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『・・・何をそんなに笑ってるの?』
『・・・ん?声でてた・・・?』
『まぁ。そんなに幼馴染に再会できたのが嬉しかったの?』
『それだけじゃないけれどね。だって制服があるんだよ?しかも可愛いし』
『エマが、それだけで喜んでいるのならいいし、泣かないのなら別に僕は構わないけれど。』
『そんな簡単に泣きません。それより、時差ボケもあるし眠りが浅いのはもう少し続きそう?』
体をモゾモゾと反転させると、ディノの顔を覗き込む。
『・・・まぁ、しばらくは。環境も変わったし、生活のリズムも変わったし、まともに寝れないのは覚悟してる。』
『そんな覚悟はしないでよ。』
『なら、なるべく俺から離れる・・・・な・・・・。』
そう呟いてたディからは、規則正しい寝息が聞こえてきた。
これは、予想よりも少し早いかもしれない・・・・。
身の安全のためにもどうにかしないと・・・。
今までの経験と、ディの傾向からしてディの睡眠時間の確保を最優先事項として動こうと決めると私も布団に潜った。
布団に潜った所で、私のスマホに着信が入った。
ディスプレイに表示された名前を見てベッドから抜け出すと、リビングまで移動して通話ボタンを押す。
『おはよう、ソフィ』
『・・・おはよう。ギル。私やっと寝ようかと思っていたのだけれど・・・。』
『あら、ごめんなさいね。それで転校初日はどうだったの?』
『あ~、それが実は問題が発生しまして。』
『何?幼馴染くんとダンが喧嘩でもしたの?』
『それも近いところの雰囲気はあったけれど、それよりルイスから聞いてない?あの電話の感じ、事務所で仮眠してた感じなんだけれど。』
『ルイスから?』
キョトンとした返事が返ってきたので、話を知らないんだなと確信した。
『ねぇ、ちょっと調べてくれない?』
『なぁに?』
『ミシェル学院が隠している事について。過去の事件や、アメリカから赴任した先生の情報も。』
『なぁに?早速事件ホイホイしちゃったの?』
『・・・・そんなところ。今回はルイスに嵌められた感が半端ない。』
『まぁ、班長ならやりかねないわね~。それより読みかけてた捜査資料も後で送ってあげるわね。』
『ありがとう。とりあえず、学校の件は時間ができた時で大丈夫だから。私も学校で調べるし。
で、ギル。例えば私とギルが顔見知り程度の知り合いで、ギルしか持っていない情報を私がどうしても欲しいと言っていった場合どうする?どういう条件をつける?』
『そうね~。相手が絶対嫌がるような事を条件に持ってくるかしら?でもなぜその情報が欲しいのかも聞いて自分に利益があるなら渡すかしら?ふふ。』
『なんか腹黒いものを感じる・・・。』
『あらいやーね。大切な情報なんだから対価といいなさいよ。まぁいいわ資料は送ったから、今聞いたものはちょっと伝にでも聞いてみるから。』
『ありがとう。』
『帰国したら、お買い物いきましょうね~。』
『・・・・休暇の最終日でいいのなら。』
『楽しみにしてるわ。』
そこで通話は終了。
電話が切れる間際、バサバサと髪がなだれる音が聞こえたので打ち込んでいるデータの資料が雪崩れたんだろうなと安易に想像がつく。
ギルがいる部屋の惨状を想像してしまったが、私にはどうしようもできないので、ベッドに潜り込む。
今度こそ、しっかりと眠りについた。




