<41>8年前⑪
「な、何が……」
私は目の前に広がる光景に呆然としました。
視界にはさっきまで教室だったものの残骸がただただ広がるばかり。
「リ、リリスちゃん……」
呆然としている私の隣から声が聞こえてきました。声がした方を振り向くとそこにはおそらく私と同じで何が起こったのかわからないといった顔のハナちゃんがいました。
―どうやら彼女は無事だったみたいです。
ハナちゃんに声をかけられたおかげで多少周りを見る余裕ができた私は、ひとまず周りを見てみることにしました。
そこには私たち同様今何が起こったのかわからないといった感じのクラスメートたちがいました。
しかし―明らかに人数が少ない。さらに大きく周りを確認しますが、それでもやはり少ない。いなくなった人たちがどうなったかはわからない―というよりここで考えてしまうとおそらく私は動けなくなってしまうと予想される。そしてそれは間違いなく致命的なことだとわかる。―ので私はいそいで現状を把握することに努めた。
―何か、何かわかることは。
そうしていそいで思考をめぐらせる。そして思い出すのはこの惨状になる前のこと。
『キィーーーーーーーーーーイ』
そんな音を私は確かに聞いた。おそらくはあれが何かしら今の事態にかかわっているのだろう。ならばあの音は何だったのか。いや、あれは音というよりも―。
「なに……あれ」
私がいそいで考えをまとめていたところ、再びハナちゃんの声によって私は現実に引き戻された。
そうしてハナちゃんのほうを向くと、彼女は上空を見上げていた。つられて私も上空に目を向ける。そこには―。
『キィーーーーーーーーーーイ』
そんな声を上げる黒い大きな異様がそこにはいました。
おそらくこの話もあと2話くらいで終わります。もう少しだけこの暗い感じの展開にお付き合いください。




