日曜日。東京社長3人組のアフター。博子は幹事社長と中之島デート。各々満喫して東京へ帰る
朝の待ち合わせは、淀屋橋の改札前。
博子は少し早めに着いて、スマホを見ながら呼吸を整えていた。
ほどなくして、さきちゃんとアルカちゃんが現れる。
「おはよう。寝れた?」
「まあまあやね。今日は仕上げやからな」
三人で軽く目を合わせる。
そこに、東京三人組が揃ってやってくる。
「おはようございます!」
昨日の余韻がまだ残っている顔つき。
六人が揃うと、自然と空気が引き締まる。
「じゃあ今日は、それぞれのコースでいきましょうか」
博子が仕切る。
アルカちゃんは、明るく手を挙げる。
「私はお好み焼き体験、連れていきますね」
さきちゃんは落ち着いた声で、
「私は焼肉です。昼からいけるとこ、押さえてます」
博子は幹事社長のほうを見る。
「私は中之島、ゆったりコースで」
「ええやん、昨日と違う流れやな」
笑いながら、それぞれの組が自然に分かれる。
博子と幹事社長は、ビル群の間を抜け、北浜へ。
「今日は観光寄りですか?」
「観光というより、余白です」
ヒロコはそう言って、中之島公園へと案内する。
川沿いの緑。
朝の光が柔らかく、昨日の夜とはまったく違う空気。
「大阪って、こんな落ち着いた場所あるんやな」
「意外と知られてないんですよ」
二人でゆっくり歩く。急がない。詰め込まない。
ボート乗り場に着くと、ヒロコが軽く笑う。
「乗ります?」
「乗るんかい。でも乗る」
小型ボートに並んで座り、水面へ出る。
ビルの谷間をすり抜ける風が気持ちいい。
「六本木でこれやったら、なんか違う意味になるな」
「大阪やから成立するんです」
幹事社長が静かに頷く。
ボートを降りると、今度は中之島公会堂へ。
重厚な赤レンガの建物を見上げる。
「ここ、ドラマでもよく使われるんです」
館内のレストランへ入り、名物のオムライスを注文する。
運ばれてきたのは、王道の一皿。
「これで1,200円です」
「安っ。東京やったら倍やな」
ヒロコは微笑む。
「大阪は、ど真ん中がちゃんと残ってるんです」
卵の甘みとデミグラスソースの濃厚さ。
派手ではないが、沁みる。
食事をしながら、幹事社長がぽつりと言う。
「昨日の設計、ほんま良かった」
「今日はその続きですよ。余韻を整える日」
幹事社長は笑う。
「秘書に欲しいぐらいやわ」
「雇われませんよ」
冗談を挟みつつ、会話は自然に仕事の話へ。
無理に盛り上げない。聞き役に徹する。
ランチを終え、タクシーを拾う。
「じゃあ、新大阪向かいましょうか」
車内は静かで、どこか名残惜しい空気。
「昨日と今日、満足してもらえました?」
博子が聞く。
「想像以上や。六本木とは別ジャンルやな」
「また来たいと思わせるな」
博子は頷く。
「また遊びに来てください。大阪は逃げませんから」
新大阪に到着。
改札前で待っていると、少し遅れてアルカちゃんとさきちゃんの組もやってくる。
アルカちゃんの相手は、満面の笑み。
「お好み焼き、めちゃくちゃ楽しかった!」
サキちゃんの組は、落ち着いた満足感。
「焼肉、ちょうど良かったわ」
六人が揃う。
昨日とは違う達成感。
「ほんまに二日間、ありがとうな」
幹事社長が言うと、三人の社長たちが頷く。
博子は軽く頭を下げる。
「またお待ちしてます。次はまた違う設計で」
「次も頼むで」
改札へ向かう三人の背中を、三人の女の子が並んで見送る。
新幹線の時間が近づく。
「うまく回ったな」
アルカちゃんが小声で言う。
「首尾上々やね」
さきちゃんが頷く。
博子は小さく息を吐く。
「とりあえず、今日もはずさんかった」
六人の時間はここで解散。
だが、流れは続く。
博子はホームへ向かう背中を見ながら、次の設計を静かに考え始めていた。




