京都駅で解散。男性陣は直近のセンチュリーホテルでこの座組の要素整理ができたので熱が冷めないうちに博子に送る
京都駅でお別れの時間となり、また来るわ、という形で男性陣三人は言って、
博子達三人でお見送りする。
改札の手前で、ほんまに今回も良かったわ、とか、次は紅葉やな、とか、
そんなことを言いながら、手を振って別れる。
博子たちも、お疲れさまでしたーという感じで笑って見送るわけやけれども、
社長たちの方はもうその時点で、次のことを考え始めてるような顔をしている。
それぐらいには、今回の京都コースが綺麗にハマったという手応えがあった。
帰りの新幹線の中で。三人並んで座って、コーヒーを飲みながら、
今日の話をだらだらする。
メイン社長が、まずぽつりと言う。
「今日は山崎やなかったな。」
すると、隣の社長がすぐに返す。
「でも、別になくても今日の感じ良くない?」
「良かった。」
「なんか、静かやったけど、めちゃめちゃ整ったわ。」
「それやな。」
そう、山崎のウイスキー工場みたいな“わかりやすいイベント感”はなかった。
でもその代わりに、朝のブリアンから植物園、まつくめ、センチュリーホテルまで、
全部がじわっと良かった。刺激がありつつ、疲れない。
その感じが、三人ともかなり気に入っていた。
「やっぱ、センチュリーホテルで何が良かったかっていう論点出しができたの、でかかったよな。」
「うん。」
「だからもう、お手当ての話、早めに済ましとこうぜ。」
そういうことになって、メイン社長がスマホを取り出して、メモアプリに要素を
箇条書きで書き始めるのだった。
で、他の二人も横から口を挟む。
「まず、下田に行ったことで、アルカちゃんだけプラス5にしよう。」
「それはええやろ。」
「うん、あれ結構効いたもんな。」
「で、グランピング良かったね、で全員5。」
「店での感じも良かったでプラス5。」
「朝の行きしな、あれも良かったでプラス5。」
「ブリアン良かったで5。」
「植物園良かったで5。」
「まつくめ良かったで5。」
「センチュリーが良かったで5。」
そこまで書いて、メイン社長が少し笑う。
「結構あるな。」
「でも、どれもちゃんと良かったやん。」
「そうそう。」
「で、最終的に博子ちゃんの座組みが良かった、でプラス10。」
「それはいるな。」
「いる。」
そんなふうに、ひとつひとつの要素を確認しながら書いていく。
別に細かく査定したいわけやない。
でも、何に対して満足したのかをちゃんと言語化して、その上でお手当てを出したい。
そういう遊び方になってきてるのが、この三人らしいなという感じやった。
「で、これで合計いくらやろう。」
「まあまあ、でも要素的にはこんなもんかな。」
「うん。」
そこで、話が少し仕事寄りの方に戻る。
博子が差し込んできた“社食補助”の話とか、“奨学金肩代わりの詳細見積もり”の話である。
「で、あとついでにさ。」
メイン社長が言う。
「博子ちゃんの、社食に関するところの情報と、これからの詳細見積もりとかを俺頼むから。」
「うん。」
「それは俺、15ぐらい払うわ。」
「おお。」
「まあ、でもそのぐらいの価値あるやろ。」
「あるある。」
別の社長もそこに乗る。
「俺もそういう意味では、奨学金肩代わりの話の詳細見積もり欲しいから。」
「うん。」
「どうやろうな。まだ出してもらってないから、とりあえず前金で5で、あとで
やってもらっての5にしとこうかな。」
「それでええんちゃう。」
もう一人の社長も頷く。
「俺もそんな感じやな。」
「じゃあ、まるっとまとめて、一回ちょっと投げてみてや。」
そういう流れになる。
要は、今日の遊び分のお手当てと、今後の資料・提案分の前金みたいなものを、ひとまず一本にして
博子に送ろうという話や。
その方が、向こうも何に対していくらか、わかりやすいやろうし、
こっちも今の熱量のまま渡せる。
新幹線がちょうど米原ぐらいを過ぎたあたりで、車内の空気も少し落ち着いてくる。
窓の外はだんだん見慣れた景色に戻っていくけども、三人の中ではまだ京都の余韻がだいぶ残っている。
で、そのタイミングで、メイン社長が「ほな送るわ」と言って、博子宛てに一本メールを
打ち始めるのであった。
文面は、わりと率直である。
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博子ちゃん
今日もお疲れさまでした。
今回もかなり満足度が高かったです。
ざっくり整理すると、
・下田の球が効いてたのでアルカちゃんにプラス
・グランピングのビアガーデンが全体的に良かった
・店内の流れも良かった
・朝の入りからブリアンまでの流れが良かった
・植物園が思った以上に良かった
・まつくめがかなり良かった
・センチュリーでの締めも良かった
・全体としてヒロコちゃんの座組みの組み方が良かった
という感じです。
詳細はまた別途やけど、ひとまずこの満足感に対してのお手当てと、今後お願いしたい資料の前金も含めて、まとめて一回投げます。
あと、社食補助の件は結構本気で興味あります。
奨学金肩代わりの詳細見積もりは他の社長二人も欲しいみたいです。
社内で少しずつ話を回したいので、また相談させてください。
今日の感じで、また普通に来る理由が増えました。
明日からまた仕事やけど、だいぶ整いました。
ありがとう。
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そんな文面を、三人で「あーちゃうな」「ここはこうやな」と少しずつ直しながら仕上げていく。
遊びのあとに、こうやって感想と次の依頼が一緒に飛ぶ。
その感じが、もうこの三人の“大阪の遊び方”として定着してきてるのだった。




