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「―とまあ、こんな感じで今現在私はここにいるってわけね」
そう言ってリリスは話を締めくくった。
「それからはイヴも知っての通り、ひたすら研究名目でいろいろな実験をやったわね」
「……」
「中でもひどかったのは私の不死性を試す実験と私の体を使った兵器開発の実験かしら?」
「……」
「詳しくは省くけど、致命傷や四肢欠損すら自力で回復する上、魔物さえ死に至らしめる体だもの。そりゃ研究対象としてこれ以上面白いものはないでしょうね。それに―」
「……ねえ」
リリスの独白が急に止められた。それは初めてイヴがリリスに自分から声をかけたためであった。
「……なに?」
「……死にたくならなかったの?」
それは一度完全に心を閉ざしてしまったイヴがどうしても聞きたくなったこと。
周りの人たちが目の前でみんな死んでしまい独りぼっちになってしまった。しかしそんな現実を覆せるだけの力を持ち合わせていない自分。
「……なったわね」
リリスの過去。知り合いとはすべて引き離されて一人研究所につれてこられた。そして『不死性を試す実験』と『兵器開発の実験』という言葉。おそらくリリスはイヴよりももっとずっと多くの死を見続けている。それも自分が元となった実験でだ。
『一人ぼっち』『現実を覆すほどの力を持たない』という点に対して知らず知らずの内にイヴは自分とリリスを重ね合わせていた。
「……じゃあ、なんで」
いろいろと省略されてしまった言葉。それは心を閉ざすことしかできなかったイヴからそれ以外の選択をしたリリスへの問い。『死にたい』と何度も思った。しかし同時にイヴはある事実にも薄々ながら気付いている。おそらく所長が言っていた『キュウケツキ』という言葉がそれに関係するのだろう。
リリスと同じ。
多分もう……私は普通には死ねない。
ならばいったいどんな選択肢をリリスは選び取ったのか。イヴはどうしても知りたかった。
切りが悪いですが今回はこの辺で




