<39>8年前⑨
「現在この村は30を超える魔物の集団に襲われています」
『―っ!?』
いったんは静かになった教室であったが、最初にもたらされた情報によりいきなりそれは破られそうになります。
しかしそれも無理のないことです。30もの魔物など先生を含めてこの教室内において見たことがあるものなど多分いないでしょう。いえ、もっと言えばこの村中探してもいないと思います。おそらく本来なら軍が討伐隊を組むことになるような事態です。
「皆さんが驚くのも無理はないと思います。正直なことを言って、先生もいまだにどうしてこんなことになっているのかわかりません」
先生がここでいったん言葉を切ります。
そしてこのちょうど言葉を切ったタイミングで教室内の一人の生徒がおずおずと手を上げました。
「はい、ジュリアさん。なんでしょう?」
「あの、先生。それで私たちは……これからどうしたらいいんですか?」
おそらくその質問は私を含めてみんなが聞きたかったことだと思う。その質問に対して先生は答えた。
「とりあえずはこの場で待機ですね」
『えっ!?』
先生の言葉に教室内のみんなは戸惑った。正直なことを言って私も避難するものだとばかり思ってました。そしてその疑問に対しても先生は答えてくれます。
「皆さんの戸惑いもわかります。なのでもう少し詳しいことを説明します。現在この村は30以上の魔物に襲われていると言いました。それに対して村の警備の人たちに加えてこの近くで訓練をしていた王国軍の正規兵の人たちが魔物たちに対処しています」
『王国軍の正規兵』という単語を聞いて教室内の空気がわずかに弛緩した。それもそのはずで軍の人たちが動いているなら私たちの安全度は飛躍的に上昇したといっても過言ではないです。なんせ彼らは文字通り国を守護するための組織です。当然その戦闘力は村の自警団や警備の人たちなんかとは文字通り次元が違うといっていいでしょう。特にその正規兵は全員が神聖術の使い手であると聞きます。
「それにすでに王都の方にも援軍要請が出されているようなので、もうじき援軍のほうも到着します。なので今私たちに下手に動かれると軍の人たちも守りづらくなるそうです。ですから皆さんは何か新しい指示が出されるまでは絶対に動かないでください」
どうやらこれで先生からの説明は終わりらしく、その後は先生を含めて全員が教室内で待機することとなりました。
外では時折戦闘音のようなものが聞こえてきます。
私たちは援軍が到着するのを今か今かと待ちました……。
この話と関係ないですけど『私とお嬢様が「はい、あーん」をするただそれだけの話』という短編を昨日投稿しました
短い話なので気軽に読めると思います
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