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会計士先生をお見送り後、フリーの卓でアルカちゃん、さきちゃんと雑談。税理士先生の座組の評価と今後について雑談する

会計士先生を見送りして、博子がフリーの宅に戻ると、アルカちゃんとさきちゃんがいて、

「お疲れ様」という流れになった。金曜の座組の余韻がまだ残ってるからか、

三人ともなんとなく顔を見た瞬間に「あの話やろ」という空気になる。

博子も、座るなりすぐ言う。

「昨日のやつについて、あとでメールで送ってもいいけど、とりあえず報告だけさせてよ。」

「お、なんか来たん?」

「来た来た。」

さきちゃんもアルカちゃんも、ちょっと身を乗り出す。

博子は、少し溜めてから話す。

「税理士先生がすごい喜んでたよ。」

「おお。」

「総じて、山崎ウイスキー工場の空気は良かった。卓もあったかくて、すごい良かったって。」

「うんうん。」

「で、弁護士先生からも税理士先生に個別で連絡来たみたい。」

その瞬間、サキちゃんが「あ、それ私も聞いた」と食いつく。

アルカちゃんも頷く。

「私も聞いた聞いた。」

「すっごい楽しかったし、記念に置いてんねん、みたいなやつやろ?」

「そうそうそうそう。」

博子も笑う。

弁護士先生が、山崎十八年を買えたことをかなり喜んでいたのは、みんななんとなく想像してた。

でも、実際に個別でちゃんと感謝の連絡を色々なところに送っているのを知ると、やっぱり嬉しい。

「だからトータル、すごい良かったと。」

「おお。」

「ほんで、一応お手当てが。」

博子は、ちゃんと区切って伝える。

「アルカちゃん、さきちゃん十。」

「うん。」

「私が十二。座組代上乗せねと。」

「なるほど。」

「で、カレンちゃんが二だと。これは期待込みだよっていうことで。」

その配分を聞いて、さきちゃんがすぐに言う。

「それ、なんかちゃんとしてるな。」

アルカちゃんも頷く。

「うん。カレンちゃんにもつけてくれるん、ええよね。」

「そうなんよ。」

博子もそこはかなり印象に残っていた。

「あと、座組また考えておいてくれって言われたんだと。」

そこまで言ったところで、博子はわざと大げさにため息をつく。

「もう私、ネタあんまないんやけどな。」

すると二人とも笑う。

「いやいや。」

「ひねり出してるやん、毎回。」

「でも、そんなに評価してくれたんはめっちゃ嬉しいな。」

さきちゃんが素直にそう言う。

アルカちゃんも、その気持ちはかなりあるみたいやった。

「そうそうそうそう。」

博子が乗る。

「ほんまに、色々気使ってるっていう意味でさ。」

するとアルカちゃんが、少し真面目な顔で言う。

「いや、なんかさ。博子ちゃんの大きい船に乗ってるからさ。

私は若干申し訳ないなって気もあるけども。」

博子は、それを聞いてすぐに首を振る。

「いやいや、そんなこと言わんといてよ。」

「でも。」

「あれだけの人を、私一人で回そうと思ったら、どんだけ大変やと思ってんの。」

そこは、わりとはっきり言う。実際そうや。

東京の社長たちも、税理士先生の座組も、一人で全部背負ってたら回らへん。

二人がいて、空気を壊さず、それぞれの卓でちゃんと場を持たせてくれるから、全体が綺麗に回る。

「だから、それはもう、やっぱり二人の空気壊さんかったって立派な仕事よ。」

さきちゃんも、その言葉には頷く。

「うん。うちら、変に出しゃばらんかったしな。」

「そうそう。」

ただ、アルカちゃんはまだ少し引っかかってるところがある。

「でも私は、ネギ焼きのやまもとでね。ちょっと嫌な目にあったからさ。

なんかこの分だけもらうっていうのも、ちょっと申し訳ないなって気はあるけど。」

博子は、そこもすぐ返す。

「いやいや、トータルでいいやん。」

「うん。」

「ていうか、あれ一個で全部決まるわけちゃうし。」

さきちゃんも、その流れに乗る。

「そうそう。山崎ウイスキー工場の流れがでかいし。」

「そうやな……。」

アルカちゃんも、そこでようやく少し気が抜けたように笑う。

「ていうかちゃんと、あれやね。」

さきちゃんが、ふと思い出したように言う。

「カレンちゃんにもつけてくれるあたりが、なんか税理士先生いいよね。」

「それな。」

「ただ混ぜただけじゃなくて、入ってくれた分を見てる感じする。」

「そうなんよ。」

博子もそこは同意する。

「だから、ああいうとこ雑じゃないから、回し甲斐あるんよね。」

そうやって少し温まったところで、自然と次の座組どうする?という話になる。

これはもう避けて通れへん。ネタがないない言いながらも、結局次の案を考えなあかん。

「一応考えて、ひねり出したのが。」

博子がそう言うと、二人とも「お」となる。

「八月末にビアガーデン行くっていうのは、一つかなと。」

「おおー。」

「だから、これでみんなで一回四人で顔合わせ。四対四の顔合わせでいいかなっていうのが一つ。」

「それ、わかりやすくてええやん。」

「外やし、夏っぽいしな。」

「そう。」

博子は、そこを少し乗せるように話す。

「で、もう一つは。」

「うん。」

「コンカフェを貸し切って、みんなで遊ぶっていうのもどうかなと。」

その瞬間、二人とも一気に食いつく。

「それめちゃめちゃ面白そうやん。」

「え、なにそれ、めっちゃええやん。」

「でしょ。」

ヒロコも、そこはちょっと得意げになる。

普通の飯屋とか工場見学と違って、“コンカフェを貸し切ってみんなで遊ぶ”っていうのは、

だいぶ絵が変わる。

しかも、税理士先生の“地場の人間をゆるく混ぜたい”という構想にも合う。

ただし、もちろん簡単ではない。

アルカちゃんが現実に戻す。

「いろいろ裏回し必要やな。」

「そうなんよ。」

博子もすぐ頷く。

「なんか、いろいろ交渉ごととか。」

「貸切料とか、時間とか。」

「あとどこまでやってええかとか。」

さきちゃんも、そこを次々挙げる。

「そうやけども。」

博子は、そこで少し肩をすくめる。

「まあ、それは追い追いやな。」

「うん。」

「とりあえず、球として置いとく分には面白い。」

「それはある。」

「ビアガーデンは現実的。コンカフェ貸切は夢がある。」

「ちょうどいいやん。」

そんなふうに、また三人で盛り上がる。

結局、ネタないネタない言いながら、話し出すとちゃんと出てくる。

しかも、一人で考えてる時より、こうやって三人で喋ってる時の方が、案が太くなる。

誰かが現実を言って、誰かが夢を足して、誰かが真ん中を取る。

それが今のこのチームの良さやなと、博子は思う。

フリーの宅に戻ってからの短い時間やのに、気づけば昨日の振り返りから次の構想まで、

かなりしっかり話していた。

税理士先生が喜んでたこと。

お手当の話。

カレンちゃんの評価。

そして次のビアガーデンとコンカフェ貸切案。

こうやって細かく話せる相手がいるのは、やっぱりでかい。

「とりあえず。」

博子が最後に言う。

「あとでちゃんとメールでも送るけど、今日はこんな感じ。」

「了解。」

「ありがとう。」

「いやいや、こちらこそ。」

そんなふうに話しながら、三人ともまたそれぞれの持ち場に戻っていく。

でも、頭の中にはもう次の座組の絵が、うっすらでき始めていた。

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