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イヴのリリスへの呼び方を変更します。
『リリス』→『リリスちゃん』
「それでねリリスちゃん。あれから私いろいろと考えてみたの」
あれからいろいろ考えたというのは、昨夜のこれからイヴは何をすべきか、何がしたいのかという話である。
「……別に急がなくてもいいわよ。大切なことだからもっと時間をかけてもいいんだから」
「うん。リリスちゃんならそういうと思った。それに実のところ結論についてはまだ考え中なんだよね」
「なら―」
リリスが何かを言おうとしたがそれをイヴは遮り言葉を続ける。
「だからね、これはあくまでただの中間報告。今私が思ってることのとりあえずの表明。多分だけどリリスちゃん、ホントは急いでるんじゃない?」
「……どうしてそう思ったの?」
「うーん……勘かな?しいて言うならリリスちゃん昨日、私や村の人たちみたいな人をこれ以上出したくないって言ってたから、もしかしたら出さないようにする算段がもうあるんじゃないかなって。まあ、ただ私が考えすぎなだけなのかもしれないんだけどね。だからどうしてって聞かれたら、やっぱり勘って答えになっちゃうかな?」
そう答えたイヴに対してリリスの反応はというと。
「……なんというか、さすがというか」
という賞賛や呆れが混ざったなんともあいまいなものであった。
「それで、その中間報告ってやつをお願いできる?」
「うん、わかった。それでさっきも言ったとけど、まだ私最終的に何をしたいってのはわからない。村もなくなっちゃったからどこかに行くあてもない。……でも私はこんなところにいたくない。これから何をするにしても多分ここにいたんじゃ何もできない。だから―」
ここでイヴは一瞬言葉を切る。切った後、イヴは今の自分を宣言する。
「だから私はここを出る!これからの自分を探すために!そのためにここをつぶす必要があるなら全力でつぶす!」
「それが今のイヴの気持ち?」
「ちょっと違うかな。私の気持ちではあるんだけど、この気持ちに名前をつけるなら決意だと思う」
「そう……」
イヴの決意を聞きリリスの声が途切れる。イヴは黙ってリリスの答えを待つ。
そうして待つこと30秒ほど。イヴの感覚では何時間もたったように感じられた時間は終わりを迎えた。
「イヴの決意は確かに聞いたよ。そう言ってくれてとってもうれしい。だから最初にお礼を言おうと思うの。ありがとう、生きててくれて。心を殺さないでくれて」
リリスのその声は本当にうれしそうなものだった。
「……お礼を言うのは私の方だよ。今私がこうしていられるのもリリスちゃんのおかげ。本当にありがとう」
リリスの言葉に対してイヴもまたありがとうで返す。
「ふふ、こちらこそ。それでさっきイヴも言ってたけど、確かに私にはここから出るための準備がある。だから……ここから出ましょう。私と……いえ―私たちと」
なんかまた中途半端なところで…。




