税理士先生帰宅後のフロア。焦らず色々対応して一日が終わる。
月曜日。静かな始まりやった。週の頭ということもあって、店全体の
空気が少し重たい。金土の余韻も抜けきらず、誰もがエンジンをかけ直している感じ。
こういう日は、無理に動くとズレる。そういうのが、最近わかるようになってきた。
そんな中、不動産会社の社長からLINEが入る。「今日行くから、デートしてよ」
前の博子なら、たぶん行ってた。少し無理してでも時間を作って、同伴にして、
流れを作ってたと思う。でも今は違う。丁寧に積み上げてきたお客さんがいて、
出勤日数も増えて、正直、余裕がない。体力も、気持ちも。ここで無理したら、
全部が雑になる気がした。だから、少し言葉を選んで返した。
「ありがとうございます。でも今ちょっと出勤も増えてて、余裕なくて…。
またゆっくりできる日にお願いしますね」はっきり断らない。でも、行かない。
この距離感を保てた自分に、少しだけ安心した。
店に入って、フリーを待つ。最初についたのは、仕事帰りの淀屋橋のサラリーマン。
名刺を出しながら、経歴の話を始める。どこの部署で、どんな案件をやって、
昔はどれだけ忙しかったか。悪い人じゃない。でも、話が一方通行で、
ドリンクも出ない。こちらが場を回す余白もない。少し話を聞いて、頃合いを見てチェンジ。
深入りしない。今日はそれでいい。次についたのは、東京からの出張族のサラリーマン。
空気が違った。最初から無理に盛り上げようとしないし、こちらの話もちゃんと聞く。
仕事の話も、愚痴というより整理に近い感じ。自然にドリンクをいただいて、1セットが終わる。
帰り際、名刺を差し出される。「役員の接待とかあったら、またよろしくね」
大きな約束はしない。でも、連絡先だけは交換する。
こういう縁は、今すぐじゃなくても、あとから効いてくることがある。
フロアを見渡す。ソウメイが空いてる卓もある。賑やかな声も聞こえる。
でも今日は、そっちじゃない。無理に混ざらなくていい。今日は“静かな月曜日”でいい。
改めて思う。今の自分は、数を取りにいくフェーズじゃない。
シャンパンを煽らせる役でもない。ちゃんと話を聞いて、ちゃんと線を引いて、
また来てもらえる場所でいること。派手な成果はなかった。
でも、無駄な消耗もなかった。断るべきところで断れて、拾うべき縁だけ拾えた。
こういう夜が続いてもいい。そう思えるようになったのが、一番の変化かもしれない。
静かな月曜日は、静かなまま終わった。でも、悪くない夜やった。




