学園祭のはじまり
「学園祭初日!頑張って模擬店部門1位取るわよ!!」
おー!!!
と元気の良い声が教室から響く。
教室の中央に立ってみんなを鼓舞しているのは、お祭り大好き唯ちゃん。
そんな様子をクラスの隅っこで見ていた私はワクワクして、同級生っていいな~と感動してしまった。
クラスの出し物は定番の喫茶店。
衣装は全員お揃いで、女子は黒のワンピースにパニエを履いて、白のフリフリのエプロンのメイドスタイル。
男子は白のカッターシャツに黒のスリーピースに蝶ネクタイまたは、ネクタイ、クラバットの三種類ある。
各自、採寸をしてオーダーメイドで作っているので、伸縮性もありとても動きやすい。
私は、ディから下にズボンを履くように言われたので、パニエの下にズボンを履いている。
そして、何より可愛いのだ。
だから、自然と口元が緩む。
「あ、ソフィとウィルくんもお帰り~!」
私とウィルを見つけた唯が手を振る。
唯の声にクラスメイトが振り向いたのだが、皆心なしか顔が赤い気がする。
そしてなぜか歓声が上がった。
「え?!なになに?どこか変?」
「違うと思いますが。ソフィはどんな格好でも可愛いですよ。」
「あ、ごめん、ウィルに聞いた私が悪かった。」
そう言って唯のもとへと歩き出した時、背後から冷たい視線を感じ振り向くもディの体が視界を遮って、誰がいたのか分からなかった。
気のせい・・・?かな?
首を傾げながら輪の中に入ると、皆ディと同じように可愛いと言ってくれたので非常に安心をした。
言われすぎて少し恥ずかしかったけれども・・・・・・。
絶対耳まで真っ赤だろうな。
パタパタと手で顔を扇いでいると、校内放送がかかり一般入場が始まったことを教えてくれた。
人生初めての、同世代との学園祭の始まりである。
「じゃあ、早速ソフィとウィルくんは客寄せとビラ配りをお願い。いい?絶対2人で行動する事。離れたとしてもお互い視界の中に入れておく事。いい?」
唯ちゃんからビラを受け取り、念を押されるように約束事をされた。
危険なんだろうか??
「ウィルくんよろしくね」という唯にディは笑顔でうなずいた。
やってきたのは高等部のメインの入り口となる昇降口。
その場所はすでに多くの人で溢れていた。
『うわ!すごい人。』
『ひとまず、唯に渡されたビラを配って早く教室に帰ろう。』
『ディ、人混み苦手だもんねぇ。』
くすくすと笑いながらどこか不満げな表情をしたディだが、すぐに満面の笑みを浮かべてビラを配り始めるとすぐに女子生徒やら女性客らやらに囲まれていた。
その光景に少しモヤっとしたので、ディより先に配り終えてやる!!
と決意し、私もビラを配り始めた。
唯ちゃんに渡された100枚近くのビラは30分も経たないうちに全部配り終えたので、一度教室へと戻ることにした。




