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木曜日。土曜日の東京メイン社長の球を返す。金曜日。会計士先生との同伴。ホットトピックないですか?

木曜日、完全オフ。博子は昼までごろごろして、もう今日は一回ちゃんと何もせんとこうかな、

というところや。とはいえ、何もせんとこうと思ってても、頭の中はちょこちょこ動いてしまう。

特に今週末は東京の社長たちの座組があるし、その辺の段取りだけは投げておかんと気持ち悪いな、

という感じがあったので、昼から夕方にかけて、東京メイン社長の方にメールを送ることにした。

同伴の内容としては、まず第一希望。

ビアガーデン。

しかも、よくある安いビアガーデンじゃなくて、ちょっと高級めのところを押さえて、

みんなで行きませんかという提案。

今年、もしまだビアガーデン行ってないなら、一回やりましょう。

季節ものやから、これは今のうちに入れといた方がええと思って、最優先で出す。

もちろん、そっちが良ければという話ではあるが、やっぱり夏の終わりにビアガーデンを

一回入れるっていうのは、絵としても綺麗やし、全員でまとめて空気を作るにはちょうどええかなと

思ったんですよね、というような感じで送る。

で、第二希望。

新大阪近くの小料理屋。

ここは三対三で、隠れ家でゆっくりご飯を食べるという形。

言い方としてはちょっとふわっとしてるけど、要はちゃんとした一品とか魚とかが出てきて、

静かに喋れて、なおかつ全員を無理なく一か所で受けられるところ。

最近はそれぞれが店を考えて動くのもしんどくなってきたから、一回こういうふうに

“まとめて受ける”回があってもいいかな、という話に誘導する。

そんな感じで、木曜日はそのメールを送って、あとはだらだらしながら終わった。

動いたといえばそれぐらい。でも、それだけでも一個宿題を返した感じがあったから、

博子的にはちょっと気が楽になったかな、というところやった。

で、金曜日。

こちらも昼までごろごろして、ゆっくりして、そこから会計士先生との同伴や。

今日はしっぽりいきたいなと思っていたので、天ぷらの美味しい店を予約して、

そこに会計士先生とお会いするという流れにした。

待ち合わせして、店に入って、軽く飲み物頼んで、一品目が来るか来ないかぐらいのところで、

会計士先生がいつものようにちょっと笑いながら言う。

「まあ、僕は仕事と博子さんと会うことぐらいしかないですからね。」

博子も、その言い方に少し笑う。

「またそんなこと言って。」

「いや、ほんまですよ。」

「それはそれで、だいぶ偏ってますけどね。」

「偏ってるから来てるんじゃないですか。」

そんな感じで、もう何回もやってるやり取りみたいな軽口から入る。

こういう入り方ができるのが、会計士先生との同伴のやりやすいところやなと博子も思っている。

で、博子がちょっと改まって言う。

「じゃあ何から話しますか。」

「そうですね。」

会計士先生も、そこはすぐに乗ってくる。

「ホットトピック、欲しいですね。」

博子は、そこで少し考えてから言う。

「でも先生、先週は土曜日に来てくれはったから、土曜からの動きで言うと。」

「うん。」

「私の弁護士先生とご飯行った後に、朝のアフターっていうことで、

新福島にご飯食べに行ったっていうのと。」

「ほう。」

「おじいちゃんとコンカフェに行きまして。」

会計士先生が、そこで思わず吹き出す。

「めちゃめちゃ面白いじゃないですか。」

「でしょ。」

「コンカフェでひとしきり楽しんだっていう話ぐらいですかね。」

「いやいや、それだけで十分ホットですよ。」

会計士先生は、かなり嬉しそうな顔をする。

博子としては、正直そこまで大きい話と思ってなかったんやけど、

この人はやっぱり“続き”を聞くのが好きなんやな、というのがよくわかる。

「てか、朝のアフターとかもいいですよね。」

先生がそう言うと、博子も頷く。

「いいんですよ。」

「なんか夜の延長線じゃなくて、別の贅沢って感じがしますし。」

「そうなんです。」

「それ、会計士先生にもしたいんですけども。」

博子は、そこで少し申し訳なさそうに言う。

「ちょっとまあ、金曜日にいつも入ってもらってる関係で。」

「うん。」

「どのタイミングでっていうところの日程とかもね、合わなくてすみません。」

会計士先生は、そこはすぐに笑って受ける。

「いやいや、謝らんでくださいよ。」

「でも、ちょっと朝ごはん系は、個人のお客さんへの還元というか。」

「なるほど。」

「最近、東京の座組とか税理士先生の座組にちょっと寄ってたかなって、

自分で思ってるところもあって。」

「うん。」

「だから、そういう個人で来てくれてる人にも、ちょっと変化球を返していきたいなと

いうところなんですよね。」

会計士先生は、その話を聞いて、ああ、やっぱりちゃんと全体のバランス

見てるんやなという顔をする。

「そこまで考えてるんですね。」

「考えないと、なんか自分が気持ち悪いんですよ。」

「博子さんらしいですね。」

そんなふうに、金曜日の同伴は始まっていく。

木曜日に東京組へビアガーデンと小料理屋の提案を投げて、金曜日は会計士先生に

土曜以降の動き――弁護士先生との朝アフターと、おじいちゃんとのコンカフェ――を話しながら、

また次の流れを整えていく。そういう金曜日の入りやった。

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