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税理士先生を見送ったあと、先生との設計図をアルカちゃんとさきちゃんにシェア。面白い

税理士先生を見送って、フリー席に戻ると、ちょうどアルカちゃんと

さきちゃんが並んで座っていた。

「ちょっとええ?」

3人だけの空気になる。

私は声を落とす。

「今日、税理士先生来ててん。」

アルカちゃんがすぐ反応する。

「またなんか企んでる顔してるやん。」

「企んではないけどな。」

私は笑う。

「最近さ、私、アフターフォローで明日ウィスキー工場行くねん。水曜来てるおじいちゃんと。」

「あー言うてたな。」

「その話したらな、税理士先生が“俺も使いたい”言い出して。」

「使いたい?」

さきちゃんが眉を上げる。

「顧問先の先生たち、接待するにあたって、ここで仲良くなった子と

“体験型”やりたいんやって。」

アルカちゃんが前のめりになる。

「どんな?」

「第一段階は今まで通り。ここで仲良くなって、それぞれ同伴して、ここ戻って反省会。」

「それはもう私と博子ちゃんでやってるやつやな。」

「第二段階が外や。」

博子はゆっくり言う。

「ウィスキー工場とか、酒蔵巡りとか。一緒にどっか行く。

半日。時間共有して、もう一段仲良くなる。」

アルカちゃんの目が光る。

「裏でお手当てもらえるん?それプラス同伴で返してくれるんかな?」

「そう。継続前提。」

さきちゃんが腕を組む。

「それ、ええやん。」

博子は続ける。

「保険会社の人おるやろ?アルカちゃんと仲良くなってる。」

「うん。」

「もうちょっと深めたいって。大きい契約1本2本取れたら、私らに払う分なんか

仕事でペイできるって。」

アルカちゃん、即答。

「やるやる。」

笑う。

「裏でもらえて、同伴確保できるなら最高やん。」

私は頷く。

「ただな、設計ミスったらあかん。」

さきちゃんが真顔になる。

「そこよな。」

「店外ばっかり行って、店来んようになったら意味ない。」

「うん。」

「裏でお金もらいすぎても、そっちメインになったらバランス崩れる。」

アルカちゃんが言う。

「何割かは店に戻す感じ?」

「そう。」

私は指を立てる。

「例えば裏で包んでもらっても、もらいすぎた場合、そのうちの一部は“次の同伴資金に

回してください”って返す。少ないと思ったら次は同伴でも使ってくださいと誘う。」

「商売人やな。」

「そうせな継続せえへん。」

さきちゃんが静かに言う。

「継続して来てくれたら、うちらも安定するもんな。」

「そうやねん。」

私は続ける。

「弁護士とか社労士とか、税理士先生が仲良くなりたい先生おるやろ?」

「うん。」

「第一段階はさきちゃんをフリーにいれるから取れたら指名もらってやってほしい。」

「私?」

「うん。アルカちゃんは今指名の人いるやん。フリー何人かつけて、

おとなしめの子も混ぜて。相手の好み見ながら指名もらってよ。」

さきちゃん、少し照れる。

「ハマれば第二段階?」

「そう。酒蔵じゃないかもしれんけど、体験型。」

アルカちゃんが笑う。

「なんか組織みたいやな。」

「小さいチームや。」

博子は真面目な顔になる。

「少なくとも私ら3人は回る。」

さきちゃんがぽつり。

「この前ちょっと揉めた子らもおったけど。」

「あれはな。」

私は息を吐く。

「やってへんから、良さわからんだけや。」

アルカちゃんがニヤリとする。

「巻き込んだらええんちゃう?」

「そう。」

私は頷く。

「事情説明して、“裏でもらえる”“同伴増える”って見せたら、味方増える。」

さきちゃんが言う。

「共犯者にするってことやな。」

「そう。」

アルカちゃんが笑う。

「それ賢い。」

「孤立したら終わりやからな。」

私はゆっくり言う。

「一緒に稼げるって思ってもらえたら、文句減る。」

さきちゃんが頷く。

「私、回すわ。」

アルカちゃんも。

「うちもノリノリやし。」

私は少しだけ肩の力を抜く。

「ほな、様子見ながらいこ。」

「やりすぎたら止める。」

「うん。」

空気が軽くなる。

「なんかさ。」

アルカちゃんが言う。

「最近ちょっと楽しいよな。」

「うん。」

さきちゃんも笑う。

「前より希望あるわ。」

私は立ち上がる。

「ほな、フリー回ろか。」

3人で立ち上がる。

裏で小さく設計図を共有して。誰にも聞こえへん声で、未来を分け合って。

そして何もなかった顔で、フリーの卓へ向かった。

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