんじゃないかしら?ここの所長おしゃべりだし」
「聞いてる?」
「ふふっ。多分聞き覚えがあるんじゃない?―『吸血鬼』よ」
「……キュウ、ケツキ」
確かにイヴには『キュウケツキ』という言葉に覚えがあった。それを所長から聞いたと言うのも間違いない。……そしてその言葉はイヴに対して使われたものだった。
「そう、吸血鬼よ」
「そ、それって!?」
イヴは所長の言葉を思い出すと、思わずといった感じで声を出してしまった。
「慌てなくてもいいわよイヴ。ちゃんと教えるから」
そしてリリスは『吸血鬼』について、そして今のイヴについて話し始めた。
今回読んだら分かると思いますがしばらく設定の説明です。




