博子が次回3人別々に同伴指名してそれぞれご飯のあと答え合わせを提案するwww
森伊蔵のグラスを回しながら、博子は少し間を置いてから口を開いた。
「今日、21時に来ていただきましたけど……」三人の東京組がこちらを見る。
「もし次来られるとき、ちょっと趣向変えてみるのもアリかなって思いまして」
「ほう?」「例えばなんですけど。今回は私指名で来ていただきましたけど、
次はお三方それぞれ指名を持ってもらって。で、18時ぐらいにそれぞれの女の子と
同伴でご飯に行くんです」三人が顔を見合わせる。博子は続ける。
「それぞれが選んだお店で食事して、20時から20時半ぐらいに店前集合。
で、三人揃って入店して、“同伴の答え合わせ”をするんです」
一瞬の沈黙。次の瞬間、三人が同時に笑った。
「なんやそれ、めっちゃおもろいやん!」
「そんな提案されたことないわ!」
「答え合わせって発想がもう新しいな」
さきとあるかが横で小さくガッツポーズする。
博子は自然体のまま、さらに畳みかける。
「もし旅行で土日来られるなら、日曜の午前中とかも使えますよね。
例えばランチとお茶をそれぞれ別行動でして、夕方に新大阪集合。
帰りの新幹線で“持ち帰りレビュー会”です」「それもええな!」
「観光もできるしな!」「全員違うとこ回って持ち寄ったら、次のネタになるやん」
三人のテンションが上がる。「絶妙なパスやなあ、ヒロコちゃん」
あるかが小声で「ナイス」と囁く。博子の中で、静かに確信が芽生える。
いける。この三人は“札束で殴る”よりも、“遊び方を組み立てる”方が刺さるタイプや。
「じゃあ明日やってみる?」ひとりが半分本気で言う。
博子は少し笑って首を傾げる。「それもいいですけど、今回はプロトタイプでどうですか?」
「プロトタイプ?」「北極星の本店でランチして、難波の八坂神社。あの鬼の顔の神社です。
そこから新大阪。シンプルな半日コースです」「え、それめっちゃええやん」
「観光マップに載ってへんやつやろ?」「ちょうどいい距離感やな」
「しかも帰りの新幹線で振り返りできるし」三人が本気で検討し始める。
「六本木でパカパカ開けてるの、ちょっと馬鹿らしくなるよな」
「確かにな。話面白い女の子いて、しかもゆっくり飲めるってなかなかないわ」
博子はグラスを静かに口に運ぶ。六本木を否定せず、でも比較で価値を浮かせる。
これや。“価格”じゃなくて“設計”で勝つ。さきもあるかも、空気を読みながら絶妙に会話を回す。
東京組の三人がそれぞれ違う方向に興味を持ち始めているのがわかる。
ひとりは観光系。ひとりはデート設計系。ひとりはコミュニティ遊び系。
枝が増える。博子の頭の中で、静かに構図が組み上がる。
ただ――(あ、明日の二人の予定聞いてないな)
ふと我に返る。さきとあるか、明日の昼空いてるんやろか。
ちょっと雑に投げたかもしれん。でも、今は止めない。
この流れは止めたらあかん。「もちろん無理にとは言いませんよ」
博子がやわらかく補足する。「みなさんが“また来たい”って思える形が一番なんで」
「いや、これは来る理由になるわ」「来る前から楽しみできるってええな」
森伊蔵が減っていく。百年の孤独も静かに回る。二セットが、体感では一瞬で過ぎる。
笑いと具体的なプランが交互に重なり、三人の表情が明らかに変わっている。
ただの接待ではない。“遊びを設計される側”から、“一緒に組み立てる側”へ。
博子は心の中で静かに呟く。(これはいける)同時に、少しだけ緊張も走る。
次をどう繋ぐか。誰をどう回すか。でも今は、この空気を味わう。
確信に変わりつつある手応えを、胸の奥でそっと抱えながら、博子は次の一言を探していた。




