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センチュリーホテルに到着。紅茶とゆったりした時間を小一時間楽しむ。1400円の紅茶はお値段以上の価値あり

京都駅の中央口から少し歩き、ホテルグランビアの中を通り抜けていく。

観光客や宿泊客がロビーを行き来していて、それなりに人の流れはある。

博子はそのまま奥へ奥へと歩いていく。

社長が後ろから言う。

「さっき言うてたラウンジ、まだなんか?」

博子が振り返る。

「もうちょっと奥です。」

社長が笑う。

「ほんまに奥やな。」

博子が説明する。

「グランビアって、基本ここに泊まる人が多いんですよ。京都駅直結ですし。」

社長が頷く。

「まあ、それはそうやな。」

博子が続ける。

「でも、その奥にセンチュリーホテルがあるんです。」

社長が少し驚く。

「奥にもう一個ホテルあるんか。」

「あります。」

博子が言う。

「しかも、最近改装してきれいになったんですよ。」

歩きながら続ける。

「それにね、裏の八条口の方にもホテルがいくつかあるんです。」

社長が言う。

「確かに最近増えてるな。」

博子が頷く。

「だから、ここ意外と気づきにくいんですよ。」

センチュリーホテルの入口に入ると、さっきのグランビアの喧騒とは少し空気が違う。

人の数がぐっと減って、静かな雰囲気が広がる。

博子が小さく言う。

「ほら、穴場でしょ。」

社長が周りを見ながら頷く。

「確かに静かやな。」

ラウンジに案内されると、ゆったりしたソファ席が並んでいる。

窓際ではアフタヌーンティーを楽しんでいる客が何組かいる。

博子と社長が席に案内されながら奥へ歩くと、ふと視界に入るテーブルがあった。

スーツ姿のおじさんと、大学生くらいの女の子が、きれいに並んだアフタヌーンティーの

皿を前に座っている。博子が小声で言う。

「あれ、多分パパ活です。」

社長が一瞬理解してから、クスクス笑い出す。

「お前……」

ヒロコは真顔のまま歩く。

社長が言う。

「お前は何を見てんねん。」

博子が笑う。

「いや、想像しただけです。」

社長が肩を揺らして笑う。

席に座ると、店員がメニューを持ってくる。博子が軽くメニューを開く。

「ここ、紅茶頼みましょう。」

社長が聞く。

「紅茶?」

「はい。」

博子が言う。

「アフタヌーンティーもいい店あったら、また教えます。」

社長が笑う。

「お前ほんま……」

少し間を置いて言う。

「博子ちゃん、面白いな。」

博子が肩をすくめる。

「普通ですよ。」

店員が注文を聞きに来る。

「紅茶をポットで二つお願いします。」

社長が値段を見る。

「千四百円か。」

博子が頷く。

「でもポットで出てくるんですよ。」

社長が周りを見渡す。

「席も広いな。」

博子が言う。

「でしょ。」

社長が笑う。

「京都駅でこんなゆったりした場所、なかなかないぞ。」

博子が頷く。

「ないです。」

社長が思い出したように言う。

「さっきのグランビアのラウンジ、ちょっと背中なかったか?」

博子が笑う。

「背中はありますけど、あんまりゆったり座る感じじゃないですよね。」

社長が言う。

「そうそう。」

博子が言う。

「ここはね、めっちゃ落ち着くんですよ。」

少し身を乗り出して言う。

「だから秘密基地にしてください。」

社長が笑う。

「秘密基地か。」

紅茶がポットで運ばれてくる。カップに注ぐと、ふわっと香りが立つ。

社長が一口飲んで言う。

「お、うま。」

博子が言う。

「でしょ。」

少し落ち着いてから、博子が続ける。

「この辺、ホテルも結構あるんですよ。」

社長が聞く。

「そうなん?」

「はい。」

博子が言う。

「民泊用のホテルとかも増えてて。」

社長が頷く。

博子が続ける。

「ちょっとずらせば、安く泊まれるホテルもあります。」

社長が笑う。

「お前ほんま……」

紅茶を飲みながら言う。

「ずらすの好きやな。」

博子も笑う。

「ずらすと、だいたいコスパよくなるんですよ。」

社長が頷く。

「今日一日でそれは分かったわ。」

窓の外を見ると、京都駅の人の流れが遠くに見える。ラウンジの中は静かで、

時間がゆっくり流れている。

社長が言う。

「ここ、確かにええな。」

博子が笑う。

「でしょ。」

二人は紅茶を飲みながら、ゆっくりと一時間ほど雑談を続けた。

忙しい京都駅のすぐそばにいるとは思えないくらい、静かな時間だった。

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