東京メイン社長の動き。女性陣にもらったヒント、宿題をこなしに下田に行きリフレッシュ。やっぱり大阪で遊びたい
東京メイン社長たちは、女性陣からそれぞれぽんぽんと投げられた球
――多摩、山梨、下田――を、なんとなく頭の片隅に置きながら日々を過ごしていた。
ある日ふと、「これ一回ちゃんとこなしてから、また大阪に遊びに行きたいよな」という話になる。
ただ、毎週毎週大阪に行くのも違う。向こうにも負担やし、こっちも、移動だけで地味に
体力を持っていかれる。
東京におっても、結局仕事して、飲んで、六本木だ銀座だって回っても、なんか息が詰まる。
遊び方も、もうちょっと変えたい。
そういう気分の時に、「じゃあ、とりあえず下田あたりでちょっと風呂でも入って、
美味しいもん食って、日帰りでやってみるか」という話になった。
東京駅から伊豆の踊り子に乗る。
なんか名前からしてええやんけ、という軽いノリもあった。
いざ乗ってみると、意外と空いてる。
新幹線みたいにバタバタしてへんし、出張客でぎゅうぎゅうでもない。
「やっぱ新幹線とかでみんなウロチョロするけど、何もない下田までそら行かんか」と
笑いながら、缶コーヒー片手に窓の外を見る。景色がだんだん田舎になっていく。
ビルが減って、山が近くなって、海の気配もしてくる。
「ほんまにこんなとこなんかあんのかな」と半分冗談で言いながらも、
その“何もなさそう感”が逆によかった。
下田について、まずは日帰りで入れる温泉宿に入る。
ここも、アルカちゃんが軽く送ってきてた候補の一つを頼りにしていた。
温泉にざぶんと浸かって、仕事の話もだんだん薄れていく。
で、風呂上がりに休憩所みたいなところで横になったら、そのままうとうとしてしまう。
これが、なかなか気持ちいい。
「あれやな、開放された感あるな」と社長の一人が言うと、もう一人も
「わかる。何もしてへんのに、めっちゃ解放感ある」と返す。
大阪京都みたいな、誰かが緻密に組んでくれた遊びとはまた違う。
でも、自分らでふらっと来て、風呂入って、寝て、というだけでも、ちゃんと楽しい。
昼過ぎになって、今度は飯を食いに行く。
アルカちゃんからぽーんと送られてきてた、食べログ3.4ぐらいの店。
「3.4って微妙に信用できるラインよな」と笑いながら入ると、意外と肩肘張ってへん。
観光客も地元客も、誰が誰かわからん感じで混ざってる。
それがまたええ。海鮮丼を頼んだら、これが結構うまい。
ネタの厚みもちゃんとしてるし、変に観光地価格で雑に出してる感じがない。
「これ東京で食ったら3000円するんちゃう?」
「いや、するやろ」
「なのに1200円ぐらいで食えるって、めちゃくちゃええやん」
そんな話で盛り上がる。
別に下田に何があったってわけじゃない。大きい観光をしたわけでもない。
でも、男同士でわーっと来て、雑談して、風呂入って、寝て、海鮮食って帰る。
こんなのも悪くないな、というのが正直な感想やった。
帰りの踊り子の中で、三人はまただらだら喋る。
「やっぱ俺ら、遊んでもろてる関係で、こういう接待感のない遊びを欲するところあるよな」
「あるな」
「向こうで遊ぶのは向こうでめっちゃ楽しいけど、今日は今日で全然違う満足感あるわ」
「わかる。何も背負わんでええ感じがいい」
そうやって話しているうちに、結局また大阪の話になる。
「でもやっぱ、こういうのやった後やと、また大阪行きたなるな」
「なる」
「ちょっと連絡しといてくれよ」
メイン社長がそう言われて、「しゃあないな」と笑いながらスマホを取り出す。
下田は下田で良かった。
でも、その“何もない日帰り”をちゃんと挟んだからこそ、次また誰かに遊ばせて
もらうことのありがたさも、逆によくわかる。
東京駅に着く頃には、三人ともなんとなく、次の大阪をもう考えていた。




