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しのびよるきんにく3

やれやれ。

なんでこんなことになっちまったんだろうね。




ため息しかでない。





事の発端は草の部族だ。


アタイら洞穴の部族から4日ほど走った草原に住む奴ら。


そこの族長が助けを求めてきた。




アタイらの巣穴からは色んな石が取れるから周辺の部族とはたまに交易をして暮らしてきた。


硬い石、研げばするどい切れ味になる石、あとは単純に綺麗な石もある。


アタイらは皆生まれつき体がでかくて力が強い。


その分腹がすぐ減るし大量に餌がいる。


肉はどれだけあっても足りなかったから、肉を持ってくれば望む石と交換してやってた。


そんな折、草の族長は大量の肉を編みかごいっぱいにやって来た。


草の族長が言うには小賢しい小娘にはめられて族長の地位を落とされてしまったと、小娘は怪しげな術で族人を操って思いのままにしているそうだ。


このままだとこの洞穴の部族に攻めてくるから、やられる前にやるべきだとさ。


そんな妄想につきあっちゃられないが、肉は欲しい。


さてどうしたもんかと、思っていたところ若い戦士たちが興味をもちだした。


若いメスがいるのか?


好きにしていいのか?と。


アタイは何も言わず若い戦士たちの顔面に拳を叩き込んだ。


若い戦士たちは壁まで吹っ飛び、うずくまったまま怯えた目でアタイをみてる。



オスが力づくでメスをモノにしようなんざ、反吐がでる。



肉は欲しいけどやっぱ他所の揉め事に首を突っ込むのは良くないねぇ。


アタイは草の族長に力にはなれんから帰れと伝えた。


話はそれで終わった。はずだった。


翌朝、若い戦士たちが居なくなった。


あいつらは普段からアタイのやり方に不満をもってた。


昨日の件でついに爆発しちまったか。


きっとあの後、草の族長にそそのかされて草の部族にいっちまったんだろう。


あいつらが居なくなってもアタイたちは困らねぇが、あんなんでも洞穴の部族だ。


草の連中なんざ皆殺しになっちまうかもしれねぇ、あいつらバカだから女子供にも容赦はねぇだろう。


ため息がでる。


アタイは頭をガリガリ掻きむしった。


やれやれ、そいつは良くないねぇ。


反吐がでる。


身内が不始末起こす前に火消しといくか。


アタイは愛用の槍をもって草の部族の集落に向かって走り出した。






草の集落まであと少しって所で聞いた事のない鳴き声が聞こえた。


どんな生き物の鳴き声か興味がわいて様子見にいった。


いた。アイツらだ。


アイツらは草のメス3匹を取り囲み汚ねえ顔して笑ってやがる。


囲まれてるメスの1匹は後ろの2匹を守ろうと懸命にナイフを振り回してる。


圧倒的なガタイの差、人数の差、顔見りゃビビってんの丸わかりだし、あんなへっぴり腰じゃ狩りに出たこともねぇんだろうな。


だがあのメスは貧弱なくせに後ろの2匹を守ろうとして必死になって戦おうとしてる。


イイねえ。


だいぶアタイ好みだ。


おっと見すぎたな。


これ以上は危ねぇか。



アタイは飛び出し愛用の槍を振り回した。



一振事に首が飛ぶ。




そしてバカどもは全員うごかなくなった。





身内を殺るのはやっぱり気分がわりぃな。


だがコイツらは族長であるアタイの指示に逆らった。


なぁなぁで許しちまうと舐められちまう。


族長が舐められてちゃ群れはまとまらねぇ。


まとまらねぇ群れは滅ぶ。


なら気分はわりぃが殺るしかねぇ。



はぁ、ため息しかでねえ。



元凶の族長は一緒にいねぇみたいだし。


とんだ骨折り損だったな、とっとと帰るか。



そんなアタイの元に貧弱なメスが近寄ってくる。


怯えた顔して全身震えてやがる。


両手を上げて敵意がねえことを示そうとしてんのか?


頭をペコペコ下げながらさっき聞いたような複雑な鳴き声でなんか言ってやがる。


感謝してんのか?そういや草の族長が言ってたな。

発声だけで意志を伝えあってるとかなんとか。


眉唾だと思っていたけど、本当なのかね。



アタイにゃ伝わってねえことが分かったのか貧弱なメスは困惑気味だ。


アタイにできることは頭を掻きむしるだけ、なんだこれ、かえるか。


アタイが踵を返そうとした時。


やたら装備のいい連中が駆けつけてきた。


アタイを取り囲もうとする連中の動きはあのバカどもじゃ勝てそうにない程の確かな練度を感じる。


こりゃまずいか?




そして咆哮が聞こえた。


光り輝く槍を手にした見たことが無い洞穴の部族の男。


まっすぐにアタイにつっこんでくる!


速い!


殺られる!


両手を広げアタイの前に貧弱なメスが飛び出した!?


なにしてんだ!殺されるぞ!!?


だがそうはならなかった。


男はメスの直前で急停止して槍を下ろした。


貧弱なメスが大きい鳴き声を上げると連中は皆武器をおろしアタイに頭をさげた。


なんなんだいこりゃ、いったいどうなってんだろうね。
















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