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「気づいてると思うけど、君の首に今黒い輪っかがついてるよね。それが今保険って言った現象の原因だよ。簡単に言うとこの拘束具をつけている間はこの拘束具をつけた側の人間に対して害をなすことができなくなるってものだね。君今力がぜんぜん入らないでしょ?つまりそういうことさ。まあこれは使い方のほんの一例だけど、これは特別性だから他にも色々とできるようになってるよ」
まるで自慢の一品を自慢するかのような調子の室長。それに対してイヴは首輪の効果の性で何をするにもつらく、ただ黙って話を聞く。
「でもこれは仕方ない措置ではあるんだよね。それなりの数がいる研究対象を完璧に管理しようと思ったらどうしてもこんな形が理想になってくるんだよね。それに私たちの研究はかなり危険……というか力をもった存在が対象なものでね。こちらの身を守る意味でもこういった特殊なものが必要になってくるんだよ」
そしてそう締めくくる室長。
「……じゃあどうして私にも……その特別製ってものを……使ってるんですか?」
かなりの労力を使ってであるがどうにか今の話からの疑問点を口にする。
「そういえばさっきから制御下に置いたままだったね。とりあえず大丈夫そうだし解除。」
後ろに控えていた女性研究員が室長がイヴの拘束を解除するのを止めようとしていたが室長はそれにかまわずイヴを解放しようとする。そして室長の「解除」の言葉とともに今まで感じていた全身の力が抜ける感覚がうその様に消える。
「室長、あまりそういう危険なことはしないでください」
「まあまあ、エレイン。これからは気をつけるってことで」
「はぁ。本当にお願いしますよ」
まったくこれから気をつけてくれなさそうな室長にため息がでる女性研究員ことエレインであった。
「それで話の続きだけど、何で君にも特別性拘束具を使ってるかだったよね。それは実に簡単なことさ。君もまた危険な力を持った存在だからだよ」
その室長の言葉にわけがわからなくないイヴ。
「そんな。何かの間違いじゃ。私にそんな力なんて―」
「それは今までの君はだろ。私が話してるのは今の君についてだよ」
「……それはどういう意味ですか?」
「もちろん言葉通りの意味さ。過去にいた君という存在と現在における君という存在はまったくの別の存在。いやまったく別の生き物ということさ。君みたいな存在のことをなんと呼ぶべきなのかは正直私にもよくわからないが……私たちは仮に『キュウケツキ』と呼んでいる」
「キュウケツキ……」
室長はこの説明に満足したのかそれ以上は語らない。なのでイヴは質問を続ける。
「ではそのキュウケツキとはどういうものですか?」
自分がキュウケツキとか言う訳のわからないものだと言うのはこの際置いておくとして、それがどういったものなのか聞いてみた。しかし、この質問に関しての答えは得られず
「それを今まさに知ろうとしてるところなんだよね……」
と言った回答しか得られなかった。
そのせいで結局色々とわけがわからないままなイヴであった。
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やっと「吸血鬼」って単語が出てきた…




