ほのおときんにくのさいてん
翌朝。
ヒマワリが窯のほうへ向かってる。
あたしは今日の日本語教室を勝手におやすみにしてヒマワリのあとを追いかけた。
窯の中はもう冷えてるみたいでヒマワリは窯のなかに潜り込んでいった。
最初に取り出されたのはレンガだった。
そのあともどんどんレンガがでてくる。
コネコネ粘土は全部レンガだったんじゃないかってくらいレンガしかでてない。
えぇー。
陶芸の話したんだからここは湯飲みかお茶碗が出てくるとこじゃない?
おばちゃんたちにドヤってたらめちゃくちゃ恥ずかしいやつじゃん。
あたしはそんなこと考えながら座って見てるだけ。
よくよく見たら全部レンガじゃなくて同じサイズの箱っぽいものもたくさんでてきた。
窯からだしおわったのか、レンガに粘土をぬりながら組み立てはじめるヒマワリ。
粘土をぬったレンガを並べて、その上にレンガを重ねて⋯⋯積み木みたい。
なにつくろうとしてるんだろ?って眺めてたら、レンガ製の窯ができあがった。
窯の横に窯⋯。
レンガ窯をつくりあげたヒマワリは土窯のなかから色とりどりの石とか岩とか炭を取り出しはじめた。
炭なんていれてたっけ?
焼かれた石たちはちょっと溶けてたり、割れたりしてる。綺麗な石がなくなってるから色もかわってるのかな?
ヒマワリは川辺に落ちていた大きめの石を両手で抱えてはこんできた。
よちよち歩きだ、かわいい。
ヒマワリはもってきた大きい川石を色とりどりの石の一つに思いっきり叩きつけた。
鈍い音が響く。
叩きつけられた石はバラバラだ。
その後全部の石に川石をたたきつけヒマワリは満足げだ。
女児の力で半分くらいの石が砕かれている。
あたしがぼうぜんとしている間にヒマワリは砕けなかった石をレンガ窯に並べてた。
砕けた石はどうするんだろ?っておもってたら、そのへんにおちてた片手サイズの川石で粉々になるまでぶっ叩いている。
とりだした炭も半分くらいは同じように粉々にしていた。
うん、ちっちゃいゴリラかな?
しかもめちゃくちゃ笑ってる。
ようじょこわい。
次はレンガと一緒に取り出してた箱。
ヒマワリは粉々の石を混ぜたり、混ぜなかったりして、最後に粉々の炭をのせて粘土でフタをしてレンガ窯の中に並べていく。
結局お茶碗も湯呑みも、歪なフリスビーも出てこなかった。ごめんねソウヤくん。
レンガ窯の入り口は木くずと薪がびっしりと積み上がっていて、窯の中には余りの炭がしきつめられてる。
ヒマワリはレンガ窯に火をつけ、ムロフシを呼び出した。
やっぱりあの筋肉は苦手だ。
何をきっかけに処されるかわからない、そんなオーラをかもしだしている。
ヒマワリはどこから取り出したのか木の枝と蔓と葉っぱで作られたうちわ?をムロフシに手渡した。
直後ムロフシの強靭な筋肉が膨張し、振り回されるうちわから暴風が巻き起こされた!
ものすごい風だ。
なんならいまヒマワリが少し浮いてた気がする。
ムロフシ暴風によりレンガ窯のなかは大火事だ。
見たことのない燃え方をしている。
レンガ窯も風圧だけで揺れてる気がする。
今にも空を飛びそうだ。
やっぱりあの筋肉は危険だ。
軽く触られただけでもあたしの貧弱な体は砕かれてしまうにちがいない。
ムロフシの足元にすわりこんで窯のなかに定期的に薪と炭を投げ込むヒマワリ。
尋常じゃない炎と暴風の筋肉カーニバルwith女児だ。
夕方まであおぎ続けていたムロフシ、さすがに疲れたのか暴風から強風ほどになってる。
ずっと窯の中をみてたヒマワリがまだ燃えてるのにレンガ窯を泥と粘土でふさぎはじめた、ムロフシも手伝ってあっというまにふさぎきった。
ほんきでなにしてんの?
あたしの話をきいて、なぜこうなったんだろ。
陶芸教室はどこにいったの、教えてソウヤくん。
そんなあたしを置いてヒマワリとムロフシは帰っていった。
ちょっとちょっと見学者を置いて帰るのはひどいんじゃない、説明してよ!
何も教えてくれないけど、帰り道のヒマワリが満足そうだったからまぁいいか。
日本語教室をおやすみしたのに結局なにもわからずじまいの1日だった。




