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水曜日、東京イキリ社長が大阪に一緒に行った社長二人と呑みながら京都大阪に行って楽しんでた話を突っ込まれる。他の社長から博子に電話して今週末行けるか聞けとせかされるwww

一方その頃、東京イキリ社長は、一緒に大阪に行った社長と飲みに行っていた。

場所は銀座や六本木ではなく、ちょっと落ち着いたところで軽く飲める店。

さすがに先週の水曜日の一件で、イキリ社長としてはもう銀座ではこりごりやった。

けれども、土日で博子と遊んで機嫌がよくなり、会社の制度も変えて、若手にも喜ばれて、

なんやかんやホクホクした状態で二人と会っていた。

席について早々、他の社長二人が言う。

「お前、ずるいぞ。一人大阪行って。」

イキリ社長は、そこでちょっと笑いながら手を振る。

「悪い悪い。」

「悪いで済むかいな。」

「いや、でも水曜どうしてもへこんでもてさ。」

「ああ、銀座のやつな。」

「そう。で、その足で博子ちゃんに電話して、受け止めてもらったわけよ。」

それを聞いた二人は、「なんやそれ」と笑う。

でも、その次に出てきた話がえぐかった。

「京都でな、九百八十円で、めちゃめちゃ安いのに十四代とか而今とか新政飲める店に行って。」

「なんやそれ。」

「ほんで飲んで、楽しかったんや。しかも、その流れで奨学金肩代わりのプランの具体的な数字

の見積もりまでもらってさ。」

「はあ?」

「で、次の日は小籠包行って、グラングリーンのところでなんかぼーっとして。リフレッシュ

できたから、会社戻っていろいろやった。」

二人とも、もう完全に箸が止まる。

呆れてるというより、ちょっと羨ましさが混じってる顔やった。

「めちゃめちゃ充実しとるやんけ。」

「そうやろ。」

「なんでそんなんに俺らも呼んでくれへんかったん。」

「いや、あれはちょっと俺がへこみすぎててさ。」

イキリ社長は、そこで苦笑いする。

「もう一回、自分で立て直したかったんや。」

「いや、それはわかるけども。」

「でも、もう一回行かなあかんな。」

「せやな。」

そんな話になって、三人とも少し前のめりになる。

前回、大阪で遊んだ時点でかなり楽しかった。

そこに加えて、今回はイキリ社長一人で行って、さらに違う札を切られて戻ってきてる。

だったら、三人でまた行くしかないやろ、という空気になるのは自然やった。

「じゃあ後でちょっと博子ちゃんに電話して、聞いてみるわ。」

イキリ社長がそう言うと、二人も「それがええ」と頷く。

でも、そこで話は終わらへん。

イキり社長は、少し得意げな顔で次の話を出す。

「なんかな。」

「うん。」

「博子ちゃんに言われてんねんけども。」

「何をや。」

「梅田で、ウルトラ安いところというか、俺が前に天満でちょっと釣られたやん。

あれに近いような感じで、大阪には第1ビルから第4ビルっていう、魔境みたいな

場所があるらしいねん。」

二人が、そこで目を丸くする。

「魔境。」

「そう、魔境。」

「なんやそれ。」

「立ち飲みとか、ごちゃごちゃした店がめっちゃあって、そこ探検しはったらどうですか、

って言われてん。」

その話を聞いた瞬間、二人の顔が変わる。女の子に全部組んでもらって、

高い店行って終わり、やなくて、自分らで探検する余白がある。

しかも大阪。その感じが、思った以上に刺さった。

「それ、ありちゃうか。」

「ありやな。」

「いっつもいっつも女の子になんかしてもらうのも、確かにな。」

「せやろ。」

「土曜に行って、おもてなしはしてもらう。で、日曜は俺ら三人でちょっと遊んでみぃひんか。」

「ええやん。」

「その辺のヒントみたいなもんは、博子ちゃんくれそうなんやろ。」

「そんなこと言ってた。」

「ほな、それでええやん。」

三人のテンションが、また一段上がる。

前回は完全に受け身やった。でも、今回は受けるだけやなく、自分たちでもちょっと動く。

それがまた、新しい楽しみ方として見えてきていた。

「面白いやんけ。」

一人がそう言って笑う。

「そんなおもろい話、もっと早よ言えや。」

「いや、俺も今日言うつもりやってん。」

「で、電話するんやろ。」

「する。」

「今しろ、今。」

イキリ社長は、そこでスマホを取り出す。

二人が「スピーカーにせえ」と横からうるさい。

いやいやそれはまだ早いわ、と笑いながら、でも内心では、これまた博子ちゃんに

言うたらどう返してくるかな、という楽しさもある。

一人で行った時とは違う。今度は三人で、もう一回大阪京都の扉を開けに行く流れや。

そのうえで、日曜は自分らで魔境を探検する。

なんやその遊び方、と思いながらも、三人とも、かなりその気になっていた。

「よし。」

イキリ社長は、小さく呟いてから、博子の名前を押す。

コール音が鳴る。

二人の社長が、妙にニヤニヤしながらその様子を見ている。

飲み会の空気が、一気に“次の大阪遠征の作戦会議”みたいになっていて、イキリ社長としては、

その感じが妙に心地よかった。

銀座でへこんでた数日前の自分からしたら、えらい違いやなと思いながら、

電話が繋がるのを待っていた。

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