<2-11>
『前菜』
キャビアとウニのゼリー寄せ。
エビと香味野菜のジュレ
……。
「……リリスちゃん、私文字は読めてるはずなのにこんなに意味が分からないって経験初めてです」
「あはは……まあ、仕方ないんじゃない?」
メニュー表を開いたイヴとリリスであったがいきなり問題が発生した。メニュー表に書かれている内容のほとんどに関して、それがいったいどういうものなのか分からなかったのである。
「なんでここのメニューはいちいちこんなめんどくさい名前をつけてるんでしょうか?」
「……見栄え……かなぁ?」
イヴの疑問というかやつあたり的な問いに自信なさげにリリスは答える。
ちなみにメニューは主菜あたりになってくると『30種類の具材を煮込んだスープに……以下略』みたいなものが大半を占めてくる。イヴとしては「意味わかんないし結局何が言いたいのか訳が分からなくなるからもっと簡潔にしてよ!」と叫びたくて仕方が無い。
「私世の中には見た目よりも大事なものってあると思うの」
「えぇっと、そうだね?」
「そうなの!例えば機能性とか簡潔さとかわかりやすさとか!」
「うん、要するにもっとわかりやすくメニューを書けってことだね?」
「それもあるけど!私は世の中にある色んなことに言いたいの!上辺だけの権力なんてすぐに崩れちゃうんだよ!」
「なんでこの子はたかが料理の名称ごときこんな大層なことを考え出してるんだろう?おーい、イヴ。そろそろ帰ってきて」
どういうわけか施行が色々とあさって方向に走り出し始めたイヴ。たかが料理の名称ごときでどうなってるんだと関心1あきれ9くらいでイヴのことを聞いていたリリスであったが、長引くのも面倒なので早々にストップをかける。
「でもでもリリスちゃん!」
「はいはい、言いたいことはあるでしょうけどストップよイヴ。これ以上食べるのが遅くなるなんて私は嫌よ」
「うー、はーい」
「よろしい」
ではあらためてと再度リリスはメニュー表に視線を向ける。
「そうね……もう面倒だしこのコースっていうセットにすれば良いんじゃないかしら?」
「あ、そんなのあるんですね」
リリスの言葉を受けてイヴもメニュー表を見てみる。
「これなら前菜に主菜にデザートも付いてるし、ハズレってことはそうそう無いでしょ」
「そうですね……うん、それがいいかもですね」
リリスの提案に対して数秒の思案をした後、イヴも同意を示す。
イヴの答えを聞き、リリスは一つうなずくと、今度はメニュー表の主菜の部分をさしながら口を開く。
「それからお肉料理とお魚料理で選べるみたいだけど、イヴはどっちにする?」
「お肉の方にします」
イヴの返答を聞き、リリスは「そう」と一言つぶやいた後自分の方の希望も言う。
「じゃあ私はお魚の方にしようかしら」
しかしリリスの言い回しに「あれ?」と疑問を感じるイヴ。
「別に無理に分ける必要は無いのでは?」
なので素直に疑問を口にしてみることにした。
「別に無理に分けてるわけじゃないわよ。単純にどっちも食べたいなって思っただけだから」
「あぁ、なるほどです。別にかまいませんよ」
要するに「そっちのおかずも一口ちょうだい」というやつである。
「ありがとねイヴ」
「いえいえ」
「料理が来たら私の方のもあげるわね。『あーん』とかする?」
「ありがとうございます。それと『あーん』はこの場でやるのは恥ずかしいので遠慮します」
「えー、よりましょうよ。イヴの恥ずかしがってる顔とか見たいし」
「……その発言を聞いた後で私が同意すると思ってるんですか?」
『あーん』という発言あたりからにやにやしていたリリスをイヴはジト目でもって迎撃する。
「あはは、冗談よ冗談。まあやってくれたらちょっとうれしいなくらいには思ってるけど。だからそんなにジトーっとした目で見ないで」
「やりませんからね」
「はいはい。あ、店員さーん」
イヴのジト目も華麗にスルーして、リリスは注文をするため店員を呼び止めた。
その後、イヴたちは注文した料理を食べ、お風呂に入った後部屋に戻ってもう一度寝ることにした。
ちなみにあまり多くのことは言えないが注文した料理はとても美味しかったとだけ言っておく。それから「口の中で食材が溶けるって初めての経験です」と二人が思わず口にしてしまったことだけは追記しておく。
「いったい自分は何を書いてるんだ」と思いながら書いた話だったりします。なんか色々迷走してる気がする。




