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私が永遠を生きるその前の話  作者: Towa
1章 そして私は永遠を手にする
18/102

<18>

研究所内とある会話その2です

 研究所内とある機密フロアにて。


「それで準備のほうはどうなってる?」


 暗い室内。そこに少女が一人。その少女を一言で表すなら真っ白な少女とあらわすべきであろう。少女の髪は雪のように白い。それはまるで余計なものを加えてはならないと色のほうが遠慮しているようであり、少女が絶対不可侵の存在であることを示すかのごとく。そんな少女の中で唯一白でないのがその瞳である。その瞳は赤というより真紅と表現されるべきであろう。その真紅の瞳が暗闇の中でも妖しく光る。


「滞りなく進んでいる。予定通りあと数日もあれば終わるだろう」


 答えるのは男の声。

 しかしここには少女の姿しかなく男の姿などどこにもない。そもそもの話、このフロアはたった一人の少女のために造られたものである。そのため通常ここに少女以外の存在がいることはめったにない。

 ならばこの声はどこからするのか?

 答えは少女の頭の中である。


 ……一応注意はしておくが少女が頭の中で妄想の友達と喋っているとかでは決してないので覚えておくように。


 『念話』というものがある。一般的に念話とは神聖術を用い自分と遠く離れた人の間にラインを繋ぎ、会話をすると言うものである。その際実際に声を出す必要はなく、頭の中で思うだけで会話が可能だ。少女が使っているものはこれとは若干異なるものであるが、基本的にはこれと同じものである。


「とりあえずは問題無しと言ったところね。ありがとね、カイン。ここから動けない私に代わって計画を実行段階までもって行ってくれて」


「ありがとうと言うのはまだ早いぞ。それはこの計画が成功するまでとっておけ。それにお前がいなければ計画を実行できなかったのはこちらも同じだ」


 会話からもわかる通り、この2人はとある計画の下動いている。


「それもそうね。でもそもそも私がいなければあなたたちは―」


「それを言うのはなしだ」


 少女が何かを言おうとしたがすべてを言い切る前にカインが遮る。


「確かにお前の思っている通りなのかも知れない。だがそうである前にお前自信も被害者なんだからな」


「それはそうかもしれなんだけど……」


 少女が歯切れ悪く返すのにカインは思わずため息がもれる。


「はぁ。相変わらずだなお前は。まぁ、今さら意見はそうそう変わらんか」


「何よ。まるで人がわからず屋みたいに」


「まさにそうだと言っているんだが」


 その言葉に少女は少しムッとする。

 そのまま会話が少し止まったところで少女の方がカインにおずおずと話始める。


「それでカイン。ここからが本題なんだけど……」


 そう言った少女に対して、カインの方はその言葉を予想していたかのように応じる。


「まぁ、そうだろうな。わざわざ進捗確認のためだけに念話を使うお前ではないからな。それでどうした?」


 その問に対して少女は結論以外の事を話し始める。


「今日ね、いつもの実験があったの」


「いつものとはどれのことだ?」


 そしてその質問に対して


「もちろん()の血を使ったやつだよ」


 と答える。


 そしてそれに対して


「な、まさか」


 とカインは驚愕する。


 実際少女の言う実験は日常的に行われている。そんな当たり前の事を改めて言うということは……


「うん、そのまさかだよ」


「それはホントなのか?」


「うん、間違いないよ。今回の実験では生存者が出た」


「……」


 カインは思わず絶句してしまう。


「そこでお願いがあるんだ」


 そうここからが本題である。


「予想はおおよそできるがなんだ?」


「計画だけど、ちょっと待ってほしい」


「だろうな」


 カインからしても予想通りであった。


「この計画の性質状、誰1人として切り捨てられない。それも私の血の生存者ならなおさらね」


「そうだな」


「だから少なくとも彼女が動けるようになるまで待ってほしい」


「それは一向に構わないが、もしかして時間がかかりそうなのか?」


「多分ね。彼女、自分の目の前で知り合いが全員殺されてるから」


「なるほど」


 そんな状況でその少女というのがどういうことになるのかはカインは容易に想像できた。


「いつになるかはわからないけど準備ができしだい連絡するわ」


「……わかった」


 そうして今夜の話すべきことは終わる。


「またね、カイン」


「あぁ、またリリス」


 そうしてその言葉を最後に念話も終わる。 






「必ず助けるから」


 暗い部屋に少女が1人。


「そして全部終わらせる」


 そんなリリスの決意は誰にも聞かれる事がなかった。

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