こだいじんたちのにちじょう。
ざんこくなびょうしゃがあります。
紀元前10万年頃、ユーラシア大陸中央部では様々な旧人、原人、類人猿が鎬を削っていた。
人同士で争い、巨大生物と争い、人の歴史上最も過酷な生存競争を強いられていた。
とある集落。
成人した戦士はマンモスと単身で力比べをするしきたりがあった。
マンモスに勝てたものは誰もいない。
にも関わらず、今日までバカ正直にマンモスに跳ね飛ばされ、瀕死、ないし即死。
部族の人口をいたずらに減らしている典型的な古代人たちだった。
そもそも成人すら理解できておらず、皆ノリと勢いだけで今を生きていた。
その部族に未曾有の天才が現れた、彼女の名はヒマワリ。
年の頃は10歳前後、黒髪黒目、典型的なモンゴリアン系統の古代人だ。
彼女は気づいてしまった、マンモスに挑んだところで怪我をするか、死んでしまう。
ならば普通に狩りを行うほうが良いのではないか?と。
気づいてからは早かった。
族長のところに赴き、ウガウガがうがうと拙い言語とジェスチャーで精一杯の解説を行った。
彼女は天才だった、だから知らなかったのだ。
バカには何を言っても伝わらないことを。
族長は激怒した。
生まれて数年の小娘が先祖代々行ってきた神聖な儀式に否をつきつけ、あまつさえ、無駄死にだと宣わったのだ。
実際にはガウガウ言っていただけである。
族長は即座に決意した、この小娘は族長である自分に噛みついてきたのだ!つまり成人した戦士だ!
ならばしきたりを行わなければならない!
そこまで考える知性があるとは思えないので本当はめんどくさくなって始末しようとしただけかもしれない。
急遽、天才女児ヒマワリはマンモスと力比べをすることになってしまった。
集落の脳筋たちは大喜びだ。
ヒマワリが勝つと信じているのだ。
実際は何も考えておらず、ただ騒いでいただけかもしれない。
これには如何な天才女児といえど頭を抱えた。
脳みそまで筋肉で構成されている男たちが屈強なる肉体をもってして、跳ね飛ばされるのだ。
当たり前のように体格差が違う。
暴走する大型トラックをミスターオリンピアが止めれないように、マンモスを人が止めることなど不可能なのだ。
ましてやヒマワリはアインシュタインと同等の知能をもっているだけの小娘である。
轢き潰されて終わりになるのは目に見えている。
道具もない、腕力もない、自然は残酷だ。
ヒマワリは轢き潰されて死んでしまった。




