表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

283/723

弁護士先生帰宅後、アルカちゃん、さきちゃんと情報共有の時間をセッティングする。

フリー卓に戻り、博子はいつもの顔に切り替える。

さっきまでの設計会議モードとは違う、柔らかくて軽いテンポ。

残り2セット。仕事はまだ終わっていない。

けれど、隙間時間ができるたびに、アルカちゃんやさきちゃんと目が合う。

「土日どうやったん?」

やっぱり聞かれる。

博子は苦笑する。

「だいぶ大変やったで。」「でもな、これな。」

少し声を落とす。

「ゆっくり時間取って話したい。」

アルカちゃんが眉を上げる。

「そんなレベル?」

「うん。」

博子はうなずく。

「今、6月の2週目やろ?」

「うん。」

「3週目の土日、東京の社長3人組来るやん。」

さきちゃんが小さく「ああ」と言う。

「昨日の話、あれな。」

「次のチーム戦のきっかけになりそうな気がする。」

二人が少し真顔になる。

博子は続ける。

「どっかで時間取って、ちゃんと話したい。」

「明日の夕方とか、もし同伴なかったら。」「昼か夕方、お茶でもしながら。」

アルカちゃんが手を挙げる。

「あ、ごめん。」

「博子明日姫路ちゃう?」

博子が「あっ」と声を出す。

「そうや。姫路や。」

三人で小さく笑う。

「じゃあどこや。」

「木曜?」

さきちゃんがスマホを見ながら言う。

「木曜、夕方いけるかも。」

博子はうなずく。

「木曜、昼か夕方2時間。」

「アルカちゃんとさきちゃんで、お茶しよ。」

アルカちゃんがにやっとする。

「作戦会議やな。」

「そう。」

博子は少し真面目な顔になる。

「ここで話せたら楽やねんけど。」

「ちょっと話が重い。」

「真面目なやつやから。」

さきちゃんが頷く。

「ここやと、聞き切れへんな。」

「やろ?」

博子は続ける。

「もちろんLINEでも情報共有する。」

「でも、煮詰めたい。」

「ちゃんと。」

アルカちゃんが腕を組む。

「昨日そんなに濃かったん?」

博子は息を吐く。

「うん。」

「概要はな。」

「京都駅10時半集合。」

「ロッカー預けて、タクシー移動。」

「酒屋で日本酒選ばせて。」

「イタリアン行って。」

「鴨川で飲んで。」

アルカちゃんが笑う。

「めっちゃちゃんとしてるやん。」

博子は首を振る。

「ちゃんとしてるだけじゃなくてな。」

「“気づき”の話になってん。」

さきちゃんが目を細める。

「余白?」

博子はうなずく。

「そう。」「ロジカルの外のやつ。」

アルカちゃんが小さく言う。

「それ、3人組にも使えるやつ?」

「たぶん。」

博子は真顔になる。

「うちら、チーム戦やん。」

「1人だけ刺さっても意味ない。」

「全員の満足度の最低ライン上げなあかん。」

さきちゃんが頷く。

「設計、共有せなあかんやつやな。」

「そう。」

博子は続ける。

「だから、ちゃんと話したい。」

「だいぶ大変やったで。」

「最強カード出せって言われて。」

二人が目を丸くする。

「まじで?」

「まじ。」

博子は苦笑する。

「でも乗り越えた。」「で、次につながった。」

アルカちゃんがゆっくり言う。

「じゃあ木曜、ちゃんと時間作ろ。」

「作戦会議や。」

博子はほっとする。

「ありがとう。」

そうこうしているうちに、残りの2セットも終わる。

いつもの軽い会話。笑い。ドリンク。

でも博子の頭の中は、もう次に向いている。

火曜日、姫路。また別の客。別の設計。

家に戻りながら、スマホのメモを開く。

・余白=詰め込まない勇気

・体験させる

・選ばせるけど落としどころ作る

・設計感を消す

博子は小さく息を吐く。

「忙しいな。」

でも、嫌じゃない。種は蒔けている。

あとは、磨く。火曜日の姫路に向けて、服を整え、動線を確認する。

木曜日の作戦会議も、頭の片隅に置く。一人で考え込まない。

チームで磨く。そう決めた。

ベッドに入る前、博子はアルカちゃんとサキちゃんに一言送る。

《木曜よろしく。だいぶ濃い話するで。》

すぐに既読がつく。

《楽しみやん。》

博子は微笑む。

次は姫路。その次は、東京3人組。

余白は、まだ広がっていく。

静かに準備を進めながら、博子はまた次の一歩へと向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ