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私が永遠を生きるその前の話  作者: Towa
2章 予兆
102/102

<2-13>

注意

今回ちょっとえっちぃ表現が含まれています。百合っぽいような気も……する。要注意です。

 視界が赤に染まる。


 血を吸う直前はいつもこうだ。


「んっ……」


 イヴの唇がリリスの首筋に触れる。その瞬間思わずといった感じにリリスの口から声が漏れる。

 温かく少し湿ったその感触はリリスにこそばゆいけれど気持ちいい、そんな快感を与えた。


 しかし当然行為はそれで終わりではない。むしろこれからが本番であると言える。


 首筋に湿った吐息がかかる。イヴがその桜色の唇が開いた証拠だ。


「‐っ」


 続いて感じるのはわずかばかりの痛み。

 イヴの小さな歯がリリスの真っ白な肌に傷を与える。そして同時に流れ出てくる真っ赤な鮮血。


 ‐はぁぁ、とってもあまくてなんだかふわふわするぅ。


流れ出る血液はとても甘くその感覚はまさに天にも昇るよう。


 ‐もっと……もっと。


 一滴口に入れたが最後、どんどん次を求める欲求が高まっていく。それはまるで麻薬のようだ。

 常人ならば致死となるその禁断の味は、イヴを快楽の海へと沈めていく。


「―――っ!」


 しかしこの場において快楽のとりことなっているのはイヴだけではない。リリスもまたイヴとは違った快楽を感じている。


「ん……んぁ……ぁぁ」


 リリスは必死に漏れ出そうになる嬌声を抑えようとする。しかしどれだけ頑張っても声は出てきてしまう。自分の声の甘さが羞恥をかき立て、血を抜かれているにもかかわらず体が熱くなっていくのがわかる。


 血液という自分の体の内側を乱されていく感覚。それと同時に流れ出た血液と触れた口から分泌される唾液が混ざり合う感覚。

 イヴとリリス。二人の体液が合わさり一つになる。その一体感はこのまま体ごと溶けて合わさりそして一つになる、そんな錯覚さえ与えた。


「……」


「ぁ……はぁっ……」


 部屋の中にはリリスのあげる嬌声のみが響く。

 まるで世界に二人だけ、そんな幻想さえ感じられる。


 しかしこの時間も永遠には続かない。終わりは来る。

 だが今回の終わりに関してだけは本当に唐突に訪れた。




 コンコン。


 響くノック音。


「お客様、今お時間はよろしいでしょうか?」


 続く扉の外からの声。


 それに対し部屋の中の二人はといえば。


「「うひゃぁぁぁーーー」」


 突然の闖入者|(というか声)に驚き、慌て、ベッドからずり落ちていた。


「お客様、どうかなされましたか?」


 扉の外からは突然部屋の中から生じた騒音と悲鳴に、何事かと安否を尋ねる声。


「……」


「……」


「……」


「……えぇっと、とりあえず対応してくる」


「はい……お願いします……」


 しばし呆然としていた二人であったが、やがてリリスが対応のために立ち上がる。それに対してイヴは顔をうつ向かせながら肯定を示す。

 正直なところ居留守を使いたいところではあったが、先ほどの騒音と悲鳴のせいで部屋に人がいることはばれている。ならばさすがに対応をしないのは無理だろうという判断である。

 リリスは立ち上がった後、まず倒れたせいで生じた着衣の乱れをただす。そして首筋の血をぬぐうと同時に自身の魔力を、血を吸った際に生じた傷口付近に集中させる。すると次の瞬間には傷はふさがり、最初からそこに傷などなかったかのような真っ白な肌となる。かつては無意識か何となくでしか使えていなかったけがの修復も、現在では任意かつ瞬時に行える。


「よし、これで大丈夫かな」


 最低限の準備が整うとリリスは部屋の扉に向かって歩き出した。


「はいはーい、ちょっと待っててくださーい」


 扉の前につくと一応ドアスコープから外の人を確認する。外にいるのがどういう人間かすでに分かっているのだが念には念を入れる。ちなみその際、残念ながらリリスでは身長が足りないためあらかじめ用意しておいた踏み台を使って確認をしたことを付け加えておく。

 ドアスコープから確認した人は、思っていたとおり宿の従業員であった。


「今開けますね」


 確認が終わると、リリスはガチャっというカギの開閉音に続いて扉を開けた。

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