月曜日の夕方、会計士先生とのコンカフェ同伴が始まる(笑)
帰り道、博子はスマホを片手に、さっきまでいたカフェの話をそのままYouTubeに上げた。
編集らしい編集はしない。感じたことを、そのまま喋るだけ。
「今日は月曜日の下見で、梅田のコンカフェに行ってきました。正直、
修行にはちょうどいいと思います」そんな一言から始めて、料金感、雰囲気、
女の子の距離感。派手さはないけど、続けやすい場所だということを淡々と話す。
一本撮り終わって確認すると、登録者は300人手前。じわじわ、でも確実に増えている。
「まあ、また積み上げやな」そう呟いて、その日は早めに切り上げた。
月曜日。朝と昼は何も入れず、ゆっくり過ごす。睡眠をとって、軽くストレッチして、
身体を整える。今日は“実践”。夕方から、アラサーの会計士先生との約束がある。
待ち合わせは泉の広場。昔は「とりあえずここ」みたいな雑多な待ち合わせ場所だったけど、
今はずいぶん綺麗になっている。「ここで合ってますよね?」少し不安そうに聞かれて、
ヒロコは笑う。「大丈夫です。ちゃんと下見してますから」そう言って、
東通りの端にある店へ向かう。雑踏の中にある入り口を見て、先生は少し眉をひそめた。
「……ほんまにここ大丈夫ですか、博子さん」
「だから言ったじゃないですか。ちゃんと見てきてますって」
中に入ると、昨日話したリーダーが気づいてくれた。
「初めてセットでいきますね。オムライス、ドリンク、女の子のドリンク、
チェキ付きで2,800円です」その説明を聞いた瞬間、先生が目を丸くする。
「……安っ」「でしょ?修行にはちょうどいいんですよ」
博子は自分の分は飲み放題をつけて、横に座る。「なんか、スナックっぽさもありますね」
「ありますあります。でも、それがいいんですよ。毎日来てるおじいちゃんとかもいますし」
「なるほど……コンカフェとスナックの2面性あるね」そんな話をしながら、
空気が少しずつ緩んでいく。博子はメニューを見て、ふと思い出したように言った。
「私もちょっとお腹すいてるんで、たこ焼き頼ってもいいですか?」「全然いいですよ」
「カリトロ、ポン酢と塩、マヨネーズ、ネギありありでお願いします」
注文が通ると、先生が笑う。「細かい指定やな」「ここは重要なんです」
運ばれてきたたこ焼きを見て、「900円なんですね」と先生が言うと、ヒロコはすかさず
付け足す。「6こずつ。ちゃんと値段言いましたからね。これぐらいなら全然大丈夫でしょ」
「それぐらい、全然頼んでください」その一言で、場の空気が完全に落ち着いた。
高くもない。無理もない。でも、ちゃんと“一緒に時間を過ごしている感”がある。
博子は横で思う。――これ、ほんまに修行にはちょうどええな。
派手じゃないけど、逃げ場がない。会話で勝負する場所。月曜日の夕方。
雑踏の中の小さな店で、静かに“積み上げ”が始まっていた。




